高知の黒潮ボルダーのトポ『Kuroshio Boulder』とエリアの紹介

高知の黒潮ボルダーのトポ『Kuroshio Boulder』とエリアの紹介

高知県の海岸沿いのボルダリングエリアである、通称「黒潮ボルダー」の課題が収められたトポ『Kuroshio Boulder』(Volume.1,2の2冊)を頂きました。

トポの内容紹介と、僕自身が過去に黒潮ボルダーへ行った経験など少し書きたいと思います。

 


トポの内容紹介

概要

まずこのトポは「執筆者のエリアに対する熱量」と「トポそれ自体のクオリティ」が非常に高いです。

これはVolume.1ですが、目次はこんな感じ。

ただ単に課題をボンと載せるのではなく、序文から始まり気候や地質や歴史のことに触れ、また彼らがグレードをどう捉えているかということもきちんと押さえています。

そしてVolume.2では「大堂海岸 開拓記」なる情熱的なボーナスページまで付いている太っ腹っぷり。

最後はユニークな執筆者紹介と読み応えのある後書きでしめる。

トポというよりは執筆者達の魂がこもった1つの読み物として完成されているという印象を受けましたね。

たぶん岩場にいかなくてもこれを手に取って読むだけで楽しめると思います。

 

 

アプローチの丁寧な記載

もちろんトポそれ自体としてもよくできています。

クライマーにとってまず核心となるのが岩場に辿り付けるかというアプローチですが、『Kuroshio Boulder』はこれでもかというくらい丁寧にアプローチを記載してくれています。

まず飛行機等での高知への行き方から始まりますからね。

そして細部のアクセスマップも迷いようがないくらい親切。

この他旅の情報としてホテルやキャンプ場や食事処の具体的な場所も記載されています。

クライマーが見知らぬ土地へ行くときにどんなことで困るかという視点をきちんと押さえてくれていますね。

 

 

課題の詳細情報がわかる

そして一番の目玉である課題の情報も細部まで書かれていてすっきりします。

・課題のカッコ良い写真

・明瞭なライン取り

・スターの記載

・ほぼ全部の課題にコメントが入っている

・初登者と初登日

というような情報が書いてあってクライマー的には痒いところに手が届いてくれているなぁと感じると思います。

意外とここまで課題情報がきちっとしているトポってあまり無いのではないでしょうか。

ちなみに課題としては10級から三段までが揃っていて、幅広いクライマーが遊べるエリアという感じですね。

projectも数本あります。

ロケーションも最高!

ただハイボルダーや下地が悪い課題も出てくるので、そのあたりは自分の実力と照らし合わせてリスク管理する必要があります。

 

 

 

僕の黒潮ボルダーの思い出

僕は3年半ほど前に妻と東京から車でとっても長い旅路を走り、当時は今ほど有名にはなっていなかった黒潮ボルダーに行きました。

詳しくは↓にまとめています。

11 days off ~四国・九州・中国地方ツアー~ 前編

本やネットで断片的な情報しか入ってこなかったのだけれどとにかく魅力的な課題がたくさんある桃源郷のような憧れがありました。

『Rock & Snow 053』の衝撃的な表紙にもなっていて、神々しささえ纏っている「百と八つの流れ星」。「SCARPA Japan Trip #02」で倉上さんが登っている映像がめちゃくちゃカッコ良かった。

「GiaNizm 3」という伝説のDVDにて黒潮ボルダーで暴れまくるメンバー達。特にその作られたかのような形状が印象的な「波打ち際の岩」にあって濱田さんが登った「ファナティシズム」。これは登れなかったからまた行かないと。

奇跡的なロケーションであり、可愛らしい見た目に加えて課題内容もピカイチな「松風」。

これほどまでに日本や世界を代表できる課題が集まっているエリアもそうそうないのではないでしょうか。

 

<松風>

 

<百と八つの流れ星>

 

<SCARPA Japan Trip 02>

僕らは事前にあまり調べなかった(というか調べようがあまりなかった)ので、「とりあえず高知行ってみるか」というような軽いノリで現地入り。

そして案の定めちゃくちゃ迷いました。

Google earthで海岸線沿いを探索するという力技で「松風」の岩を発見。

ファナティシズムの岩を探すために「名村」という地名の周りを散策するも見つからず、「名村」という地名が2箇所あるというトラップに半日以上経ってから気づいた思い出。

あの時『Kuroshio Boulder』があれば、、、。

そして海岸沿いを不安になりながら東へ車で走る中目に飛び込んだ「百と八つの流れ星」。

 

しかし、そうやって2人でアプローチから迷ってムーブとかラインとかもよくわからないまま登ったこともそれはそれで良い思い出ですけどね。

特に「百と八つの流れ星」は自分のベスト課題10を問われたらランクインするくらい素晴らしいです。

絶対にやる価値あり。

 

 

と、途中から自分語りになってしまいましたね。笑

とにかく素晴らしいエリア&トポなので興味がある方はこちらから購入して足を運んでみてください!

【販売サイト】
https://kuroshi0.stores.jp

(今現在はVolume.1は品切れ中のようですが、Volume.2は買えます)

 

ではでは。