スポーツクライミング第2回コンバインドJC 出場選手データとルール等

スポーツクライミング第2回コンバインドJC 出場選手データとルール等

今週末の2019年5月25,26日(土,日)に愛媛県西条市でスポーツクライミング第2回コンバインドジャパンカップ(CJC)が開催されます。
この大会はクライミングの「スピード」「ボルダリング」「リード」の3種目を争う複合競技であり、今夏の世界選手権に出場する選手を決める非常に重要な大会です。(世界選手権の詳しい出場条件はこちら)
僕も25日の予選の実況解説をYouTubeでさせていただくので、この記事ではルール等の解説や簡単に出場選手データ紹介等を書きます。

 
 

スケジュール・放送、等

男女ともに1日目の25日が予選で2日目の26日が決勝となっております。
種目順は「スピード」→「ボルダリング」→「リード」の順番。

予選の放送はYouTubeとスポーツブルでライブ配信をします。

<YouTube 予選>


決勝の放送はスポーツブルに加えてAbemaTVでライブ配信。
BS朝日スカイAで以下の日程で録画放送されます。
・BS朝日:2019年6月2日(日)22:00〜23:54
・スカイA:
  2019年7月8日(月)19:00〜20:00(男子決勝)
 2019年7月9日(火)19:00〜20:00(女子決勝)

 
 

第2回CJCの出場資格

まずCJCは男女ともに定員20名です。
そしてこの大会への出場資格ですが、おそらく
・今年の3つのジャパンカップ(スピード:SCJ、ボルダリング:BJC、リード:LJC)すべてに出場した選手が該当
・該当選手の中で各種目で順位付けをし、その3つの順位の掛け算が少ない選手から出場条件を与えられる
となっていると思われます。

 
 

複合競技のルール

CJCや複合競技のルールはifscルール2019verに載っているので詳しくはそちらを見てほしいのですが、主要なものをいくつか書いておきます。

 

順位付けの方法

複合競技の順位付けはややこしいので説明します。
まず予選でも決勝でも3種目それぞれで選手は順位に応じて「ランキング・ポイント」を獲得します。
これはほぼ順位の数字と同じと考えて良いのですが、2人以上同着の場合は同着の選手が占める順位の平均値(例えば8位が4人なら、8,9,10,11の平均値である9.5)がそれぞれの選手に与えられます。

そして3つのランキング・ポイントの掛け算が「合計ランキング・ポイント」となり、この数値が小さい選手がより上位となります。

つまり3種目での予選をまず終えた段階で合計ランキング・ポイントが小さい選手が決勝へ進み、決勝でも3種目を再びおこなうという形式です。

 

合計ランキング・ポイントが同じ場合

合計ランキング・ポイントが同じ選手がいた場合は以下の順で順位を付けます

  1. 個々の種目の成績のつきあわせ
  2. 決勝ならば予選順位の比較、予選ならばシーディングの比較

1の種目の成績のつきあわせというのは例えば
・A選手がスピード1位、ボルダー1位、リード6位
・B選手がスピード2位、ボルダー3位、リード1位
であった場合、合計ランキング・ポイントはどちらも6ですが、A選手が2種目でB選手に勝っているためA選手の方がより上の順位になるということです。

2のシーディングというのは、大会の出場資格保有者を出す際にに使われた3つのジャパンカップ順位から作られた順位表のことで、公表はされていません。
しかしシーディングの降順が競技順になっているので、競技順が遅い選手ほどシーディング上位ということになります。

 

その他、前回大会や単種目との違いなど

その他の基本ルールは決勝は単種目とほぼ同じです。
予選は、スピードは単種目の予選を、ボルダリングとリードは単種目の準決勝を踏襲すると思って問題ありません。
しかし、前回大会と変わったところとしては
・決勝が6名→8名
・ボルダー決勝の課題数が4つ→3つ
などでしょうか。

それと前回と同じですが、
・リードで高度が同じ際にはタイムの速さで順位を分ける
という点も単種目とは異なるので注意ですね。

 
 

第2回CJCの出場選手データ

さてルール説明が長くなりましたが、出場選手のデータとめっちゃ簡単なみどころ解説。

ちなみにこの表では各ジャパンカップの実際の順位を載せています。
シーディングや出場条件におそらく使っている、”3つのジャパンカップに出場した選手内での順位”とは異なるので注意してください。
それと、スピードはJMSCA公認スピード記録やwebでわかる範囲で記載したので最新データでなかったりしたらすみません。

 

男子

男子は、藤井選手、楢﨑智亜選手がやはり3種目とも安定して強いですね。
当初は複合競技では智亜選手がかなり有利かと思われていましたが、藤井選手はLJCで優勝を決め、SJCでも準優勝しさらにスピード記録も向上させています。
さらに男子はそれぞれの種目でスペシャリストもいますし、かなり混戦が予想されますね。
注目は、持ち前のボルダーの強さに加えて、最近スピードの日本記録を塗り替えた緒方選手でしょうかね。

 

女子

女子は野中選手、野口選手、伊藤選手の3トップが抜けていますね。
特に野中選手はボルダーはもちろんのこと、スピードでは女子唯一の8秒台記録保持者な上に最近安定感が増しています。
この野中選手のボルダーとスピードの牙城を崩すのは相当困難ではないでしょうか。
ただ野口選手もスピードの力が増しているので、スピードとボルダーで野中選手と拮抗すれば、得意のリードで十分捲ることは可能ではないでしょうか。
またその他にリードに強い選手が数名いるので、波乱が起きやすいスピードで混戦になって、最後のリード勝負の展開になれば他の選手にも可能性はあるかもしれません。

 
 

と、こんな感じでしょうか。
コンバインドは少しお祭り的な楽しさもあるので個人的にも楽しみですね。
では選手のみなさんがんばです!