第14回ボルダリングジャパンカップ 準決勝・決勝の概要

昨日の2019年1月27日(日)に第14回ボルダリングジャパンカップ(以下、BJC)の決勝が開催されました。
予選からの厳しいシビアな流れが準決勝まで続き非常に緊張感が張り詰めた中でのファイナル。
決勝はドラマチックな展開から、女子は野中生萌選手、男子は石松大晟選手がそれぞれ初優勝!
おめでとうございます。
記録も兼ねて簡単に準決勝と決勝の概要を書いておきます。


BJC1日目の予選

予選の記事はこちらから。


BJC2日目の流れ

BJCの2日目は1日目の予選を勝ち抜いた男女それぞれ20名で競われます。
午前に準決勝があり、4課題をそれぞれ5分ずつでトライするベルトコンベア方式で競われます。
男女それぞれ上位6名が午後の決勝に進出し、決勝は事前のオブザベーション(下見)がなされた上で4課題それぞれ4分での競技となります。

準決勝

まずは準決勝の概要から。

課題概要

課題は以下の通り。

男子1課題目

男子2課題目

左から
女子2課題目
男子3課題目
女子3課題目

左から
男子4課題目
女子1課題目

女子4課題目

課題の内容を簡単に書くと
男子は
1課題目は赤と緑のスラブ課題。出だしは緑のプッシャーのウロコホールドにランジか左手ドン突きで始まり、ゾーンのカチを保持してからもう一度左を送るか右ヒールかが悩ましかった。
2課題目はグレーと黒のパワフルな挟み込み。カッコ良い真っ向勝負系。
3課題目は黒と青。ダイナミックな横っ飛びから始まり、ゴール前はとてもつらそうなアンダーから甘いカチへ。しかし多くの選手がゴールへ一気に飛ぶことを試みた。
4課題目は黄色のボテとカチやポケット。ゾーンのポケットの取り方が悩ましく、またゴール取りまで強度が非常に高い。

女子は
1課題目は黒白のデュアルハリボテに赤いデュアルのホールド。バランシーだがパワフルスラブであり、ゴール取りの手順が悩ましい。
2課題目は黄色。ハリボテを歩いてそこから激カチ。
3課題目は緑のボテから白の360の大きなホールドに走り、その後は強度の高いプッシュをする課題。
4課題目は青と黄色。足技も要するが真っ向勝負系。

 

リザルト、完登率等

詳しいリザルトは公式大会成績速報のページで見られます。
通過ラインは
男子:1完登3ゾーン
女子:2完登
と予選に続きとても引き締まった内容でしたが、昨年も通過ラインが1完登だったことを考えるといつもの準決勝とも言えるでしょうか。

男子は1課題目と4課題目が完登者が出ず、第2課題の抑え込み系か第3課題のダイナミック系のどちらかを登る必要がありました。
唯一楢﨑智亜選手のみが2完登でトップ通過。
以下、石松選手、藤井選手、杉本選手、村井選手とお馴染みの顔ぶれが並び、6位には土肥選手が予選の勢いのまま滑り込みました。
そして川又玲瑛選手は第3課題を登りましたがゾーンが足りず、1完登者では唯一決勝に進めず。
しかし来年以降に向けて大きな経験となったでしょう。

女子は第4課題は完登者が出ず、第1~3課題のどれかを2つ登れば通過。
しかしどの課題もタイプが違い、通過者によって登った課題が異なるという良いセットでした。
そんな中、中村真緒選手が強豪選手を差し置いてただ一人の3完登で初の決勝へ!
その後に伊藤選手、野口選手、野中選手と女子Top3が続いて5位6位には倉選手と平野選手というニューカマーがそれぞれ初の決勝に駒を進めました。

 

準決勝動画

準決勝の動画はこちらです。

決勝

詳細レポートはおそらく『Rock&Snow』などに書きますので、ここではさらっと!
 

課題概要

女子第一課題:カチ、スローパー、ピンチを保持させて最後も距離出し。オーソドックスな地力を見る課題

女子2課題目:4連続コーディネーション

女子3課題目:悪いバランスの中での指の保持やガストンの力に加えて、最後は壁の中に入り込む身体の強さが必要

女子4課題目:テクニカルかつダイナミックな要素が含まれた課題

男子1課題目:スラブだがキャンパシングやプッシュもありパワフル系

男子2課題目:The真っ向勝負!

男子3課題目:バランスや向きが悪い状態から最後はカチの力とダイナミックさ

男子4課題目:横走りコーディネーションから最後はハリボテを力でねじ伏せる

 

リザルト、決勝の展開

JMSCAのリザルトをそのまま貼らせていただきます。

<女子決勝リザルト>

<男子決勝リザルト>

女子は1課題目が地力を見るような課題でこれを完登できた野中選手、野口選手、伊藤選手のTop3人とそれ以外の初決勝の3人で大きな差が見えました。
2課題目は一昔前での男子決勝でも出てきそうな横っ飛びからの4連続コーディネーション。これを完登できたのは野中選手と伊藤選手だけで野口選手は一歩後退。
しかし3課題目の鮮やかな桃色カラーの課題は野中選手、伊藤選手はゴールに手がかかるも、結局完登できたのは野口選手のみ。絶対女王の勝負強さを感じましたね。
3人が2完登で並んで最終課題。
これを野中選手は3アテンプトできっちりまとめて、ゾーンの差で野口選手の優勝は無くなりました。
伊藤選手もフラッシュすれば望みはありましたが結局登れず。
ワールドカップ年間ランキング1位と世界で最も勢いのある野中選手がついに念願のBJCのタイトルを手にしました!

男子は1課題目はパワースラブ。これを最初の4名が比較的あっさりと登ったため全員完登かと思いきや藤井選手と楢﨑選手が登れず、日本の2大エースの雲行きが怪しくなります。
2課題目はピンチなどを豪快に握っていく真っ向勝負系ですが、この手の課題はこのメンバーはお手の物で全員完登。特に藤井選手と楢﨑選手は余裕を持ってフラッシュし、底力の強さを見せた形。
キー課題となった3課題目は最後にゴールに飛び出す前のカチを取る際のバランスが悪くここにどの選手も苦戦します。しかし石松選手はファーストトライから好感触、そして3アテンプトで完登。最後に出てきたここまで1完登の楢﨑選手も完登し望みを繋ぎます。ここで1完登の藤井選手は優勝争いから脱落し、4連覇の夢は断たれました。
運命の最終課題。石松選手のみが3完登なので他の選手は優勝のためには完登必須。
しかし出だしのコーディネーションから難易度が高く、ゾーンを止めたのは土肥選手のみと言う状況で最終競技者の楢﨑選手のトライ。
楢﨑選手は登れば優勝と言う状況で、更に会場も「智亜なら何かやってくれる、、、!」という雰囲気が漂っていました。そしてその暗黙の期待に応える形で楢﨑選手は3アテンプト目でゾーンを捉えます。
その後足をねじ込みハリボテの薄いフチをほとんど右手一本で耐えて、左手をハイアンダーにして突破を試みますが、力尽きてしまいます。
その後も同高度まで行きますが結局完登ならず。
優勝は石松選手に決まり、新たなスターがまたBJCに誕生しました!

感想など

選手の皆さん、観客の皆さん、運営の皆さん、セッターの皆さんおつかれさまでした。
僕も準決勝あたりからは本当に素で熱中して楽しんでしまった大会でしたね。
女子決勝の3課題目での出来過ぎた展開、そして男子最終課題の楢﨑選手の魂のトライ、が個人的なハイライトでしょうか。
しかし男女共にまたまた新しい風が吹き込んできた印象で、日本ボルダリングのコンペ界は熾烈さを増しそうですね。
4月からのワールドカップシーズンが楽しみです。

さ、ここでもらったモチベーションを自分のクライミングに活かしますか。
ではまた!

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