オススメ「1級&初段」ボルダー15課題 in 日本
今月のロクスノ081号で「登りたい!「1級&初段」全国100課題」という特集があって、まわりのクライマー達も楽しく読んでいたみたいです。
他にも、有名ブログ「人生暇つぶし」もこの企画に乗って
などを書いていて僕個人的にもすごく楽く読めました。
今回はこれまで登った中でオススメ「1級&初段」15本を簡単な説明を添えて紹介してみようと思います。
選定基準は
・岩やラインの見映え
・歴史的価値
・ムーブの面白さ
・ロケーション
・適切なグレード感
など客観的基準と見せかけて、、、半分くらいは僕の思い出重視です!
一応ロクスノの企画と合わせて日本限定で。
なぜ15本なのかというと、どうしても削れなくて10本に厳選できなかったからです。
ロクスノや人生暇つぶしさんとも大分被っている部分も多いですが、良い課題はみんな良いと感じるということで。
では、どうぞ!
<Rock&Snow 081>
御岳(東京都)
忍者返し(1級)
初登者:池田功
日本の段級グレードにおいて1級の基準となる課題。
もはや説明不要。
ボルダリングを始めたからにはこれを登ることを1つの目標にしたい。
自身初の1級。
<初手がやっと取れるくらいの頃>
<今観ると恥ずかしい動画>
エゴイスト(初段)
初登者:三由野
ロッキーボルダーにある課題。
やや薄暗いロケーションだけれど、そのフェイスの綺麗さ、真っ向勝負感、リップ取りのダイナミックな1手など名作要素満載。
僕はエゴイストで初めて課題に撃ち込むということを覚えた。
<友人のトライ>
<動画>
小川山(長野県)
エイハブ船長(1級)
初登者:中山芳郎
こちらも忍者返しと並んで日本の段級グレードにおいて1級の基準となる課題。
内容がとにかく素晴らしい。
カチの保持、デッド、マントル、などムーブの要素が詰まっていて、さらに岩の調度良い高さや林の中の広場の真ん前というロケーション。
1級という枠に捉われないでも日本のベストボルダー5つに入るだろう。
<エイハブ船長>
<登れた時は嬉しかったなぁ>
瑞牆(山梨県)
夏への扉(1級)
初登者:室井登喜男
瑞牆には数多くの1級があるけれどムーブの面白さと岩の見た目から、夏への扉を推す。
女性にとっては最後のマントルは難しいが、全体を通して男女差がでないのも良い。
何より課題名がさわやか。
<写真>
<動画>
阿修羅(初段)
初登者:室井登喜男
世界のどこに出しても恥ずかしくない日本を代表する名課題。
綺麗に伸びたクラックと絶妙な配置の他のホールド。
全ての手に無駄が無い設計されたようなムーブ。
神々しささえ感じられる。
阿修羅が登れたことが自分がクライミングの世界でやっていこうと思えた一つのきっかけでもある。
<写真>
<動画>
言葉(初段)
初登者:室井登喜男
瑞牆や小川山のような花崗岩の場合、1級や初段までだと真っ向勝負というよりはバランシーだったりムーブでごまかす課題も多い。
この言葉はロケーションや岩の見た目は普通かもしれないが、絶対的にホールドが持てないとたぶん登れない。
そういった意味で初段という力の試金石としてベストな課題だと思う。
<写真>
<動画>
塩原(栃木県)
千(初段)
初登者:三由野
塩原の看板課題。
高さと岩の見た目がナイス。
たしか14手くらいあって1手1手の強度はないけれど持久力が求められる課題。
そして最後の左手出しにも勇敢さが必要でこの課題の絶妙なスパイスになっている。
豊田(愛知県)
ポールポジション(d)
初登者:??
これも超名作で、個人的に全国的な1級の基準にしても良いと感じる。
出だしからバランスとカチ力が求められて、最後のマントルは上手くやらないとかなり怖い。
男女差が出づらい内容で結構先に女子が登れたりするのも面白い。
ナサ崎(三重県)
スカイフォール(1級)
初登:大藪皓平
こんなにも綺麗なクラックボルダーはこのスカイフォールか笠間の「ターゲット」くらいしか僕は知らない。
しかもほぼ180度のルーフから途切れることなく続いている。
初登者曰く日本の「セパレートリアリティ」。
ジャム技術が未熟な僕とむっちゃんはツアーの大半をこの課題に費やして二人ともなんとか登って、その結果ハンドジャムが大分上達したと思う。
完登動画は持っているけれど、初登者が確かどこかで「動画は登る人のイメージを損なう可能性がある」というようなことを言っていたので、このエリアのものはあえてアップロードしないでおく。
<写真>
楯ヶ崎(三重県)
ハテナ(1級)
初登者:鈴木真史
まずネーミングセンス抜群!
そしてラスト1手に全てが集約されている。
冬でも日が照ってコンディションが良くないのと、高さがあるにも関わらず下は岩盤で最後の渾身のデッドをしなければならず、正直言って1級はカラい!
しかしこの課題をやりに行くためだけに楯ヶ崎に行く価値ありだろう。
<?の形!>
<暗い中振り絞った>
黒潮(高知県)
松風(1級)
初登者:木織隆生
高知県の海岸に佇むまるで盆栽のような可愛らしいボルダー。
しかしムーブは真っ向勝負の1手があって力強い。
とにかくロケーションが最高すぎて登った時は本当に気持ちが良い。
<岩に生える松>
<動画>
大入(福岡県)
HDJ(1級/初段)
初登者:北川佳
福岡の糸島の海岸にある大入ボルダー。
ボルダーの数は少ないが面白い課題が多い。
このHDJは高さこそないが岩の見た目が美しく、また実質3手ほどに強度とテクニックが詰まっていてこのままコンペ課題で出しても面白いくらい完成度が高い。
海沿いなのでいるだけでも気持ちが良い場所。
<写真>
<動画>
日之影(宮崎県)
明日吐露(初段)
初登者:清川洋光
日之影を代表する威圧的ハイボルダーである明日吐露の岩。
有名なのは「明日吐露right」(二段)という右抜けラインであり、岩盤の上でかなりの高さで最後の1手を勇気を持って出すという好課題。
そしてあまり登られてはいないが実はオリジナルは左抜けラインである。
左抜けはよほど水量が少ない場合を除き、ほとんどの場合ラストは川の上でシビアなムーブを起こす必要がある。
メンタル的な意味でも充実したクライミングになること請け合いの課題。
<ラストは川の上でスラブを登る>
<動画>
比叡(宮崎県)
酒越しの舞(1級)
初登者:よっちゃん
日本最難課題の1つでもある「ホライゾン」(V15)のある比叡の大谷ボルダー。
まず赤茶色の岩のビジュアルが美しい。
大谷ボルダーは「ヒエン」(三段)、「マツノキミギ」(二段)などが高難易度かつ内容の濃い課題がひしめく日本を代表する岩だが、一番左のラインである酒越しの舞も是非登りたい課題。
写真が無くて申し訳ないが、綺麗に伸びたクラックを登っていく明瞭なライン取り。
そしてラスト付近にも緊張を強いられる一手がある。
<木に隠れているけれど一番左のライン>
屋久島(鹿児島県)
バライカ(1級)
初登者:飯山健治
屋久島の瀬切エリアは山のエリアと海のエリアにわかれ、それぞれに小山田大さんが初登した課題を中心に多くの名作が散りばめられている。
中でも海のエリアはそのロケーションは国内では類を見ないものであり、写真の玉座岩(下)と王様岩(上)は奇跡的な配置。
バライカは海から玉座岩を登って上に乗り上がるという完璧なライン取り。
上部は難しくないが落ちるとエライことになるので慎重に。
<玉座岩と王様岩。ネーミングセンスが良い>
<動画>
トポ紹介
ふー、簡単に書いたつもりが、めちゃくちゃ長くなった、、、。
三段はさすがに登った数が少なくてまだ書けませんが、機会があれば二段でも書いてみましょうかね。
もしくは海外も入れたバージョンとか。
最後に課題が載っているトポを記しておきますね!
御岳:『日本ボルダリングエリア 上』、『MITAKE BOULDERING ARE GUIDE』、『小川山 御岳 三峰 ボルダー図集』
小川山:『日本ボルダリングエリア 上』、『小川山 御岳 三峰 ボルダー図集』
瑞牆:『日本ボルダリングエリア 上』
塩原:『日本ボルダリングエリア 上』
豊田:『日本ボルダリングエリア 下』、豊田の岩場 [オフィシャルブログ]
ナサ崎:『Free Fan 076』
楯ヶ崎:『日本ボルダリングエリア 下』
黒潮:『Kuroshio Boulder』
大入:トポなし?
日之影:『Kyushu Bouldering』、日之影Boulder
比叡:『Kyushu Bouldering』
屋久島:『屋久島 ボルダー課題集』
<日本ボルダリングエリア>
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