120°west~地球1/3周の旅~ 3.シベリア鉄道珍道中前編

120°west~地球1/3周の旅~ 3.シベリア鉄道珍道中前編

シベリア鉄道乗り換え東北を目指します
ハロー 今君に素晴らしい世界が見えますか?

Going Steady『銀河鉄道の夜』

シベリア鉄道


シベリア鉄道概要

シベリア鉄道は実は一路線ではなく複数路線あるのですが、
僕たちが乗った最もメジャーなウラジオストク~モスクワ間の路線の概要を説明します。
より詳細な情報はもちろんwikipeida大先生にお任せします。

・全長:9,297km
9,298kmという説もある。

・行程:6泊7日
1日数回駅で止まります。
そこで食事を買ったり、写真を撮ったり。
ハバロフスク、バイカル湖、イルクーツクなど通りました。

景色

・値段:8万くらい?
茶久保さんが全て手配してくれたので忘れたけれど、たしかこれくらい。
現地で買えばもうちょい安くなるのかな?

・列車内の様子
2等級だとこんな感じの4人部屋

車内

ラッキーなことに俺とチャックで貸切だった。
シャワーはマジで使いづらいのが付いていた。

食堂車
食堂車

列車内での過ごし方

当時僕はクライミングとオセロにはまっていたため
室内クライミングをしたり、オセロの研究をしたり、あと読書したり。
最初の3日くらいはダーナラ含めて3人で引きこもっていました。
その後ロシア人と交流して酒飲んだり、10%くらいしか通じない会話を交わしたり、走り回ったり。

オセロ

シベリア クライミング

ここで聴いた音楽を今でもすごい覚えている。
The music、pixies、polysics、etc…
音楽って聴いたときの情景と結びついて自分中で後々名曲へと昇華して行くんですよね。
今になってこれらの曲を聴くとこの旅のことを鮮明に思い出します。
特にジュディマリの『The Great Escape』を聴いて、タイトルと自分を重ね合わせたり。
ブルーハーツの『月の爆撃機』のライブ盤の初めにヒロトが
「やるよー!やっちゃうよー!」
って言ってるの何回も聴いたりして、これからの旅の気分を盛り上げたり。

あとはひたすら飯!
ボルシチがうまい
ボルシチ

いかすパン20ルーブル(68円)
パン

茶と茶
茶

ただ、日本からインスタント食をたくさん持っていったのだけれど、最終的に
「永谷園>ボルシチ」
という結論に至った。
日本はすげーんだぞ。

ロシア人の気質

このクソ短い旅で「ロシア人とは~」を語るなんておこがましいのだけれど、
少なくとも客商売のサービスのクオリティは日本とは雲泥の差です。
例えば、お店で買い物をしていても
「早く決めろ!ほらもうこれでいいだろ!」と言われ無理矢理品物を押し付けられたり、とにかくせっかち。
反面、自分の範囲外・時間外の仕事には絶対手を出さないし、
自分の範囲内・時間内の仕事が思惑通りに行かないとむちゃくちゃ怒ります。

この車掌のおばちゃんに何度ぶち切れられたか
「今私は仕事中だから話しかけるな!」
「シーツの敷き方が違う!」
「窓を開けるな!」

クソアマ

そしてこのおばちゃんの怒りがついに爆発する事件が。

ダーナラ殴られる、チャック持ち前の筋肉で受け止める

2日目あたりに少し大きな駅で30分程度停車するということだったので、
僕ら3人は景色を見に行ったり、買い物をしたりすることに。
しかし実はこのとき社内アナウンスで
「30分止まる予定が15分に短縮されます」
のようなことを言っていたのを僕らは聞き逃していたのでした。
つかロシア語はチャックが辛うじて平易な日常会話を聞き取れる程度なので、僕らに知る術はない。

そして外の売店でペプシコーラとパンを買っているときに僕がふと列車を見ると・・・

「おい!列車出発してるぞ!!」

僕らは一目散列車に向かい、飛び乗ることに何とか成功。
このとき小額のお金を売店に置いてきてしまうが、社内に全ての荷物はあるためとにかく不幸中の幸い。

「あぶねー。マジ助かった。」などと話していると・・・

おばちゃん登場。

デデンデンデデン
クソアマ

「ちょっとあんた達何心配させてんのよ!」(ロシア語植田勝手和訳)

ドゴッ!!!

「うがっ!」

ダーナラが胸を思いっきり殴られる。

「あんたもよ!この筋肉ダルマ!!」(ロシア語植田相当勝手和訳)

バシッ!

茶色受け止める。
さすが茶久保さんや!

と、まぁこんな事件があったのです。
たしかにアナウンスを聞いていなかった僕らが悪いですが、
日本なら車掌が客を殴ることはまずないですよね。
海外との文化の違いを痛感した面白い出来事でした。
殴られたダーナラは可愛そうだけど。

この一件から僕らは車掌のおばちゃんを「クソアマ」と呼び距離を置いていたのですが、
最後にはきっちり和解しました。

ツンデレ

クソアマはツンデレおばちゃんだったのです。
めでたしめでたし。

友と旅をするということ

この旅では色々なことに気づかされたのですが、
一番僕が面白かったのは「自分と他人の違い」です。
特に茶久保と自分が色々な面であまりにも違うことがすごく新鮮だった。

チャックは予めガイドブックとか用意するくらい準備が良いし、綺麗好きで毎日着替えるし、洗濯するし、食器もちゃんと洗うのです。
何度茶久保の用意周到さに助けられたか。
一方micは何も持ってきてないし、服初めの10日間くらい同じだし、食器は基本的に洗わず同じの使い続けるのです。

にも関わらず、茶久保は謎の病気にかかり吐きまくり下痢しまくりなど体調を崩してしまうという神の無慈悲さよ。
死ぬ大久保

(でもバファリン飲んで良くなったところにまた日本の偉大さを感じたり。あ、これは元々は海外製品か。)

ただこんな正反対の二人でも喧嘩はほとんどなかったし、本当に良きパートナーだったと思っている。
おそらくチャックウィルソンも思ってくれているだろう。

二人旅だったからこそ、友を通じて自分のことが今まで以上に色々とわかったと思っている。
本当にこれは思い出以上にこの旅から得た貴重な気づきなのです。

加速っ!!

とは言え茶色とダーナラと絡んでいても、ま、つまらん旅なわけで。
ロシア人と交流しようという雰囲気にいつしかなったわけです。

すると同じ列車内にこんな女の子が!!

ターニャ

次回、植田、大久保、奈良田、加速っ!!!さりげなく名前ばれ。

それにしても、見事な、豊満な肉体だった。
ショールの下に、広いふくよかな肩と、高く張った、まだまったく若々しい乳房とうかがわれた。
この身体なら、ことによるとミロのヴィーナスの肢体を約束するものかもしれなかった。

(中略)

ロシアの女性美の玄人たちは、グルーシェニカを見て、この新鮮な、まだ若々しい美しさも、
三十歳くらいまでには調和を失って、線が崩れ、顔そのものも肌がたるんで、目尻や額にきわめて早く小皺があらわれ、
顔の色も濁って赤紫になるかもしれないし、一口に言って、ロシア女性に往々にして見かける、
束の間の美しさ、はかない美しさにほからなないと、的確に予言したにちがいないだろう。

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』