ボルダリング検定とコンペは何が違うのか

2018年の1月20日(土)にナカガイクライミングジム橿原店第2回ボルダリング検定(以下、ボル検)が開かれました。

検定会は50名以上が参加し各々の目標に向かった真剣な登りが繰り広げられました。

 

ただこれを読んでいる多くの方が、

“そもそもボル検って何”

“コンペとどう違うの”

“そんなもの必要なの”

と感じていると思います。

なので、この記事では簡単にボル検とコンペの違いに触れて、第1,2回とセッターとして関わった僕が感じたことを書いてみたいと思います。

ただ僕はいちセッターという立場なので、ここで書くことはあくまで個人の見解です。

 

<当日の様子>

 


ボル検とコンペの違い

まずボル検の概要をすごく簡単に書くと

・参加者は5~1級で自分が受けるクラスを選ぶ

・それぞれの参加クラスに合ったグレードの課題が5本用意され、3本以上完登すると合格

・5~3級は全てセッション形式、2~1級はセッション3課題+ベルコン2課題

という感じです。

 

コンペとの違いは「コンペは他人に勝つ競争の場だが、ボル検は自分の上達を測る場」という点が最も大きいかと思います。

もちろんコンペに出場する目的として「自分の成長を測りたい」「お祭り感覚で騒ぎたい」「単に楽しい」など人それぞれあるとは思います。

しかしコンペとはその名の通りcompetitionつまり競争なわけですから、セッターとしても課題を参加者の差が付く様に設定しますし、課題の内容も順位に差が出るようにするわけです。

一方で、ボル検はそのグレードの課題が登れるかどうかを測るので参加者で順位に差が付く必要はありません。

全員全課題完登で合格でも構わないわけです。

その分課題のグレードがブレることは許されず、受験する課題は対象グレードにきちっと収まっていなければならないのです。

まとめると以下の様な感じでしょうか。

 

素朴な感想

それでまぁセッターという立場なので少しフランクにボル検に対する僕のスタンスや考えを話しますが、僕もやる前までは

“検定なんてそんなものいるんかいな。岩場とコンペで十分でしょ”

と思っていましたし、今でも本当にボル検が必要なのかはわかりません。

ただ、とにかく新しい何かにチャレンジするということは面白いと思ったのでセッターとして関わらせていただきましたし、振り返るとボル検の理念の1つである

「コンペにも参加せず、岩場にも行かないクライマーに価値ある目標を提示する」

というのは結構意義があることなのではないかと思っています。

 

コンペはどんなものであれ実は多くの人にとって敷居が高いです。

自分の別の生活がある中で趣味であるクライミングでコンペという戦いの場に出場することは、肉体的にも精神的にもキツイと感じる人はかなりいると思います。

日頃なかなか競争ってすることないですもんね。

また岩場に行くといのも、必要な道具、安全、そもそもの行き方、時間的制約、などなどの観点から最初の一歩が踏み出せない方は多いはずです。

もちろん僕としては岩場やコンペというクライミングの楽しみを多くの人に経験して欲しいと心から思いますが。

 

そんな中でボル検は少し気軽で目指しやすい目標としてなかなか良いものではないかと感じています。

もちろん反対意見が多いことも、彼らが懸念していることもよくわかりますが。

グレードという文化を画一的にしてしまう危険性、課題に付いているグレードをまるで人に与えるかのような制度、ボル検を目指すことによってクライマーの多様性を奪ってしまう恐れ、などなど考えなければならない問題はたくさんあります。

 

しかしどんなものでも新しいチャレンジには反対の声があがるものです。

1988年というちょうど30年前にに刊行された『岩と雪』130号、131号にはそれぞれ「コンペがすべてか?」「コンペ反対の声だってあるんだぞーっ」という、コンペがクライミングシーンを間違った方向に導くのではないかということを懸念した記事が載っています。

今ではクライミング界に深く浸透したコンペもその黎明期には多くの反対の声を浴びていたのです。

もちろん未だにコンペの是非を問う声は上がっていますけどね。

 

来年以降ボル検がどうなるのかまだ未知数なところもありますが、僕は関わるにせよ関わらないにせよボル検が発展したら面白いなぁと思っています。

 

 

参考記事

いちおう前回書いた記事も参考までに。

5級と1級のクライマーは何が違うのか ~第1回ボルダリング検定を通じて~

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