蟹交線 6

蟹交線

あれから数年の月日が流れた。
ここは蟹たちが住む、丸い世界のとある町。
ある蟹の職場でこんな会話がされている。

「Hey!Kanio,Where do you look at the first sunrise of the year?(やぁカニ夫、君はどこで初日の出を見るんだい?)」
「At home.(ホームでさ)」
「With your cute wife?(あの可愛らしい嫁とかい?)」
「Yes,besides my daughter.(うん、あと娘も一緒にね。)」
「Wow!You have the happiness of this town all to yourself.(わお!お前さんはこの町の幸せを独り占めってわけか。)」

一方ホームでは。

「Mam,when does dad come home?I’m sleepy…(ママー、パパいつ帰ってくるの?私もう眠いわ・・・。)」
「I think soon…(すぐだと思うんだけど。)」
「ZZZ(ぐぅぐぅぐぅ。)」

そこへ帰ってくる一人の蟹。

「I’m home!(ただいま!)」
「お帰りなさい。もうカニリーは寝ちゃったわよ。」
「そうか、ごめんごめん仕事が長引いちゃってさ。」
「初日の出見るんだってはりきってって起きてたんだけどね。ふふふ。あ、年越しそば食べる?」
「おう、頼む!腹ペコなんだよー。」

いつも通りの会話。
ホームを持った今でもカニ夫の楽しみはカニ子との何気ない会話なのである。
そばを食べながら一年間にあった色々なことを思い出し話す。
面白いもので会話に夢中になっているうちにあっという間に時間は経ってしまう。
そしてだんだんと夜は更けていく。

「そろそろ出るんじゃないか?」
「そうね、外で見てみましょ。」

寒空の下、外へ出た二人。
だんだんと東の空が明るくなっていく。
ここにはもう、その太陽を遮る岩はない。

「配られたカードで勝負するしかない。
でも今見えているのよりも、ずっと多くのカードを僕らは持っているんだ。」

しっかりとハサミを握り合った二人に初日の出が差し込んだ。

「Mam!Why didn’t you awake me!(ママ!なんで起こしてくれなかったのよ!)」

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