瑞牆で得た手痛い教訓、そしてNDDが素晴らしかった
ここ2週間も2泊3日×2で瑞牆へ!
いつも通り初日の朝にボルダーやって、その後はリードやクラックやマルチ。
インドラは相変わらずここから出れないのだが、、、。
春はムーブ解決と共に岩のコンディションは日に日に悪くなっていくので宿題回収が難しい。
よろめきクラック、アルカイックスマイルなどを登った
登れた中では「よろめきクラック」(5.10a)と「アルカイックスマイル」(5.12a)が楽しかったですね!
よろめきクラックは出だしでかなりまごついたけれどなんとかOS。
出だしを過ぎればあとはワイドの入門にぴったり。
アルカイックスマイルは岩小屋ルーフにあるナチュプロとボルトのミックスルートで、「画竜点睛」(5.12d)の左抜け。
初日にトップアウトして、2日目の繋げ1便目で登るつもりがボルトパートで落ちてしまいめちゃくちゃヘコむ。
そうしたら雨も強くなってしまい心のどこかで「次回にしようかな、、、」と考えたけど、今登らないとダメだと奮起して次の便でRP
ランナウトしたまま濡れたゴールでのクリップが怖すぎた。
次は画竜点睛!
ヒコーキ雲の消える先でグラウンドフォールした、、、
特に予定の無い日に、わかな君達に誘われ不動沢の千両岩上部へ。
わかな君は「ハードノック・ライフ」(5.13a/b R)や「ドグマ」(5.12a R/X)などのボールドなトラッドルートを次々に登っているクライマー。
(危険要素に関してデシマルグレードとは別に形容詞グレードが付けられることがあります。
PD:プロテクションの設置が限られ、かつ難しい
R:墜落した場合重大な怪我に至る可能性がある
X:地面まで墜落する可能性が高い)
彼らがトップロープを張ってくれていたのでそれで「クリティカルパス」(5.12c R)をトライしても良かったのだけれど、隣の中嶋渉君初登の「ヒコーキ雲の消える先」(5.11b PD)がまるで「イムジン河」みたいでカッコ良かったのでせっかくなのでグラウンドアップで挑戦してみることに。
写真上部の左上するフィンガークラックを目指すルート。
今考えるとあまりに思い付きなトライであったし、この時にもっと慎重に色々と情報を集めたり準備すべきだったのかもしれない。
簡単にルートの情報を聞いて、いざトライ。
出だしに墜落用ではないけれどお守り的にキャメロットの0.1番を一応決めて、スラブを上がる。
壁際に立木があり、それが結構強固に見えたためスリングでプロテクションをとる。
続いて右上するパートに差し掛かるも思ったより悪く、少し行ったり来たり。
意を決して突っ込むも、やはり先のプロテクションポイントが見えず、引き返すしかない状況に。
「もしかすると足が滑るかも」と思ったが、「立木でプロテクションをとっているのでスラブ面に着陸すると同時にテンションを掛ければ大丈夫だろう」と考えた瞬間に僕の足はスリップ。
でも立木のプロテクションは視認できていたのでそこで止まるかと思いきや、、、立木がぶっこ抜け僕の身体は反転し目の前が真っ暗に。
気付いたら僕は10m近く落ちてビレイヤーのわかな君よりも遥か下の地面に叩きつけられていた。
幸いキャメロットの0.1番がグラウンドフォールと同時に少し効いてくれていたのか、僕は背中を擦りむいて腰を強打しただけで致命傷は無かった。
みんなに迷惑をかけてしまったのと、立木を破壊してしまったのと、自分の考えの甘さに落ち込んだ。
僕にはまだ11台のPDルートをやる実力もメンタルも無かった。
自分の力量からするとこのルートは絶対にまず懸垂下降でプロテクションの確認かトップロープでのリハーサルをしなくてはならなかった。
リスク管理の面でも立木を信用し過ぎたし、なんとか他にプロテクション取れるところを探すべきだった。
ちなみに木は青々としている上に根は太そうに見えて実は半分以上が腐っていた。
さすがにこの日は安静にしていたが、何もしないのも悔しかったのでヒコーキ雲の消える先の終了点から懸垂でルートを確認してみた。
近くで観察すると本当に綺麗なフィンガークラックだ。
身体を治してもう一度チャレンジする。
ナイトディジィダンスを登った
グラウンドフォールの翌日は本当は前回8ピッチ目でチームオンサイトを逃してしまった「ベルジュエール」(5.11b 10P)をワンプッシュで登り直すはずだったけれど、流石に腰がかなり痛いのでカサメリ沢へ行くことに。
この日は半ちゃんその他大勢と合流してワイワイな感じ。
腰の様子を見て「トータルリコール」(5.10b)でアップすると平面的なスポートルートならなんとか登れそうな予感。
というわけでメインのコロッセオへ行き、ランジ連発の「トップガン」(5.13a)は流石にフォールしたら腰が砕けそうだったので、ずっとやりたかった「ナイト・ディジィ・ダンス」(5.12c)通称NDDにトライすることに。
先にトライした半ちゃんとむっちゃんのトライ見てたにもかかわらず、1便目は最終ピン前でフォール。
こういうルートをフラッシュできるようになる日は来るのだろうか、、、。
上部までそのまま抜け、フォールしても腰が大丈夫なことも確認できたので、気温が下がれば行ける予感はした。
何より本当に面白いルートで登攀意欲が沸いた。
そして集中して次のトライで無事完登。
「任侠道」(5.12d?13a?)や「アスリーツボディ」(5.12d/13a)よりは易しく感じたので、5.12cがぴったりといった感じでしょうかね。
それにしてもNDDは奇跡的なラインだ。
前半のトラバース核心後のガバアンダーはレストできるけどジワジワ吸われ気が抜けない。
そこから最終ピンにクリップしたあとは5,6手のフィンガリーだけど絶妙なバランスを要求されるムーブが畳み掛けるように続く。
ルートの構成が凄まじい。
さらに最後は美しい壁の上にトップアウト。
名ルートに選ばれ続ける理由がわかりました。
その後にやった「真実の口」(5.10d)も高度感あって楽しかったー。
さぁ、まずは腰を治さないとな。
レントゲン撮ったら、たぶんですが大丈夫そうです。
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