2019年 第32回リードジャパンカップ 出場選手の戦績とみどころ

2019年 第32回リードジャパンカップ 出場選手の戦績とみどころ

今週末の2019年3月2,3日(土,日)に印西市松山下公園総合体育館にて第32回リードジャパンカップ(LJC)が開催されます。
リードクライミングの日本一や代表選手を決める大会であり、2020年のオリンピックが近づいている今世間からの注目も高まっています。
僕はいつも通り予選と準決勝のYoutube実況解説をさせていただくので、よろしくお願いします。
事前情報としてお馴染みの出場選手戦績を紹介すると共に、簡単なみどころも述べさせていただきます。

 
 

リザルト・競技順

リザルト、競技順は以下のページからです。

https://www.jma-sangaku.or.jp/climbing/temp_results/ljc/2019/

 
 

放送メディアと日程

LJCの放送メディアと日程は以下の通りです。

 

予選・準決勝

YoutubeではJMSCA Competitionのチャンネルで予選と準決勝をライブ放送をします
・予選:3月2日(土) 10:55~15:50
・準決勝:3月3日(日) 9:55~12:15

<予選>

<準決勝>

またスポーツブルでも予選と準決勝をライブ放送します。

 

決勝

決勝は上記のスポーツブルに加えて、
Abema TV
スカイA
でも以下の日程でライブ放送があります。
・決勝:3月3日(日) 14:30~17:30

 
 

戦績記載事項と注

戦績を載せた選手はLJC2019に出場する選手の中で過去の日本選手権及びLJC直近2大会、計4大会の平均順位上位20人です。
2017年を最後にLJCは幕を閉じ、2018年は日本選手権一本となりましたが、2019年から日本選手権と同じ位置付けながら(おそらくわかりやすさから)大会名がリードジャパンカップとなりました。

最大で2016年までリザルト遡り平均しているので、成長著しい若手選手などは実力がこのリストに反映されていないかもしれませんがご了承ください。また去年のリードクライミングでの主要国際大会の戦績も載せています。

毎度のことですが、順位は公式に発表されているリザルトに変更を加えています。
具体的には「同着が複数人いた場合は、複数人が占める順位の平均順位を与える」という変更です。
10位が3人いた場合は、10位、11位、12位を3人で占めていると考え、3人ともに平均の11位を与えています。

 
 

LJC2019 男子出場選手戦績上位20名

まずは男子から。

赤塗:決勝進出
青塗:準決勝進出


戦績トップは日本クライミング界のエースである楢﨑智亜選手。
楢﨑選手と言えばほとんどの人がボルダーが強いという特徴を挙げると思いますが、直近の日本選手権2大会でどちらも準優勝とリードもとても安定感があります。
さらに昨季はワールドカップでも表彰台を経験とその実力を更に伸ばしています。
スピードも日本記録を持っているので3種目をどれも超トップレベルでこなせる唯一の選手なのです。
楢﨑選手らしい躍動感あふれる登りで、新たなボルダータイプのチャンピオン誕生に期待。

2位は昨年の覇者である是永敬一郎選手。
2017年からワールドカップやワールドゲームズでも優勝をして世界のトップレベルに上り詰めた後に、日本選手権のタイトルも手にするとまさに絶頂を極めました。
しかし残念なことに膝を大怪我してしまい2018年はシーズンのほとんどを棒に振ることに。
回復すれば間違いなく優勝候補筆頭の選手。
その久々の登りに注目です。

3位は樋口純裕選手で2016年の優勝者。
リードのスペシャリストとして日本クライミング界を引っ張り続けている選手であり、昨年は念願のワールドカップでの表彰台も経験。
他の選手の年齢を考えるとベテランの域に入っていますがまだその実力を伸ばしています。
クライミング界きっての理論派であり、その経験と理屈に裏付けされた着実な登りが持ち味。

以降もワールドカップ・ワードドゲームズ表彰台経験のある波田選手、昨年ワールドカップでの活躍が光った本間選手・清水選手・田中選手、オリンピックに向けて確実にリードも仕上げてきているであろう藤井選手、などなどボルダーと同じくらい厚い選手層となっています。

そんな中あえて注目選手を挙げるならば1人目は西田秀聖選手。
まだ16歳ながら昨季初参戦したワールドカップで後半に向けて調子を上げまくり、なんと2度も4位を獲得。
恰幅の良い体格でひょうひょうと登っていく姿が印象的です。
いずれ必ずや日本リード界の新たなエースになるであろう西田選手ですが、この2019年のタイトルをとってもおかしくはないはず。

もう1人はリスト外なのですが楢﨑明智選手。
昨年のBJC前に怪我をして以降リードの練習に力をいれたのか、復活してからはリードの力が一段階増しました。
復帰戦となったユース選手権では圧勝し同世代に力の差を見せつけ、世界ユースでも優勝。
そしてなんと勢いのまま世界選手権では4位と日本人トップの成績を収めました。
180cm台後半の恵まれた体格で規格外の登りを見せて欲しいですね。

 
 

LJC2019 女子出場選手戦績上位20名

続いて女子。

女子の1位は昨年圧倒的な持久力を見せ優勝した森秋彩選手。
国内のリードではほぼ土が付いていなかった野口選手を下し、谷井選手などと共に新たな世代の波を感じさせてくれました。
ゴールしてもなお登り続けられるかのような余裕を見せ、異次元の力に鳥肌が立ったのを覚えています。
しかし最近は調子を上手く合わせられていないこともしばしば見受けられるので、この大会にどの程度仕上げてきているかがカギを握るでしょうか。
万全ならば敵なしの選手です。

2位はご存知の野口啓代選手。
ボルダーとリードの両方で国内のみならず世界でも長年トップランナーとして走り続けている日本の歴史に名を刻むクライマーです。
昨年もワールドカップで表彰台、世界選手権で決勝とリードもオリンピックに向けて好調な様子。
野口選手は特にリードの大会で崩れるところをみたことがないので、おそらく表彰台は確実に入ってくるでしょうし、王座奪還も十分あります。

3位と4位にも伊藤ふたば選手と田嶋あいか選手と実力者が並びます。
伊藤選手もリード、ボルダー、スピード、全ての種目でバランス良く高次元のパフォーマンスを発揮できる選手。
クライミングそのものに天賦の才を感じます。
田嶋選手は日本選手権とリードジャパンカップの両方で優勝経験のあるリードスペシャリスト。
最近またコンペシーンでも力を発揮しつつあるので楽しみな選手ですね。

そして続く小武芽生選手は昨季のリードの世界大会で一番輝いた日本人選手ではないでしょうか。
ワールドカップで2度の4位に続いて、世界選手権で並み居る強豪を抑えて堂々の4位。
完全にリードの分野で覚醒をしたと言えるでしょう。
この1年間で相当な大舞台での場数を踏み、豊富な経験を手にしたはずなので優勝候補の1人であることは間違いありません。

以降も強力選手が並びますが、注目選手を挙げるなら平野夏海選手でしょうか。
去年がワールドカップシリーズ初参戦ながらクラニでは決勝に進出し6位に位置付けました。
大人しそうな見た目ながら負けん気のある登り。
ボルダリングジャパンカップでも決勝に残るなど、今一番勢いがあり成長している女子選手です。
大注目。


と、こんな感じです。
すでに毎週のようになんかしらの大会があり、さらにここからシーズンが始まっていくので選手は大変だと思いますがそれぞれが満足の行くパフォーマンスを発揮してくれることを願っています。
ではでは。