ボルダリングワールドカップ2017で印象に残ったシーンベスト7
お正月でのんびりしていたり登っていたりしたので、これが2018年一発目の記事。
『CLIMBERS』ではデータでボルダリングワールドカップ(以下BWC)2017を振り返るという記事を書きましたが、この記事では僕の”感性”で振りかえってみたいと思います。
というわけで昨年のBWCで個人的にアツかったシーンベスト7を選んでみました。
データとかは一切関係なしに、僕が直感的に思い返しました。
ベスト7の7にも意味は無いです。
ではどうぞ!
第7位 マイリンゲン戦準決勝の杉本選手
BWCの開幕戦となったスイスのマイリンゲン戦。
この準決勝で杉本怜選手が爆発して決勝進出をしかも首位通過で決めた瞬間、観戦していたみんなでめちゃくちゃ盛り上がったことが記憶に新しいです。
前年2016年の肩の手術を乗り越えてまた決勝の舞台に戻ってきたということで正直目頭が熱くなりましたね。
特に2人しか登れていない写真の準決勝第一課題がくっそカッコ良い。
必見。
第6位 ナビムンバイ戦の最終課題
第6戦のナビムンバイ戦。
決勝の最終課題は男女共に最終競技者まで完登者は出ていませんでしたが、最後に出てきたショウナ・コクシー選手とチョン・ジョンウォン選手が時間ギリギリで完登をもぎ取りました。
まるで王者と女王の二人で示し合わせたかのような奇跡のセッションを目の当たりにして、2017シーズンはこの二人のためにあったのだと確信した瞬間でした。
第5位 ベイル戦の決勝最終課題の緒方選手
ベイル戦の決勝最終課題。
あきらかに保持力とパワーが必要そうな真っ向勝負のいかした課題。
それを日本の次期エース候補にして保持力モンスターの緒方良行選手があっさりと料理した瞬間、その純粋な強さに僕はやられてしまいました。
この課題唯一のフラッシュ。
次シーズン、緒方選手の爆発を予感させる課題でしたね。
第4位 ミュンヘン戦のヤン選手
最終戦のミュンヘンでのヤン・ホイヤー選手の優勝は感動的でしたね。
かつて年間チャンピオンになったことのあるヤン選手が今期は決勝に一度も駒を進められない中迎えた地元ドイツでの最終戦。
リーチで大分有利になる課題もありましたが唯一の決勝全完登でシーズン初決勝にして初優勝。
ヤン選手はやはりスター性がありますね。
第3位 八王子戦の決勝第3課題での野口選手
八王子戦は目の前で観戦していただけに思い入れが強いのかもしれませんが、野口啓代選手の決勝第3課題は誰もが驚きの声を上げたでしょう。
スタートのランジから難解な課題を残り14秒にして初めて解決。
そしてほぼブザービートでゴールをマッチ。
野口選手が長年培った経験と勝負強さが如何なく発揮された記憶に残る渾身のトライでした。
第2位 ミュンヘン戦の決勝女子第2課題のヤンヤ選手
既にショウナ選手の年間優勝が決まっていた女子の最終ミュンヘン戦でしたが、そんな中で大きな衝撃を僕らに与えてくれたのがヤンヤ・ガンブレット選手の決勝第2課題。
ほぼ全ての選手が何もさせてもらえない中、スターシャ・ゲーショ選手のみ上部まで行くも時間に追われゴール取りで失敗。
そして満を持して登場したヤンヤ選手がゴール取りで繰り出したのが写真の”大天使ムーブ”。
あまりに規格外の動き。
今期のベストムーブ賞ですね。
第1位 八王子戦の男子最終課題
もうこれも以前ブログにも書いたと思いますが、八王子の男子最終課題が今シーズンというか今まででベストかもしれないです。
まず課題それ自体がカッコ良すぎる。
e-Gripsの巨大なホールドをパワー全開で抑え込む真っ向勝負系であり、上部も気が抜けない。
そして展開も超ドラマチック。
登れば優勝の楢﨑智亜選手は前の課題で指にアクシデントがあり、それを引きづりながら決死のトライをするも完登ならず。
渡部桂太選手も3アテンプト以内で登れば優勝でしたが、完登ならず。
渡部選手の3アテンプト目が終わった瞬間に、優勝を確信したアレクセイ・ルブツォフ選手は勝利の雄叫びと共に飛び上がってガッツポーズ。
今でもそのシーンが脳裏に焼き付いていますね。
要チェック!
さぁ2018シーズンはどうなるのでしょうかね。
またきっと多くのドラマが生まれるのでしょう。
-
前の記事
CLIMBERSの「データで読み解く最強ボルダラー」を手伝わせていただきました 2017.12.31
-
次の記事
クライミングサービスの提供者は一流のクライマーであるべきか 2018.01.11