まずは王道課題を触りたい
完全に僕の主観といういか、スタイルとも言えないくらいのたわいもない話。
新しい岩場に行ったとき、もしくは長いスパンをかけて取り組む課題を決めるときなどに、”さてどの課題にしようか”と迷うことがある。
そういう時に僕はまずはいわゆる「王道の課題」から触りたい。
もちろん知る人ぞ知る隠れた名作課題を登ったり、地味だけどムーブが面白いような課題を登ることも楽しい。
でも王道をまず触ってみたり真剣に撃ち込む対象にすることが前提であり、そういった隠れ課題や地味課題はアップや息抜きで触りたい。
ざっくり王道8割、地味課題2割くらいのイメージだ。
この比率を間違えちゃいけない。
ボルダリングの課題で考えてみる。
3級前後のクライマーが小川山に行って「コンケーブ」や「穴社員」を触らないわけにはいかないだろう。
1級前後のクライマーならば「エイハブ船長」のラインは見た瞬間に登りたいという気持ちが沸くだろう。
だから未だに「穴社長」を登れていない自分に嫌気がさしている。
同様に、瑞牆のオススメ課題を聞かれたら絶対に「瑞牆レイバック」と答える。
もうちょっと登れる人には「阿修羅」を必ず推す。
だから「インドラ」みたいな世界のどこの岩場に出してもきっと引けを取らない課題に対して、いつまでも腰を据えて取り組まない自分自身をクライマーじゃないのではと疑いたくなることもある。
御岳の「忍者返し」なんて最近は人でごった返しているから近寄らない人も多いけれど、The王道だろう。
冷静に見てめちゃくちゃカッコ良い岩だし、歴史から考えても避けては通れない課題だ。
もちろん人によって「王道」の意味合いは違ってくるだろう。
ある人にとっての王道を僕が地味課題や傍流課題と認定してしまったら申し訳ない。
だからここでは地味課題や傍流課題が何かは議論しない。
僕にとって、王道ってなんだろうかと考えると。
・歴史がある。もしくは登られたストーリーに惹かれる
・風格がある
・ムーブがカッコ良い
・グレードに対して極端に易しすぎない
・高さがある
・課題名がカッコ良い
ざっとあげるとこんな基準をいくつか満たす課題だろうか。
でも本当は誰かが切り開いた王道をたどるのではなくて、自ら開拓・初登をして王道を切り開くのが一番カッコ良いに決まっている。
まだそんな余裕は無いくらいの半人前のクライマーの独り言。
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