第15回ボルダリングジャパンカップ男子、世代交代は起こったのか 決勝初進出者の人数推移
先週末、第15回ボルダリングジャパンカップ(BJC)が開催されました。
僕は準決勝は現地でYouTubeの実況解説をさせていただいて、決勝は放送で観戦しました。
準決勝・決勝共に逆転劇などもあり非常に盛り上がりましたね。
課題も内容はもちろんのこと、完登させつつも登れるクライマーが課題ごとに違ったりしていて更に通過ラインも明瞭に分かれて完璧でした。
優勝した原田選手も伊藤選手も素晴らしいパフォーマンスで、最後に完登で決めて優勝と最高の試合展開。
<BJC準決勝>
去年のように準決勝と決勝の課題紹介等をしても良いのですが、僕は実際に現地で見ていないですしもう日も経っているので、今回の記事は少し別の視点から書いてみます。
大会前にこのブログやYouTubeの解説コメントで
“女子は去年決勝には3人フレッシュな顔ぶれが入り、メンバーが入れ替わった。
対して、男子は群雄割拠と言われつつも実は最トップの決勝常連組の壁は高く、去年も決勝メンバーは1人しか入れ替わっていない“
と話しました。
しかし今大会では上記で書いたことを覆すように、男子は決勝初出場者が4名となり象徴的な出来事となりました。
(原田選手、楢﨑智亜選手が決勝経験者。井上選手、川又選手、小西選手、佐野選手の4名が初決勝。参照:第15回BJCリザルト)
ということで、今回の記事では男子で決勝初出場が4名出たというのは多いのか。これまでになかったことなのか、ということを確認するために決勝初出場者の人数推移をまず調べてみます。
調べる過程でいくつか見えてきた所感なども簡単に書きたいと思います。
BJC男子 決勝初出場者の人数推移
結果から見てみましょう。
男子は第1回のみ準決勝が無く、決勝進出13名となりましたが第2回以降はタイ通過者がいない限り決勝定員は6名です。
グラフからわかるように、決勝に初めて進出する選手が4名というのは男子BJCの歴史の中で初の出来事であったのでした。
決勝の経験というのは累積するので、開催回が若いほど数字上は初決勝の人数が多い可能性は高まりますが(厳密には初BJC出場者の数も関係する)、今回は第15回にして過半数の4名を初決勝経験者が占めたのです。
このことから、直近4年ほどはベテラン勢・決勝経験勢が高い壁として立ちはだかっていたが、今年は最トップ層にいよいよ若い風が吹き込んで世代交代が起きつつあるという見方はできるとは思います。
まぁ決勝初進出人数だけで世代交代を語るのも言い過ぎなのと、統計的には6名の内2名か3名か4名かというのは誤差とも見れますがね。
あくまで1つのデータ的な知識としては面白いです。
BJC女子 決勝初出場者の人数推移
女子も載せておきます。
ただ女子の場合は第5回までは準決勝が無く、また決勝の定員も6名ではなかったのでそこまでは参考値として見てください。
第7回に決勝初進出者3名を記録した後は、以降初進出者は1名か2名が続き決勝常連組が固定されていた時代が長かったことがわかります。
そして去年の第14回に、平野選手、倉選手、中村選手と半数を占める3名が新たな顔ぶれとなり女子もいよいよ選手層が厚くなってきたのではないかと話題になりました。
しかし今年の第15回は決勝初進出者は松藤選手の1名のみと最トップ選手が依然として一段上のレベルにいることを証明。
来年以降、野口選手が出場しないことで決勝メンバーの勢力図がどう変わっていくか楽しみですね。
補足、終わりに
調べていて1つ面白い発見をしたのですが、決勝初進出でそのまま優勝をした選手は実はかなり少ないです!
男子は第2回の村岡達哉選手と第7回の新田龍海選手のみ。
(村岡選手は第1回に出場していなく、第2回が大会自体初めての出場)
女子は波乱の第10回の田嶋あいか選手のみ。
初めての決勝で勝ち切るのは相当難しいということですね。
簡単なデータ振り返りでしたが、今回はこんなところで。
来年以降どんなニュースターが決勝に進んでくるか楽しみです。
ではでは。
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