クライミング市場動向3~競技人口の他スポーツとの比較~

クライミング市場動向3~競技人口の他スポーツとの比較~

市場動向シリーズ第三弾。
前回の記事ではクライミングの競技人口を推定し、その結果50.2万人となりました。

<競技人口推定>

クライミング市場動向2~競技人口の推定~


一部からこの推定値が大きすぎるのではないかという声も聞かれますが、とりあえずある仮定から出された数値として認めて、今回はこの競技人口を他のスポーツと比較してみます。
あとすごい簡単ですがクライミングが今後進む方向などもちょっと考えてみたり、みなかったり。

 

競技人口の他スポーツとの比較

では早速比較したグラフを見てみましょう。
ただ出所に記していますが、競技ごとにデータ元や時期が違うため、注意が必要です。
競技人口 v01
(出所:サーフィンはわかやま国体の競技紹介より、トライアスロンは朝日新聞より、トレイルランは日経流通新聞より、その他は総務省『平成23年社会生活基本調査(生活行動に関する結果)』より)

こうやって比べると競技人口50万人というのがどの程度の規模なのかが少し見えてくると思います。
当然ですが、マラソン、登山、つりなどの競技人口1,000万人レベルのメジャーアウトドアスポーツとは大きな差があります。
意外だったのはトライアスロンよりもクライミングの方が競技人口が多いということ。
たしかにトライアスロンは皆知っているスポーツではありますが、「少しやってみる」というのには中々ハードルが高いのかもしれません。

 

スポーツの類型化と、クライミングの今後

クライミングが今後競技人口を伸ばした場合、どのようになっていくのかを少し考えてみたいと思います。
そのために上位のスポーツをいくつかのタイプに類型化してみます。

Aタイプ.「プロ制度が整ったスポーツ」
上位のスポーツの中には野球、サッカーのようにプロ制度が整ったスポーツがあります。
幼少期からの育成システムが確立されていて、一部の人たちがプロ選手になることができます。
TV中継なども行われ観戦人口も多く、興行としても成立しています。
卓球やバレーボールなどの実業団が盛んなスポーツもこの括りと似ているのかな。

Bタイプ.「ライフスタイルに定着したスポーツ」
登山、マラソン、釣りなどはもちろんプロと呼ばれる選手もいるとは思いますが、どちらかというと一般人のライフスタイルに定着しているスポーツだと思います。
雑誌なども多数出版され、使用する道具などの市場規模も大きなものになっているのではないでしょうか。
登山は少し違いますが、マラソンや釣りなどはおそらく一般人向けのコンペも盛んに開かれています。

Cタイプ.「レジャー感覚としての傾向が強いスポーツ」
どちらかというとカラオケなどと似たようなレジャー感覚で盛んに行われているスポーツもあります。
代表的なものはボウリングでしょうか。
もちろん真剣にプロを目指してボウリングをやっている方もいますが、全国各地に手軽に遊べるボウリング場があり、ほとんど経験がない人でもすぐに楽しめるスポーツとなっています。

あと、上記の表にはないですが、
Dタイプ.「競技人口は少ないが観戦人口の多いスポーツ」
というタイプもありますね。
例えば相撲や格闘技など。
まず見てエキサイトできることが重要であり、それに加えてTV中継されたり、オリンピックの競技に選ばれたりすると、このタイプになる気がします。

(、、、なんかあんまりうまく類型化できていないな。笑)

まぁ必ずしも上記のどれかのタイプになるというわけではないですけどね。
ゴルフなどはAとBのハイブリッドな気もしますし。

さて、クライミングは今後どのような道に進んでいくのでしょうか。
個人的には、ユースの子供たちがプロを目指せるような環境が整い、クライミングがAタイプになったら嬉しいなとは思います。
そのためには越えなければならないハードルは高いですが、子供たちの育成環境やコンペの盛り上がりなどは良い方向に進んでいる気がします。
oneboulderingのDivision制度などは色々言われることも多いですが素晴らしい第一歩です。

一方で外の岩でのクライミングの文化を考えるとBタイプとしても進む可能性はあると思います。
その場合も、岩場の利用の仕方やアクセスの問題などやらなければならないことは山積みですが。
ただ先日行われた、HIEI GRANITE SESSION 2014などクライミングの文化と地元がとても良い感じに融合している例もあるので、この方向で大きく発展する可能性はあると思います。

 

終わりに

なんか一般的なことを当たり障りなく並べただけの記事になってしまいましたかね。笑
僕個人としては、ジムでお客さんと交わったり、こうやって自分なりにブログを書いたり、自分が一生懸命登ったりすることで微力ながらもクライミング業界と関われたらなー、とか漠然と思ったりして、なんとなくこの記事を終わりとします。