ロクスノ76号とスポーツクライミング教本
6/6発売の『Rock & Snow 076』に定期連載を含めて記事を書かせていただいたのでその宣伝と、今話題の東さんの『スポーツクライミング教本』をいただいたのでその感想を書きたいと思います。
ロクスノ076
定期連載の「僕らは考える石ころである」の今回のテーマは、練習の密度。
前々からお客さんを観る中で、
「強いクライマーは登り込む密度が凄まじいが、逆に伸びない人はダラダラとメリハリ無く登っているだけ」
というのを何となく感じていました。
なので今回はライノのクライマー数人を観察して、1時間あたりに何級の課題を何回トライしていたかを数えて比較してみました。
少し前に意味深なツイートをしていたのはこのことだったのです。
ある観察したいことがあり、ここ3日間くらいライノで延々とお客さんの登りを見ている。
で、副次的な気づきなんだけれも、僕はどんなクライマーの登りでも飽きずにずーっと見ていられるようだ。
何か考えたりアドバイスしたりするのも好きだけど、ただぼーっと見てるだけでも超面白い。— ueda mikiya (@mic_u) 2017年3月14日
結果は個人的にはかなり面白いものとなったので、気になる人はチェック!
それと、少し前になりますがリードのユース選手権のレポートも書かせてもらいました。
あのアツい記憶を蘇らせてもらえたら嬉しいです。
スポーツクライミング教本の感想
現在在庫切れになるくらい注目を集めている東さんの『スポーツクライミング教本』。
ありがたいことに東さんからいただきましたので、読んだ感想を簡単にですが述べたいと思います。
まずこの本に書かれていることは非常にレベルが高いです。
クライミングのムーブを自分であまり起こしたことのない初心者・初級者が、初めから精読することは難しいでしょう。
どちらかというと中上級者向けであり
「自分なりにクライミングのムーブは何となく理解してはいるけれど、今一つ整理し切れていない」
「どうしても身体の使い方がしっくりこないムーブがある」
「あるムーブがなぜ合理的かがわからない」
「人にクライミングやムーブを正しく教えたい」
など、自分なりに疑問点や目的がある方が是非目を通すべき内容だと僕は思います。
主に力学の面からクライミングを説明しようとしてるのは書籍としては恐らく業界初の試みであり、その意味でクライミングの捉え方を再定義した重要な本となっていると思います。
もしかすると見る人が見ればその正確性やモデル化の仕方に多少なりとも粗いところはあるのかもしれませんが、とにかくクライミングの解明に一歩近づいたという意味で今後のクライミング界に多大な貢献をもたらしたと言えます。
まさに東さんの集大成となった本書。
僕ら”考える石ころクライマー”は読まなければならないでしょう!
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