瑞牆で簡単なマルチ継続登攀、アレアレア1P目、アプリオリ
8月はもうあと1回くらいしか瑞牆へ行けなそうなので、最近登ったルートなどを簡単にまとめておきます。
早く涼しくなってほしい―!
山河微笑~錦秋カナトコルートの継続登攀
僕らはマルチピッチは時間がかかってしまうことが多いのと、1ルートやるだけでヘロヘロになってしまいがちです。
ですので今回はスピードアップと体力作りも兼ねて初めて1日で2ルートの継続登攀にチャレンジしてみました。
一応記録と考えた改善点など。
山河微笑
1本目は十一面岩の左岩壁にある山河微笑(5.10a、5P)。
星3つが付けられている瑞牆マルチを代表するルートで各ピッチともに登りごたえありです。
全てのピッチを妻むっちゃんがリード
6:30 1P目(5.8)取り付き。チョックストーンの下あたりが少しいやらしい
7:15 2P目(5.8)取り付き。楽しいチムニー
8:45 3P目(5.10a)取り付き。ハンドクラックからフェイスに出るところが少しいやだけれど個人的には登り易いと感じたピッチ
10:00 4P目(4th)取り付き。少しのダウンクライムだがロープを出さないと危険
10:30 5P目(5.10a)取り付き。ワイドに慣れていないとおそらく核心ピッチ。ただ5.10aのワイドとしてはやり易いのかな
11:30 山頂着
12:30 ルートの取り付き着。50mダブルで懸垂4回?かな。
5P(実質4P)を6時間で終了。
錦秋カナトコルート
2本目は山河微笑より左にあり、カナトコ岩の頂上まで登る錦秋カナトコルート(5.10a、6P)。
途中の歩きがわかりづらかったり、5P目のライン取りが複雑だったりしますが、頂上からの眺めは抜群なのでオススメです。
全ピッチ僕がリードのため写真なし。
13:15 1P目(5.8)取り付き。最後のスラブののっこしが結構イヤ。
2P目(5.10a)は今回の継続登攀で最も難しいと感じたピッチ。トポには出だしの数歩が核心とあるが、上部のシンクラックをレイバックすることろの方がかなり難しかった。使えるホールドがもしかすると左フェイスにあったのかもしれないが気温が高かったのもあってクラックレイバックは5.10bかcに感じた、、、。ただボルトがあるので安心感はあります。
14:30 2P目終了点に到着。ここまで1時間と少し。ここから3,4Pは歩きだけれどわかりづらくて僕らは3P目で左へ行きすぎて迷い一度戻りました。それと3P目は3rdが付いていますが途中から普通にクライミングして上に上がっていく感じなので、不安ならロープを出した方が無難。
5P目(5.8)はどのラインでも行けそうなチムニーなどがあるピッチ。直上気味に行こうとしたが難しそうだったのでスピード重視で右から巻くことに。そうすればまず落ちない難しさ
6P目(5.7)最後に6mくらい頂上へスラブを登るピッチ。リングボルトでちょっといやなスラブを登る。5.9くらいでも良い気がする
14:45 頂上着。スピードを意識してここまで2.5時間で来れたので悪くはないと思っていたのですが、、、
頂上から50mダブルで5P目の取り付きまで一気に懸垂下降したところ、ロープを引き抜く際にスタックしてしまいウンともスンとも動かなくなってしまい、なんと一度登り返すことに。
ロープが何度も岩で屈曲していたため流れが悪く引けなくなっていたようです。
幸い垂壁~スラブっぽい傾斜だったのと、木があったのでATCガイドをガイドモードにして懸垂下降の逆バージョンのようにして登りかえしました。
その後も僕は焦りからか何度か懸垂下降でロープを絡ませてしまい、終わってみれば取り付きに戻ったのは18:15。つまり登りに2.5時間、懸垂下降に2.5時間もかかったのでした、、、。
結局6P(実質4P)を5時間で終了。
総括&改善点など
終わってみると2ルート計11P(実質8P)を12時間弱で登ったことになります。
これが速いのか遅いのかというと、、、たぶんかなり遅いです。笑
今回は簡単なルートとは言え初見の2本だったのと、僕がロープスタックやロープ絡みを連発したので仕方なかったのもあるのですが、僕らと同じ日に継続登攀をしていた懐かしの杉山パーティーは4ルート(錦秋カナトコ~山賊、山河微笑、一粒の麦、アウトサイダーズルムケチムニー)を12時間以下で登っていたので2倍のペースでいっていることになりますね。
それと比較するレベルじゃないかもしれませんが、佐藤祐介さん達は24時間で太陽の塔(5.12c)やフリーウェイ(5.11c)という高難度マルチを含んだ9ルート67Pという驚異的な継続登攀の記録を打ち立てています。
これは単純にピッチ数で換算すれば僕らの4倍は早いということですね。もちろん佐藤さん達の方が圧倒的に難易度も高く体力的にも異次元にキツイですが。
まぁせめてあと2倍くらいの速さを出すにはどうしたら良いのかというと、以下が考えられますかね。
・登るスピードを少し上げる
現在1Pを二人が登り切るのに1時間以上かかっていることがありますが、これを少なくとも30分の水準に持っていくべきですね。
そのためにはムーブに迷ってはだめかもしれない。
ここは初めの内は登ったことのあるルートとか易しいルートを選んでガンガン登って行けるようにすれば良いのかもしれません。
・省略できるところはする
安全などとの兼ね合いもあるのですが、やっている作業のなかで結構省略できるところはあるかもしれません。
絶対に落ちないテラスなどならすごく丁寧に支点構築してセルフを常にとるとかしなくて良いのかもしれないですし。
それとピッチを繋いで登ったり、ピッチを繋いで懸垂下降したりとかの省略もできるはずです。
山河微笑は3P目と4P目をおそらく繋げるはず。
・つまらないミスをしない&リカバリーを早く
、、、と言いつつ錦秋カナトコでは懸垂下降でピッチを繋いでロープスタックしたので、こういうつまらないミスもなくすべきだから難しいです。
加えて、ミスしたときのリカバリーを迅速に行うもの大切ですよね。
例えばカムがスタックしたときに急いで抜こうと思ってガシガシやっても結局抜けないで時間がかかってしまうことが良くあります。
冷静に別のカムでセルフを確保して、両手をリラックスして離せる状態にしてナッツキーとハンマーで作業したら一瞬で抜けることもあり、結局そっちの方が断然早いということは往々にしてありますからね。
急がばまわれ。
・隙間時間を無くす
あと単純に僕らは休憩時間が多いというのもあるかもしれない。
山河微笑から降りてきてカナトコに取り付くまで30分以上レストしているのでここは削れる。
・荷物を軽くする
初見だったのでしょうがないところもありますが、カムを必要な数だけ選定したりするだけで大分違いますよね。
あと50mロープで登って懸垂下降用にダブルロープを持っていくのが良いのか、80mなどのシングル1本で登るのが良いのかも迷いどころ。
80mとかだとピッチ間でロープを引き上げるのに時間がかかるけれど荷物が軽いのと懸垂も結局楽なんですよね。
でも初めての継続登攀は充実しているし1日に知らないマルチを2本もできてお得感がありました。
これを3本4本と伸ばして行けるようにしたいですね。
アレアレア1P目、アプリオリ
あとはそれほど難しいのは登ってはいないのですが印象に残ったのはアレアレア1P目(5.11d)とアプリオリ(5.11a)ですかね。
アレアレア
アレアレアは十一面正面壁にガメラさんこと菊地敏之さんが開拓した5.12を含む高難度マルチ。
完成は2001年。
ヨセミテのアストロマンのようなルートを国内にも、という想いから開拓されたようです。
ちなみにこの間伺ったところ名前の由来はゴーギャンの絵から。
かねてから目標にしていたルートですが時間がなかったのと1P目が難しかったので、2P目以降はまだ進めず。
1P目はこのハングの下を抜けていきます。
下部のフェイスが難しくてファーストトライでは落ちてしまいました。
右の脆いガビガビポケット地帯を抜けていく人もいるそうですが、そうするとプロテクションが無くかなりランナウトする気が、、、。
僕はボルト沿いに2回右手のデッドをする直上ルートを選びましたが、この一連のパートだけで2~3級はあるように感じましたね。
なんとか2回目でRP。
続きのピッチが楽しみです。
アプリオリ
不動沢の屏風岩のエンペラータワーを登るアプリオリ。
吉川弘さん初登。
ワイドからハンドクラックになる露出感の高いルートで超オススメです。
ワイドは入門的ですし、フレアしたハンドジャムの練習にもなると思います。
ただカムをきかせるのが少し難しい。
僕はむっちゃんの後に取りついたのですが、19時近くになっておりヘッドライトを出してのトライ。
しかしワイドを抜けたあたりでなんとヘッドライトが落下!
トライ前に「ヘルメットの上から付けるとライト滑っちゃうかなー」とか話していたことが現実に、、、。
ライト無しでもなんとかホールドが見えるかと思い突っ込みましたが、、、ダメでした。
でも見えなくて落ちたというよりはハンドジャムが普通に難しかったですね。
冷静にクライムダウンしてライトを取りに行けば良かったです。あとライトを落ちないように付けなくてはならなかった。反省。
明るくなった翌日に朝一でRPできました。
うーんどのルートもなかなか1回で登るというのは難しいですね。
しかしやりたい課題が多すぎるなー。
来週は中国行ってきます!!
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