アメリカ西海岸ボルダー記 2026春~夏

アメリカ西海岸ボルダー記 2026春~夏

2026年の4月から8月までアメリカ西海岸付近のネバダ州リノへ留学していた。

留学の内容は↓のnoteにまとめているので、このブログではボルダーの記録等を振り返る。

<ネバダ留学note>

岩場の位置関係

僕がいたネバダ州のリノは一応ネバダの中ではラスベガスに次ぐ大きさの都市だ。

クライマーにとってはかなり絶好のロケーションであり、車を使えば
・レイクタホまで45分~1.5時間
・ビショップまで3.5~4時間
・ヨセミテまで4~5時間
・レッドロックスまで7~8時間
程度でアクセスできる。

なので、平日の大学が終わった後でもタホへボルダーをやりに行けるし、週末なら十分に1泊2日でビショップやヨセミテへ足を延ばすことができた。

<リノと岩場>

 

ギアの調達

クラッシュパッド

リノには3つのクライミングジムがあり、スポーツ用品店のREIやクライミングの中古ショップGear Hutもある。
なのでチョークやテーピング等のちょっとした消耗品を購入するだけなら問題はない。
しかし自分にあったシューズ、きちんとしたウェア、リード用のギアあたりを買うとなるとかなり難しいだろう。

僕は日本からはクラッシュパッドは持って行かず、現地で購入すれば良いと考えていたがリノ中の店全て回っても手に入ったパッドは1枚だけ。
ちなみにbasecampというジムではパッドのレンタルサービスをやっていたが、自分が滞在する期間を考えると購入した方が断然お得だと判断し使用せず。

結局ビショップのクライミングショップで2枚、ヨセミテバレー内で追加で1枚購入することになった。
リノ周辺で十分なギアを揃えたい場合、このあたりまで足を延ばさないといけないかもしれない。

またパッドを日本に持って帰ることは困難だったので出来れば売りたかったがそれも難しかった。
Gear Hutは委託販売のためパッドの買取はしてくれず、他にパッドを買い取ってくれる店舗も見つけることが出来なかったため、結局ジムで仲良くなった友人に4枚とも全て譲った。
彼は”This is the best day of my life!”とめちゃくちゃ喜んでくれてたし、夕食もたっぷり奢ってくれたからこれはこれで最高だった。
パッドを売るとなるとFacebook Marketplaceなどを使うと良いらしいが、コミュニケーションや時期などが難しく自分は使わなかった。

トポ

ヨセミテとビショップのボルダートポは家から持って行ったが、タホのトポは持っていなかったので現地で買えばよいと思っていたがこれも見立てが甘かった。
REIやBarnes & Nobleを回ったがタホのトポはどこにもなし。
しかしたまたま入ったGear Hutにてたまたまタホのトポを見つけることができて購入。

<Bouldering Lake Tahoe>

紙の実物があるとパラパラ見ちゃうしやはり楽しい。
ただ利便性や網羅性という意味ではアプリには劣るので、結局タホに行くときはほとんどKAYAというアプリに頼った。
月額いくらか払うとほぼすべての課題を検索できるし、場所やアプローチもわかりやすい。
このアプリのおかげで初めてかつ広大なエリアであるタホでも迷わずボルダーすることができたのでおすすめ。

 

気候

リノの街を含め、アメリカの西海岸は基本的には乾燥している砂漠に近い気候で晴れの日が多い。
気温が90℉(約32℃)あったとしても日陰ならそれなりに涼しいと感じることもある。
またシエラネバダ山脈があるせいか天気が急転することもまれにあり、4月にリノの街中で大雪が降った日もあったし、基本的には暑い4月のビショップで寒すぎて車の外に出られない日もあった。

僕は、4月頭に渡米したこともあり
4月~5月:ビショップ
5月~6月:ヨセミテ
6月~8月:タホ
という感じでボルダーを楽しんだが、全般的に本気のボルダーをやるには気温が高かった。
ビショップは上述した特異的に寒い日を除けば4月の日差しは強烈だし、ヨセミテでも5月になると日が沈んでも70℉(約21℃)近い日もあり本当にコンディションが良かった日はそれぞれ1日くらいしかなかったように思う。
ビショップを捨てて4月頭からヨセミテにinした方が得策だったかもしれないが、10年ぶりのビショップに行けただけでも価値があったのでまぁ良いだろう。

対してタホはエリアを選べば標高が高く夏でも涼しいボルダーもいくつかあり、7月以降もなんとか戦えた。
またこの旅では行かなかったが、トゥオルミというヨセミテバレーの山の上あたりのエリアも標高が高く、夏でもボルダーが十分楽しめたかもしれない。

クライマー

好きなボルダーを回りたかったし、日本からの友人とヨセミテに行った以外は基本的には一人で岩場に向かったが、岩場で出会った現地のクライマーとその場でセッションするのも楽しかった。
僕は留学しているくせにリスニングが苦手でネイティブたちが何と言っているか半分も聞き取れないが、やはりクライミングという共通言語があるおかげですぐに仲良くなることができた。
まぁアメリカ人の初対面の人にも挨拶したりフレンドリーにする気質というのも関係していたかもしれないけど。

それとある程度自分にクライミング力があるというのも、相手から一目置かれるというか少なくとも日本人で舐められるみたいなことが少ない要因にもなったかなと思う。

とにかく行ったその場の岩で一期一会を楽しむとても良い時間だった。

<名前も知らないクライマーたちと夜中のヨセミテでThrillerセッション>


 

自身の成果や記録:岩

総評としては、タホで Treat BoxというV11が登れたのが本当にうれしかった。
完全に自分の得意な挟み込みフック系ではあるがとてもカッコ良いボルダーだ。
大学へ再入学してからは最高でも三段(V10)までしか登っていなかったし、それまでも四段(V12)はRampageの1本だけだったので実質的には自分の最高グレードに近いものが登れた形だ。
それとこの課題の最終ガバ取りで落下し左肩を痛め、翌日腕が上がらなくなり絶望していたが、2週間後にきちんとリベンジできたのも勝負強さが出せて良かった。


ただ左肩はまだ痛いので来週病院へ行く、、、

<岩インスタ>

 

ビショップ

10年ぶりのバターミルクは相変わらず楽園だった。

<昔のブログ>

当時あまりの風の強さに敗退したSeven Spanish Angels (V6)や、このブログのサムネにもしたCheckerboards (V8)を登れてうれしかった半面、目標にしていたStained glass (V10)には歯が立たず、またZen Flute (V10)も現地で出会ったBryceと一緒にトライしたけど僕はできなかった。
BryceはV10以上で唯一登っている課題はRainbow Rocket (V11)だけというランジに滅法強いクライマーで、Zen Fluteも独自のフットホールドで攻略していた。
彼とセッションしたり色々話したのは良い経験だった。

<Seven Spanish AngelsとZen Flute>

ビショップでHotel Californiaというドミトリーに泊まったがここも雰囲気が良かった。
日本からロサンゼルスに駐在に来ているクライマーに話しかけられ、飲みながらクライミング談義したのも旅の思い出。

 

ヨセミテ

ヨセミテ自体はこれまで4度訪れていて、2021年にフリーライダーに挑戦して以来5年ぶり。

<2021年のヨセミテブログ>

ただボルダーに専念したのは2016年だけだったし、あれから少しは強くなったと思っていたので今回は多少の成果を期待していったが、、、結果は惨敗だった。
暑さを言い訳にしようと思えばできるが、それでも良いコンディションの日は5月に2日ほどはあったわけで、そこでThriller (V10)かConan (V9)は確実に仕留めなければいけなかった。
Shadow warrior (V11)も触ってみたけれど初手から取れなくて力の無さを痛感した。

<Conan ほぼガバ止まってますやん>

結局ヨセミテではアップで触ったV4までしか成果はなかったが、それでもこの聖地に戻って来れて谷の中でのんびりするだけでも幸せな時間だった。

で、年齢のこととか今後のライフスタイルを考えると西海岸ボルダーツアーはこれで最後だと思っていたけれど、正直ビショップとヨセミテでの成果が不完全燃焼過ぎてむしろ闘志に火がついてしまったかもしれない。
肩の怪我を治してまたトレーニングを積んで何年か後にリベンジするしかねぇ。

 

タホ

レイクタホボルダーは湖を囲うように岩が点在する広大なエリアで、一口にタホといっても端から端まで車で行こうとすると2時間はかかる。
ジミーウェッブが開拓をしていたりするので、高難度課題を動画で見たことがある人もいるだろう。
標高が高いエリアを選べば夏でも登れるし、ヨセミテやビショップからのアクセスも悪くないのでもっと日本人が足を運んでも良い気がする。
グレード感もヨセミテのクラシックなエリアや瑞牆よりはV1つ分は甘いイメージ。

北西の方のドナーレイクという湖に近いエリアは大学から車で1時間以内にアクセスできるためたびたび足を運び、先述したTreat Box (V11)、The Real Deal (V10)、White Lines (V8)、Triple Crown (V6)などタホに来るまでは知らなかったが、見た目内容共にカッコ良いラインを登ることができた。

<White Linesで出会った2人組とのセッション。名前も忘れたが楽しかった>

湖の南のエリアは僕が住むところからは遠いのだが、Crown Jewel (V10)というめちゃくちゃカッコ良い課題があったので何度か通った。
山頂付近に悠然とそびえる好ロケーション、苔の緑と花崗岩の白のコントラスト、高さや内容も含めて間違いなくワールドクラスに★4つのボルダー。
この課題のためにパッドも4枚揃えたけど、結局序盤の処理からできず残りの滞在期間も考えて諦めた。
Crown Jewelだけやりにアメリカに行く価値があると言えるボルダーなので、興味がある人はぜひ触ってみてほしい。

<Crown Jewel スタートのジャミングからムズイ>

もう一つ南のエリアでWolf Pack (V11)という課題も終盤に取り組んだが登れず。
130度くらいありそうな傾斜に、奇跡的にカチが繋がっている素晴らしいボルダー。
おそらく体感グレードはV9~10くらいだと思うが、自分が疲れ切っているのもあったのか繋げきれなかった。
これも夜中にその場で集まったクライマーとセッションしたり、妻のむっちゃんに帰国の前日に付いてきてもらったりした思い出の課題。
もう一度タホにいったらしっかり登り切りたい。

<Wolf Packは狼の群れであり、ネバダ大学リノ校のスポーツチーム名でもある>

 

自身の成果や記録:インドア

<インドアインスタ>

行ったジム

自分が滞在したリノにはボルダージムが3つあるが、The BLOCKというジムがアメリカ基準では狭いがアットホームかつトレーニングボードが充実していてここをホームジムにした。
しかも24時間いつでも自由に使える。

オーナーのMattをはじめとして岩を中心にクライミングにひたむきで、それでいて僕がいくたびにみんな話しかけてくれて最高の居心地であった。

The BLOCKに行くためだけにリノに戻ってもいいくらいだ。

<The BLOCK>

あと妻がデイビスというカリフォルニアの町に滞在していたので、そこのThe STACKというジムにも1度行った。
オーナーはカルロ・トラベルシ。
このジムも広さはそこまでないけれど課題が今風のセットも多く、ビギナークライマーがどちらかというと多い印象。
久々にちょっとボルダリングを感じることができて楽しかった。

<The STACK>

トレーニングボードの成果

日本にいるときはいわゆるトレーニングボード(システムボード?なんて言えばいいんだ?)は触ったことがなかったが、The BLOCKにはTension Board、Kilter Board、Moon Board 2016が完備してあったため自分なりにかなり取り組んだ。

岩中心になるときなどは触れない期間もあったが、3つのボードでなるべくグレードを上げていこうと登り込んだ。
40度(130度)の傾斜で登ることがほとんどだったように思う。
結局
Tension: V10が2本
Kilter: V11が2本
Moon 2016: V9が2本
くらいまでしか登れなかったがまぁ今の実力的にはこんなものだろう。
KilterのV12やMoonのV10は頑張れば登れるものもありそうだったが、Tensionは僕としてはV11から結構世界が変わる印象を受けて、Instaなどで強クライマーたちがV13などを登っている動画を見ると次元の違いを感じる。
そのように他のクライマーたちと世界を超えて課題を共有できるのもトレーニングボードの魅力だ。

好みとしてはTensionが一番ホールドや課題のバランスが良い感じで好きだ。
Kilterはそもそもガバ多めだがダイナミックな動きをするのに良くて、Moonは岩に向けて指先を作りたいならおすすめ。
日本でもトレーニングボードを導入しているジムが増えていそうな印象を受けるので、今度どこかに触りに行こうかな。

最後に一応自分のログを載せておく。参考までに。

<Tension Board>

<Kilter Board>

<Moon Board 2016>

おわりに

長くなったが旅のボルダー記録はこんな感じ。
医学部4年生は秋にCBTとOSCEという大きい試験があるし、先述した通り肩が痛いのでちょっと直近では登り込みはできなさそう。
でもまだ強くなれるしなりたい。
しばしの休息の後、再始動するぜ。