充電期間の梅雨付近 21年5月

充電期間の梅雨付近 21年5月

最近YouTubeでクライミングの解説的なことを始めたので、こっちのブログMickipediaの方は自分の素な感じで
・自身の岩登り記録/感じた素朴なこと
・(もしくは、個人的関心が強いマニアック過ぎること)
を書いていきたい。

僕自身もレベル問わず色んなクライマーが課題やルートに対してどう感じたとかのブログを読むのが好きなので、些細なこともなるべく記録に残しておこう。
と言うことで4月後半から5月あたりの岩登りについて。
この期間は妻のむっちゃんの肩がようやく治ってきていよいよ二人でがっつり登り始めるぞと意気込んでいたのに、今度は5月半ばに僕がギックリ腰になりハーネスを履くのがしんどくなるなどまたもや躓いてしまった。
しかしこれもまた充電期間と割り切り、のんびりボルダーなどを楽しむことに切り替えた。

 


瑞牆 弁天:ベルボトム、シルクロード

5月頭に若菜くんと宮下くんに誘われ、初めて瑞牆の弁天まで行った。
トポに載っている範囲では瑞牆の最深部という印象でいつか行ってみたいと思っていたが、アプローチが長いので足が遠のいていたエリアだ。
着いてみると岩のスケールは圧倒的でグリーンベレーや二十億光年の孤独のカッコ良さが光る。

<弁天岩>

弁天の奥にも瑞牆の岩頭はまだまだ続いていて、この山の広さと自分達が知っている範囲の小ささを再認識させられた。

アップ&ワイドの練習に「ベルボトム」(5.10a)を必死に登った。
実は取り付くまでは「ルーパークラック」(5.10b)だと勘違いしていて、登り終えて
“まぁ5.10bを安定してオンサイトできるくらいには自分のワイド技術も成長したか”
などと思ったが、現実はそう甘くはないというかワイドの5.10aの厳しさを痛感。
よろめきクラックよりは悪いと思うけどなぁ、、、。

<ベルボトム>

その後、とても綺麗なシンハンドクラックの「シルクロード」(5.11c)にオンサイトトライするもダメで、レスト後の2トライ目も核心でフォール。
一方宮下くんは気合のトライでシルクロードをフラッシュ。
この登りを見せられたら僕も手ぶらで帰るわけにはいかないと自分に喝を入れ、相当疲労がきていたが小休止後の3トライ目で何とかシルクロードをレッドポイントした。
不甲斐なかったが、ヨレていた3トライ目で登り切ったことでトレーニングにはなったと思う。

<シルクロード>

 

瑞牆と小川山 ボルダーいろいろ

腰は痛いが、着地は大丈夫なので簡単なボルダリングをやったりした。
というか易しいマントルを返すことがむしろ腰への適度な運動になってギックリ腰へ良い影響を与えている気がする(登ることを止められないクライマーの勝手な理論)。

瑞牆では前々からやってみたかった「瑞牆大橋のルーフクラック」(三段?)を登った。
U字のトンネルの一番奥から始めると三段ver.とのことだったが、
・一番奥にハンドジャムを決めるのか、フットジャムを決めるのか
・途中のチョックストーンはどこまで使用するのか
などで難易度が変わる気がする。
僕は一番奥にフットジャムをしてスタートし、途中のチョックストーンは地面に着いていないものは基本的に使用した。
「途中のガバから始める1級ver.」と「一番奥から始める三段ver.」はグレード的には1グレード程の差しかないように感じ、また「ファンキーモンキー」や後述する「ダイアナ」などWMVボルダーのハサマリング初段シリーズと同程度の難易度に個人的には感じた。
ただ。岩のスケールはともかく、抜けの天井シンハンドは面白いしジャミングの練習にもなる。

<瑞牆大橋のルーフクラック>

<瑞牆大橋のルーフクラックの図 by北平さん>

あとは、みんなの岩周辺で色々登ったりした。
「雲が描いた月明かり」(1級)が超名作だった(人気課題なようなので今更僕が推すのもあれだが)。
「夏への扉」「雨の弓」と並んで瑞牆1級ベスト3にランクイン。
ただ実は横の「彩雲」(3級)の方に苦戦。
なんとか登ったが、ポケットが連発する課題で指へのダメージがものすごかったし、完全な僕の不注意でマントルで滑りマット外の川にポチャった、、、。

しめに、悪いという噂の「異郷」(初段)も触ってみた。
ドはまりしたがその日のラストトライで何とか登った。
ユニークなスラブ課題でおすすめ。
(登れていないが)「水蛭子」(三段)の簡単バージョンみたいな雰囲気を感じた。
そばにある「私一人の部屋」(四段+)を見て、ここにラインを見出し初登した登喜男さんと、おそらく唯一の再登者である誠くんの凄みを改めて実感。

<雲が描いた月明かり>

<異郷>

小川山ではそろそろ不可能スラブに真剣に向き合ってみようと気合を入れ、頭痛登攀回数ギネス記録保持者の宮下くんと朝練するも、全くだめ。
ただ自分のスラブ技術向上のためにももう少し取り組んでみたいし、そばにあるボルダー課題でやっていないものも多いので時間を見つけて通いたい。
とりあえず何気にやったことのなかった小川山最難2級と噂の「ヒッパルコス」を登ってみたがリーチやヒールの上手さが顕著に出るものの2級が妥当に感じ、個人的にはスラブ課題である「扇子」(2級)の方が難しく感じた。
やはり僕はスラブあんまり上手くないのかも、、、。

<機械仕掛けのスラブ人形のように頭痛を登りまくる人>

 

WMVボルダー

秋に公開予定で、現状試験的に公開されているWMVボルダーにも何回か登りに行った。
川の下流や山の方はかなり迫力のある岩も多く、きっと人気エリアになるだろう。
現状はグレードが暫定的な課題も多いせいか、3級でめちゃくちゃ苦戦するし2級で敗退した課題もたくさんある、、、。
しかし至る所にスラブやハサマリング系課題が多く、ヨセミテに向けた練習を手軽にするのに良い。

<ダブルクラック1級>

<ダイアナ初段。この課題を楽しめるとWMVの魅力が倍増する>

 

昨日久しぶりに瑞牆の十一面岩の奥の小ヤスリのコルまで上がってみた。
そこから見た景色は相変わらず素晴らしく、僕たちがクライミングをしたいフィールドはやはりここなんだと改めて強く心に感じた。
瑞牆の夏が始まる。

<大ヤスリと富士山>