瑞牆・小川山で最近登ったものなど 2018年8月9月
ようやく岩的にも涼しくなってきました。
とは言え個人的にどうしても登りたい課題はこの良いコンディションでもなかなか登り切れていないですが、とりあえず8月9月に登ったものをまとめておきます。
小川山
最高ルーフ
<右のクラックを登っていって、そのままルーフ下を左に抜けるのが「最高ルーフ」。最後に右に(写真だと真っ直ぐ)行くのが「サウスポー」>
8月9月は本当に雨が多かった。
この日は豪雨の後で瑞牆への道は通行止め。
小川山も川を渡ることが困難だったので荷上げやユマーリングの練習も兼ねて「最高ルーフ」(5.10d,3P)へ。
1P目の5.7が濡れていて本当に怖かったです。
そして3P目でメインピッチの5.10dである最高ルーフ。
コロラドのエルドラドキャニオンの「サイコルーフ」(5.12d)からモジって名付けられています。
ルーフを進んでいくのと終了点の位置が奥まっていることからリード&フォローの必要があるので、むっちゃんがリードして僕がフォローすることに。
核心はハンドがバチ効くサイズだけれど足が悪い。
むっちゃんは気合でオンサイト!
僕はフォローだけれどマジで落ちそうになってジャムは途中で止めて無理くりアンダー保持で乗り切りました。
とても気持ち良い課題ですね。
サウスポー
さて僕の狙いはルーフ下を右に抜ける「サウスポー」(5.11c)。
初登は檜谷清さん。
5.11cのクラックはオンサイトするには難しいけれどやるからには真剣にオブザベ。
ルーフ内のクラックが明らかに細くどう考えても難しそう。
そしてオンサイトトライは、、、ルーフの出口に手を伸ばしジャムを決めるも足解除で大きく振られてしまってフォール。
んームズイ。
ハングドッグしてムーブを探るも、マジでわけがわからない。
(ここからはムーブを少し書いてしまいますね)
そこにむっちゃんのアドバイスが入り、ルーフクラックは一切触らず「ダブルトウフックからルーフ出口のジャムとスローパーガバのガストンで足を切って振られに耐える」というすごいインドアボルダー的なムーブを発見。
このムーブからの一連の流れだけでも3級くらいありそうだし、名前の由来のサウスポー(おそらく左投げ投手みたいな動きになる)とも似つかないけれどこのムーブを選択することにしました。
マントルも悪そうだったので練習したかったけれど、終了点まで行ってしまうとフォロー回収便を出すことになってしまうので、時間的にクライムダウンしてカムを回収して壁を真っさらにすることに。
そして2便目。
恐かったのでルーフクラック内に2つカムをかまして、思い切っていくと想定通りに足きりムーブは成功。
しかしマントルがマジで悪い!
プロテクションをとることもできず、カムは遥かに下だけれどもう行くしかない。
右手の決まり切っていないジャムで左ひざをなんとか上げてノープロのまま這いずり上がり、RP。
文字通り全身全霊で登ることができて充実したクライミングとなりました。
瑞牆・末端壁
エアウェイ
末端壁に行ったときは時間があればグレードに関係なく、やっていないルートを触ってみることにしているこの頃。
この日にアップとして選んだのは「エアウェイ」(5.12a)。
グレード的にアップっぽくないのだけど、下部の「アストロドーム」(5.11a)は以前登っていたので上部はフェイスっぽいし大丈夫だろうと思いチョイスしました。
しかしファーストトライはアストロドームパートから色々と忘れていて大苦戦。
なんとかエアウェイパートに入るも、1本目(というか1本だけしかないけど)のボルトにかけたあとに左のクラックに出れずフォール。
エアウェイはこのボルト付近がフィンガリーなのと、クラックにプロテクションを取りづらいので「春うらら」に合流するまでが結構怖いですね。
↓の動画の杉野さんとかは超絶ランナウトして登っているけれど。
そして次のトライでRP!
ムーブがわかるとフェイス得意な人には登り易いですね。
でも十分5.12aで良いと思いますけど。
露出感があって気持ち良いし、アストロドームの終了点ははっきりいって微妙なのでお昼寝テラスまで繋げるエアウェイの方が良いラインだと感じます。
ペガサス(1P目~2P目)
「ペガサス」は1P目5.10c、2P目5.10dに分かれていて、1P目は末端壁の中では易しい方なのでアップなどでよく登られています。
僕はせっかくなら繋げてやりたいということで80mロープでチャレンジ。
1P目は噂通り登り易いですが中間部のライン取りに若干迷いますね。
そして2P目は綺麗なシンハンドのパートが難しかった!
なんとかOSしたけれど個人的には次に書く「T&T」(5.10d)や「アストロドーム」(5.11a)と同じくらいの強度に感じました。
もしかするとハンドジャムできるところにカムを決めてしまって悪いムーブを選択したのかも。
とは言えなんとか落ちずに上部まで。
で、この2P目は実は上部に木があってそこにも終了点があるのですが、そこから左右に分かれたオフィズスを登って横断バンドまで行くのが正規ルートなのです。
しかし木の時点でカムが0になってしまい僕は泣く泣くその終了点までとして降りることに。
なので正確には登ったことにはなっていないのですが、まぁこの木までとする人も多いらしいので、、、いいか。笑
そこからなら下まで80mロープできっかりロワーダウンできました。
ちなみに名前の由来は『Rock & Snow 036』の「瑞牆でクラックに強くなる」から以下とのことです。
名前の由来は、開拓当時、取付に大きな木が生えていて、それを切ったことから。
なんのことやらわからぬが、北米では大木を切り倒すとき「ティンバー」(森林という意味?)と叫ぶことが習わしで、そこから天馬=ペガサスとなったとのこと。
ここのクラックを登るためには、技術だけでなく、教養と洒脱さも身につけなければならないのだ。
ガメラさんの文章はいつ読んでも面白い。
<ロクスノ036>
T&T
この日はアップがてら悪名高い「T&T」(5.10d)にトライ。
一応瑞牆本ではトラッドの5.10dの基準ルートとなっていますが、同じく5.11aの基準となっているアストロドームより難しいと言う人も多いらしいです。
ルート内容としては所謂”短しい系”。
フィンガーサイズのクラックをどう攻略するかだけど、僕は結構レイバック気味に押し通してしまいました。
力押しできるのはある意味では強みだけど、フィンガージャムもきちっとできるようにならないとなぁ。
でもパワフルで内容が詰まっていてとてもやりがいがあるルートです。
名前の由来は同じくロクスノ036から引用します。
「T&T」とは、そのフリー化を果たした戸田直樹=藤司幸男の頭文字からとったようでもあるし、当時流行った「トライ&トライ」(ヨセミテクライマー、トビン・ソレンソンの言葉。正式には”&トライ”がもうひとつ付く)のもじりのようでもある。
「とんでもなく、大変」とか、「とにかく、突っ込め!」なんてもの、実はありかもしれない。
瑞牆・ボルダー
十六夜
瑞牆の有名なスラブである「十六夜」(初段)。
最近はルーティン的に
「朝に山形県エリアで2時間ほどボルダー」→「昼以降どこかでリードかクラックかマルチ」
という流れが多い気がします。
十六夜は先週に久々に触って、最後の左足で迷ったのですが左足の位置を下げたらポケット取りがほぼ落ちなくなりました。
そしてフリクションが良くなった今回の1便目で完登。
名前の由来はTwitterでもつぶやきましたが、最後の左足をためらうからでしょうか?
瑞牆の「十六夜」の由来はポケ取りの1歩をためらうから?
“躊躇う(ためらう)という意味の「いざよう」から「あれこれ迷って決心がつかない」という意味
十五夜よりも十六夜の月が50分遅れて出てくる様子を「月がためらいがちに出てくる」ということで「いざよい」と表現した”https://t.co/o0G1pZNi5e— ueda mikiya/ミキペディア (@mic_u) 2018年9月24日
Mickipediaの企画である「推しクライマーインタビュー」を始めるきっかけともなった課題だったので登れて嬉しかったです。
<スラビスタの回>
<十六夜の動画>
ナーガ
ナーガ(1級)は阿修羅の岩にあるクラックボルダー。
以前にジャミングせずに無理矢理スローパーぺしぺしして完登したのですが、ジャムを覚えた今再度チャレンジ。
そして2便目で完登。
これ、ジャミングできるとかなり登り易いですね。
クレイジージャムの核心よりも簡単では?5.10bとか??
しかし足先行したりできる良課題!
<ナーガの動画>
10月中旬から海外ツアーに行くので、それまでにもう瑞牆に行ける日数は2,3日かな。
悔いを残さないクライミングをしてすっきりと向かいたいです。
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