僕のクライミング自己規範

僕のクライミング自己規範

Summer Smashも終わり、しばらくはコンペというより岩シーズン到来です。
今回初めてThe オープンクラスに出て、色々見えてきたことがあるのでちょっと普段とは違ったテイストで僕のクライミング(主にボルダリング)に対する考えをまとめてみます。

クライミング哲学と呼ぶほど仰々しいものではなく、クライミングルールと呼んでしまっては味気ない気がするので、クライミング自己規範といったところでしょうか。
ただし、自己規範に掲げているだけで、僕がちきんと守れているかはどうかはまた別問題。笑

ちなみにほとんどが僕のオリジナルというよりは誰かの受け売りなので、どこかで見たことある言葉かもしれません。

 

日々のトレーニングにて

全体に関すること

 ・他人より上達をする方法は二つしかない「トレーニングの質を高める」か「時間を費やす」か
  -この間常連さんと話していた実力の公式: 実力=質×時間+初期実力
  -減量とか怪我とか加齢とかも「質」の一部として考えられる。例えば故障するほどのトレーニングを行っているとこの質の項がマイナスになる

他人が登れて自分が登れない原因は何か、それはどうしたら埋まるのか、を常に考える
 -具体的にできないムーブは何か
 -できない原因は何か、それはどうやって埋めていくのか
  >普段からそのムーブを避けていてやっていないだけなのか
  >そもそも筋量が足りないのか

目標を立てる
 -途方もなく高すぎる目標
 -1年くらい先の目標
 -1か月後の目標
 -今日の目標、など

 

トレーニングの質に関すること

その時、何のトレーニングをしているのかを常に意識する
 -「最大筋」か「筋肥大」か「筋持久力」か「オンサイト力」か、などなど
 -もし最大筋を鍛えたいなら十分なレスト間隔(3~5分くらい)を取りフレッシュな体で限界グレードの課題に臨まないと意味がないし、筋肥大させたいならそれなりの手数(6~12手くらい)の課題を短いレスト間隔(1~2分くらい)でセット数(3~6セットくらい)をこなさないと意味がない

オンサイトの大切さを常に考える
 -BJCを目標にしている限り、アテンプト数が大きく順位を分けることを肝に銘じる必要がある
 -極端なことを言うと四/五段のレッドポイントより、1級/初段をオンサイトできるクライミングスタイルを常に追求しなくてはならない
 -つまり、どんな簡単な課題でも、明らかに不可能そうな課題でも、入念なオブザベと絶対に1撃するという気概をもって臨まなくてはならない

できないムーブの練習にこだわる
 -そのできないムーブは今解決しなければいつ解決するのか
 -しかし同じムーブを反復する怪我のリスクは頭に入れる

素直になる
 -他人の意見に素直になる、どんな物事も素直な奴が成長する
 -例えば、ムーブをすぐに壊そうとしない、などを心がける
  >余程身長やリーチが変わらない限り、他人ができているムーブが正解ムーブ
  >またムーブを壊すクセを身に着けると真っ向勝負に弱くなる

アップの仕方などの型を決める
 -決まったルーチンをこなすことでトレーニングに入り易い
  (僕の場合は伊東ヒデさんに教わった以下を心がけている)
  >いきなり8~6級を10本登る、頭をクライミングモードにする
  >冬などの体が動かない日はラジオ体操的なことを5,6種
  >難易度は低めの体を大きく動かす課題を10本、大きな筋肉を目覚めさせる
  >ストレッチを上半身・下半身5,6種ずつ
  >難易度は低めの指先を使うような課題を6本程度
  >自分の最高グレードより下の課題を何本か
  >その日のトレーニングに入る
 -型が決まっているとコンペの時にも緊張しないですむ

自分より強い人と登る
 -参考記事:普遍的な上達の法則~あらゆる物事において上達に必要な3つのこと~

リミッターを外す。絶対に取るという強い気持ちを持って一手を出す

登れない理由は必ず自分にあると考える。課題のせいにしない

体が柔らかくて損をすることはない

怪我や病気による故障を一番恐れる
 -「クライミングは故障しながらでもやるもの」とは絶対に考えない
 -実際僕も今手首を怪我して休養中。完治か、少なくとも痛みがなくなるまでは本気で登らない

好きなものを食べる
 -ここは賛否両論あるとは思うけれど、食事でストレスを感じたくない
 -僕は「カロリー(コンペ前は重量も)」「炭水化物」「タンパク質」の総量以外は気にかけない
 -アスリートに結構偏食家が多いのは有名だが、クライマーでも例えば遠藤由加さんは「私の体はセブ○-イレ○ンでできている」と言っているし、三上智子さんも「好きなものを好きなだけ」と言っている(Rock&Snow No.61より)

脂肪が少ない方が登れるのは明らかな事実
 >もちろん筋肉との兼ね合いなので、体重が少ない方が良いかはわからない

 

トレーニングの量に関すること

週あたり15~20時間登りこむことを意識する
 -何となく強いクライマーはだいたいこの数字に収まっている気がする
  (以下またまたRock&Snow No.61を参照し、何人かの女性クライマーを抜粋)
  >アンナ・シュテールさん: 5日×3,4時間=15~20時間
  >田嶋あいかさん: 3日×5時間=15時間
  >三上智子さん: 16時間
  >戸田萌希さん: 6日×3時間=18時間
 -ジャンボも週15時間という数字は意識しているっぽい
 -経験上週20時間を超えると怪我のリスクが高まる

僕の場合は週5で登り、そのうち2日は筋肥大させるような筋トレをメインにしている

 

コンペにて

とにかくどんな手段でも良いから登る
 -汚いマッチ
 -強引な飛ばし
 -ムーブを壊してボーナスだけ保持、などなど

完登とボーナスの間には越えられない壁がある
 -完登で順位が大きく分かれることが多い
 -しかし良く周りを見て状況を判断し、ボーナスの数が決勝などへのボーダーラインとなることが見極められた場合は、ボーナス稼ぎに走る(難しい注文。笑)

セッションでもベルコンでも1撃の大切さを知る
 -たとえセッションであってもトライ回数は大きく成績に響いてくる
 -トライ回数がかさめば体力が減るし、他の課題を撃つ時間もその分減る

ムーブに迷ったとしても、一つに決めて全力でそのムーブを出す
 -中途半端なムーブではそのムーブが正解か間違いかすら自分で判断できない
 -全力でやって可能性がないならおそらくムーブが間違っているか、今の実力ではできないということ

コンペ前2週間は、極力フレッシュな状態で最大筋を発揮するトレーニングをこなす

コンペ前のレストは2日間が個人的にはベスト

コンペはトレーニングの良い目標になるので月1回から2月に1回は必ず出るようにする

 

岩にて

心から登りたい課題を登る
 (前にも書いたが)
 -岩の形状が素晴らしい。高さも重要な要素
 -ムーブがカッコ良い
 -歴史がある。やはりクライマーとしてやっているからには幾人もの前人が登ってきた課題は避けられない
 -登られた経緯がカッコ良い
 -課題名がカッコ良い

グレードにとらわれず良い課題を追い求めたいが、グレードを求める時期があっておおいに結構だと思う
 -やはりクライミングはグレードがあるから燃えるという気持ちもわかる
 -早くグレードにとらわれない境地に達したい

外岩、特に花崗岩、は通わないと上手くならない

他人のスタイルにケチはつけない
 -マット重ねようが、YouTube見ようが、個人の自由

以上です。
何年か後にもう一度更新したら面白そう。