クライミングのルールの考察2~ホールド以外に使用可能なものは何か~

クライミングのルールの考察2~ホールド以外に使用可能なものは何か~

※2021年2月追記※
度重なるルール改定により現在ルールは大幅に変更されています。
↓の記事を読んで下さい。

※追記終わり※

※2015年のルール変更によりこの記事で書いてあるルールには大幅な変更が生じました
詳しくは以下記事
クライミングのルールの考察4~掲示物・ボルト穴の使用に関して再整理~

 

更新期間があいてしまいました。
これからは簡単な記事でも良いので、できるだけ頻度を上げたいと思います、、、たぶん。

今回はクライミングのルールの考察第二段です。
テーマは「ホールド以外に使用可能なものは何か」です。

 


はじめに

先日の5/16,17にオーストリアのインスブルックでボルダリングワールドカップの第4戦が行われました。
その決勝でロシアのルスタン・ゲルマノフ選手が、課題ナンバーを示すプレートを使用したのではないかとTwitterなどで話題になりました。
もし観ていない方がいれば以下の動画の12:40辺りをご覧になってください。

「M1」と書かれたプレートを左手アンダーで持っている様に見えます。(もしかして解説者もそのことに触れています?リスニング能力が低くて聞き取れません。笑)
このルスタン選手の行為はルール上どのように扱われるのでしょうか。

この記事では「課題ナンバーを示すプレートを使用して良いのか」、「ホールド以外に使用可能なものは何か」を明らかにしたいと思います。

 

IFSCルールでは

さっそくIFSCルールを見てみることにします。
IFSCルールには「何を使って良いか」ではなく、「何をしたらアテンプトが失敗になるか」という形でルールが記述されています。
ボルダーの項目には以下のように書かれています。

7.9.5 選手がマーキングされた終了ホールドを両手で保持できなかった場合、またボルダーのトップの立
ち位置に立てなかった場合、そして以下の場合にアテンプトは失敗となる:

a) 7.9.1、7.9.2 に従ったスタートに失敗した
b) 黒(またはそれ以外の色を使用しなければならない場合に、ジューリ・プレジデントから選手
への競技説明41の時に指定された色)の連続的なテープで限定が明示された壁の一部分、ホール
ド、はりぼてを使用した
c) クライミングウォールにホールド取付け用にあけられた穴を手で使用した
d) 壁の両脇、または上端の縁を登るために使用した
e) 身体のどこか一部が地面に触れた
f) 競技時間が定められている場合に、その時間内にアテンプトを完了できなかった

つまり、使用を禁止されているものは以下になります
・デマケーションテープで囲われた壁・ホールド・ハリボテ
・クライミングウォールのボルト穴(2014/11/26時点の注: 2014年からルール変更となりました)
・壁の縁
・地面

若干補足をしますと、クライミングウォールのボルト穴はあくまで「手」による使用が禁止されているだけです。
つまりシューズのつま先などをクライミングウォールのボルト穴に差し込むことは禁止されていません。

※2021年2月追記※
2019年のルール改定で禁止の範囲は「手」に限定されていません。
足で使用した場合もアテンプトが中止になる可能性はあります。
※追記終わり※

また「壁の縁」というのはあくまで「壁の側面や裏側」を意味しているので、所謂「カンテ」は連続的な壁の一部と見なされもちろん使用が可能です。

ちなみにリード競技の場合は上記に加えて
・ハンガー、クイックドロー
の使用も禁止となっています。

 

結論

つまり
課題ナンバーを示すプレートの使用は可能
ということです。

極論すれば、先ほどあがっているもの以外は何でも使用が可能なわけです。
と言っても使えそうなものはほとんどなさそうですが。
課題テープや広告は場合によっては使えることもあるのかな??

 

補足

ちなみにたまに勘違いしている方がいますが、ホールドのボルト穴は手でも使用可能です。
商業ジムなどでは安全面から使用をすすめないところもあるかと思いますが。
もしくはホールドのボルト穴は使用しないのが男だ、みたいな空気がセッションで流れることもありますね。

で、そこで問題になるのが「ハリボテのボルト穴の使用は可能か」ということなんですね。
これに関してはそもそもハリボテって何なのかというところから話をするべきなので、記事を改めたいと思います。
(いつになるかは不明、、、)
(2014/11/26時点の注: 2014年からルール変更となり、それを本ブログでもまとめています)

ではでは