ロクスノ73号の宣伝&補足~自分の現状を把握するということ~

ロクスノ73号の宣伝&補足~自分の現状を把握するということ~

2016年9月6日発売の『ROCK & SNOW 073』に「僕らは考える石ころである」の第二回を書かせていただきました。
その宣伝&補足をします。

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書いている内容をすごく要約すると
・自分が登れる課題のグレードや平均アテンプトをきちんと把握しましょう
・その上で自分に足りない部分を埋めるトレーニングをしましょう

みたいなことです。

例えば自分のホームジムのテープ課題で、3級ならホールド替えをしたその日に全課題登り切ることができて、何日か撃ち込めば1級の課題が8割方登れる人がいるとしましょう。
するとその人の性格にも依るのですが、漠然と
“自分は3級なら絶対に登れる”
“1級もほぼ登る実力がある”

のように思ってしまうかもしれません。

しかしここで見落としがちなのが、
・3級はほぼ全てオンサイトできているのか。できていないなら平均でどれくらいアテンプトをかけているのか
・1級は3アテンプト以内(もしくは4~5分くらい)で登れることはあるのか。平均でどのくらいのアテンプトをかけているのか
などを把握しているのかということです。

きちんと記録を取ってみると意外と3級でも「スリップ」や「ムーブ間違い」で何回も落ちていたり、1級になるとバラして各ムーブを練習しないと登れていなかったりすることもあるのではないでしょうか。
もしそのようなトライが多いようであれば、コンペでは3級課題でもポロポロ落ちてしまうでしょうし、1級課題をコンペ中に落とすことは不可能でしょう。
そして後からコンペ課題の復習に行って3級課題や1級課題を触って
“なんでこんな課題がコンペ中にオンサイトできなかったんだ。ムーブがわかればめっちゃ簡単じゃん”
“この1級も登れる実力は持ってるのになぁ”

などと感じるのです。
コンペ中に登れることと後から登れることの間には絶望的な違いがあるのにも関わらず。

このように感じる人がいるとすればおそらく原因は正しく自分の現状を把握できていないことにあるのです。
3級課題でも実は普段から全然オンサイトなんかできていないのに、その気になればオンサイトできると思い込んでしまっているのです。
バラして何日かかけて登れる課題なんてコンペでは絶対に登れないのに、1級を数便で登れる実力があると思い込んでしまっているのです。

僕は先日の「Summer Smash」という「つくばRocky」のコンペに参加してきました。
このコンペは少し変わっていて、課題にグレードの色テープが貼られていて課題のグレードを選手が知ることができます。また、10課題集め切らないと大幅に得点が下がるので、とにかく10課題登ることが大事です。
ですので僕は自分がRockyのどのグレードまでどれくらいのアテンプトで登ることができるのかを予め知っておこうと思い、コンペ前に3店舗ほどRocky系列店を回り自分の完登率と平均アテンプトを記録して調べておきました。

そして以下のようなことがわかったのです
・強傾斜の若草色(1級)なら、苦手系で無い限り1撃できる
・緩傾斜では若草色は1撃できないどころか、4~5分以内では登れない課題もある
・紺色(初段)は、4~5分以内で登れる課題は全体の2割程度なので得意系でないと登ることは難しい。登れた場合でも2~3アテンプトは平均で要する
・水色(二段)は4~5分以内で登れたことは1度もない

このデータを知っていたので「Summer Smash」本番では緩傾斜の若草色は触らずに、できるだけ強傾斜の若草色から選ぶようにしました。
また紺色はどんなに得意系だと思っても3アテンプトはかかるものと考えて時間を使うようにしました。
結果、本番では登れた若草色7本は全て1撃。(1つだけ登れなかった、、、笑)
紺色は4本登れましたが得意系を選んだにも関わらず、2撃、1撃、4撃、3撃と平均で3アテンプト近くかかってしまいました。
ただやはり、ほぼ事前のデータ通りの結果だったのです。

もちろん詳細に自分の実力をデータで把握してしまうあまり、無難に攻めすぎてしまうという弊害はあるかもしれないです。
コンペパワーで難しい課題が登れたり、自分に超合っている高グレード課題がコンペ中に登れる可能性ももちろんあるので。
ただコンペティターならある程度は正確に数値で自分の現状を把握しておいても良いのではないでしょうか。

てな感じのことを書いていますので、ロクスノ読んでみてください!

こんな感じの宣伝&補足で終わります!
ではでは。