クライミングの医学的地図:全体像と野望

クライミングの医学的地図:全体像と野望

現在医学部4年生であるが、僕が再受験をした理由に
医学の観点からクライミングを理解し、パフォーマンス向上の研究や医学的問題解決がしたい
というものがあった。
その背景には、クライミングを始めとするマイナースポーツでは、
・誰も正しい上達の方法や怪我の予防/治療法がわかっていないので、それらを解明したい
・古来からの感覚的な言説や間違った方法論が蔓延りがちであり、それらを正したい
・純粋に僕らの身体がどう動いているのか、身体の中で何が起きているのかを解明したい
などの思いがある。

ただ上記の宣言はあまりに大きく漠然とし過ぎているし、僕自身も医師としてキャリアを今後(おそらく)進める中でこれらのクライミング的使命と医学的にどう関わっていくのか具体的な方針が見えていない。
そしてそのまま気づいたら3年が経過してしまったのが現状である。
ということでそろそろ頭を回し動き始める。

 

自分の野望へのステップ

自分が理解すべき/解明すべきことのステップを整理するとおそらく以下のような流れになるはずだ。

1. クライミングには現時点でどこにどのような医学的イシュー(解くべき問題)が存在するのか
2. それらのうち臨床や研究の世界で今どこまでわかっているのか/わかっていないのか
3. 一般クライマーや選手にとってどのイシューが解かれることのインパクトが大きいのか
4. それぞれのイシューを解く可能性/労力はどの程度なのか
5. 1~4と自分の興味関心を掛け合わせたときに、僕はどのイシューを解くことに身を投じるべきなのか

今回の記事では1、つまりざっくり言えば
クライミングに関して医学の観点から包括的な地図を描いてみる
ということである。
もしかしたら同じような試みを既にしている人がいるかもしれないけれど、まぁそれは順次調べるとしてまずは自分の視点をここに表明する。

 

ミキペディア的なクライミングの医学的地図

上のスライドを簡単に説明すると、まずクライミングを医学的観点から見たときに時系列っぽく横軸を
>身体の基礎
>登り・トレーニング
>怪我・治療・リハビリ・予防
と大きく3枠に分けた。
そしてそれぞれの中に(なるべく網羅的にしたつもりではあるが、大いに僕の興味関心で選んだ)クライミングの医学面から見たイシューを入れ込んだ。

ただし、中には「解くべき問い」の形になっていないただのテーマもあるし、頭がまだ回っていなく抜け漏れもあるかもしれないし、この大枠ももっと良さそうなものがあったら変更する。
このあたりは地図とは言ったが今後ブラッシュアップしていくつもりではある。
それと個人的には、コンペのデータ解析、摩擦力の解明、チョーク性能、シューズ性能、ホールド、などにも興味は高いのだが、医学と少し離れたイシューは泣く泣く省いた。

いずれにせよこの1枚紙が現時点で僕が知り得る「クライミングの医学的地図」であり、この描かれた海を「自身のクライミング経験」と「医学」という2つの羅針盤で航海をしていく。

 

ネクストステップ

次回以降どうするか。
正直なところまだ医学生の身であるので、各イシューへの取り組み方は
・先行研究の整理と洞察
・他のスポーツの事例の適用
・自身の経験からの推察
・アンケートや小規模レベルの簡易実験
という程度にとどまるかもしれない。
が、できる範囲で順次ステップ2に進んでいく。
壮大過ぎて全然進められなかったり、自分の医学部生活や医師生活が進む中でこの試みは頓挫するかもしれないけれど、時間を見つけて進めていき、できることならライフワークにしたいと考えている。

とりあえず「筋、腱、靭帯、骨」あたりから始めてみようかな。自分の勉強にもなるし。

ではでは。