本当に男子Bグループは死の組だったのか~続・第8回BJC分析、所感~
第8回BJC(ボルダリングジャパンカップ)東京大会、素晴らしい見ごたえでした。
さて、前回はこんな記事(男子Bグループは死の組か)を書いたわけですが、今回は実際のリザルトから
本当に男子Bグループは死の組だったのか
を検証してみたいと思います。
ちなみにリザルトはこちら。
(このリザルトにはアテンプトは載っていませんが、以下の分析では当日張り出されたリザルト表からアテンプト集計をしています)
検証方法
2つの方法で結局どちらのグループが死の組だったのかを検証します。
方法1. 予選第5課題の完登者数、及び1撃者数
今回のジャパンカップはA,Bグループそれぞれ5課題あり、男女共に第5課題のみA,B共通の課題でした。
ですのでこの第5課題の結果を比較することは公平であるとして、第5課題における完登者、及び1撃者数が多い方が実力者が多かったグループと考えます。
クライミングに詳しくない人のために補足しておきますと、クライミングではより少ない回数で完登することに価値があると見なされるため、1回のトライで完登した人の数もここでは比べています。
もちろん、それまでの4課題の違いからくる肉体の疲れ、及びメンタルの持ちように違いはありますし、厳密にホールドの角度などが同じとは限りませんので、この検証結果のみを鵜呑みにすることはできません。
(事実男子はAグループの方が前4課題が辛かった様に客観的には見えました。特に第1課題がAグループの方が辛かった様に見えたため、ここでメンタルを崩した選手もいたかもしれません)
方法2. 準決勝でのグループ別平均順位
準決勝では予選でどちらのグループであったかに依らず、皆全て同じ課題に取り組むため、準決勝の順位は純粋に選手の実力が反映されているものと見なせます。
よって準決勝での各選手の平均順位が小さいグループの方がより実力者が多いグループであったと考えます。
ただし、この方法にも難点はあります。
それは、今考えたいことはどちらのグループがより準決勝進出が厳しかったのかということですが、この方法では上位数名の優勝争いに絡むようなトップ選手の数が平均順位に大きく影響を及ぼしてしまうということです。
仮に準決勝上位6人(決勝進出者)が同一グループ、かつそのグループ出身の残りの選手が準決勝の下位に全て固まっていた場合、そのグループの方が準決勝平均順位は小さくなります。ですが、準決勝下位者が多い分、おそらくそのグループの方が準決勝進出は楽であったのではないかと考えられるのです。
ま、半分お遊びで見て下さい。
検証結果
検証結果は上記にあるように
男子はBグループの方が予選第5課題の完登者が6名多く、また1撃者は10名多かった。
準決勝の平均順位もBグループの方が2.8位小さかった。
女子は(予選選手の数が1名違うが)予選第5課題の完登者と1撃者の数はどちらも両グループで同じであった。
準決勝の平均順位はAグループの方が2.8位小さかった。
となりました。
結論
統計的な有意性の分析などしていないので結論を出すのは難しいのですが。
男子においては第5課題の完登者数の違い、特に1撃者数のこれ程の違いを見ると
本当に男子Bグループは死の組であった
と言っても良いのではないでしょうか。
準決勝の平均順位からもBグループにトップ層も含めて実力者がいたことが窺えます。
女子は予選第5課題の成績は全く同じことから、準決勝進出の厳しさだけを考えるとどちらのグループも同一程度であったと考えられます。
一方で、準決勝の平均順位からはAグループの方がトップ層の実力者揃いであったことが窺えますが、この結果は前回の分析とまさに合致するものです。
終わりに
非常に粗い検証でしたがこんな感じです。
今回は出場選手からもグループ間の実力差を問題視する声が上がっていましたね。
どのように上手くやってもこのような差は生じるとは思いますが、少なくとも選手が納得する仕組みは必要だと思いますねぇ。
「納得」は全てに優先するぜッ!!(これ言いたいだけ)
(Hyper Dimensionより)
ではでは。
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