凡庸な群衆から抜け出したい
今思っていることを素直に書こうと思う。
先日のボルダリングジャパンカップ予備予選は予選落ちだった。
5課題中4完登しなければならないところを2完登しかできなかったので、完敗と言って良い内容だ。
周りには「実力が出せなかったね」とか、「ミスっちゃいましたね」とか言ってくれる人もいたし、
コンペ直後はもちろん自分でも「なんであの場面であんな選択をしたんだ」とか色々思ったりもした。
でも冷静に考えると、上記のような考えはおこがましいというかそもそも間違っている。
確かに今の僕が実力の全てをビシっと出せたら通過はできたのかもしれないが、その実力を出すことまで含めてクライミングなのだ。
というかむしろベルトコンベアという方式においては、時間内に実力を出し切ると言う点が最も難しいしそこを測られているといっても過言ではない。
その上でこれまでのコンペを振り返ってみると実力を出し切ったと思えたことはどのくらいあっただろうか。
おそらく10回に1回くらいだ。
とすると、この9回の方が実力で、1回の方がまぐれ当たりなんだ。
完璧にこなせなかった9回の方が出てしまっても通過できるくらいの力がないといけないということだ。
たまたま上手くいった1回を思い出して自分が高いレベルにあると勘違いしてはいけない。
今僕は特別なクライマーなどではなく、まるっきり凡庸な群衆の1人なんだ。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」。
まず今回の負けが、何の不思議もない負けだったことを認めなければならない。
そうやって考えると群衆から頭一つ抜けている別格な実力を持っている人で今回予選で落ちた人はほとんどいない。
彼らは多少ミスをしても他でリカバリーできるのでどうやっても通過している。
要は底力が違う。
僕は、元来それほど勝ち負けにこだわるのが好きな性格ではない。
それに加えて、コンペの結果を追求しすぎることはクライミング本来のあるべき姿とは違う、などと心の片隅で思っていた自分もいたのかもしれない。
しかし結局この気持ちはセルフハンディキャップに他ならない。
絶対勝ちたいという気持ちや、血のにじむほどの努力を周りに見せて、そして結果が出なかったら怖いと心のどこかで思っているのだ。
本当は心底勝ちたいと思っていることをはっきりと認めなければいけない。
絶対に負けたくないという思いを全面に出して良い。
次の1年は全てをやり切ったと思える1年にする。
そして凡庸な群衆から必ず抜け出す。
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