中国陽朔クライミングトリップ~喧噪の観光編~
中国陽朔(ようさく、Yang Shuo)クライミングトリップの記事の続き。
クライミングのことは前回書いたので今回は観光というか6日間中国にいて素朴に感じたことを書きます。
<前回記事>
陽朔はどんな街か
概要
陽朔は中国南部の桂林市にある県です。
調べたところ面積は1,482km2なので、これは日本で最小の都道府県である香川県(1,877km2)よりも小さいということになります。
人口も31万人であり、これも日本で最少の都道府県である鳥取県(56万人)よりも少ないです。
つまり結構小さい田舎街ということになりますね。
しかし、朝こそ街中に人は少ないものの夜の19時くらいからは、、、人人人!!
イメージとしては誇張抜きに渋谷、新宿、原宿の竹下通りかってくらい多いです。
地元の人もそうでない人もほぼ中国人が多かったように思えるので、推測も入りますが中国の他の都市から多大な観光客が訪れているということだと思います。
日本人はほぼいなくて大体「コリアン?」と聞かれました。
タワーカルストが作り出す景観
でみんな何を観光しに来ているのかと言うと、おそらくこのタワーみたいな岩や山が作り出すドラゴンボールのような景観です。
この岩頭はタワーカルストといって、石灰岩質の地形が水に浸食されて残った部分なのです。
つまりは元々はこれらの岩頭を繋ぐくらいの標高まで石灰岩質の大地があったということなのでしょうかね。
で僕らクライマーはこのタワーカルスト自体やそこにできた石灰岩のコルネなどを登って楽しんでいるということです。
(詳細な説明はWikipedia先生に任せます:カルスト地形)
印象・劉三姐
タワーカルスト以外にも田舎の風景や川もきっと観光資源であり、これら自然をバックに地元の人もキャストとして出演する「印象・劉三姐(りゅう・さんじぇ)」という劇も大人気!
友人のすすめで僕らも観に行きましたが、、、こちらも人人人!!
本当にちょっとした野球観戦より多いんじゃないかな。
劇自体はストーリーとか中国語がちょっとわからない部分がありましたが、綺麗で迫力はありました。
細部が雑っぽいのはご愛嬌として、600人のキャストという数の暴力で勢いで押し切っているのが中国らしかったですかね。
中国の物価感
中国の物価感を書いておきますね。
1元16~17円でだいたい計算するとしましょう。
食べ物系
食べ物系は地元のは安くて、グローバル企業のものは日本と変わらない感じ。
ちなみに料理で不味かったものはほぼなくて、地元の料理もとっても美味しかったです。
でもマックやスタバも変わらない美味しさでグローバル企業の強さを再認識しました。
・屋台の肉まん:2元(30円)
・屋台の麻婆豆腐的なやつ:5元(80円)
・缶ビール:8元(130円)
・ラーメン:12元(200円)
・蘭州ラーメン(流行っている上手いラーメン):18元(300円)
・朝マックのセット:25元(400円)
・スタバのコーヒー:28元(450円)
・火鍋を4人で食べて飲んで:250元(4,000円)
<肉まんと牛肉ラーメンで14元>
<屋台の豆腐屋2つで5元>
<蘭州ラーメン18元。うまし>
<ザリガニ>
<トリの丸焼き128元>
<4人で火鍋でも1人1,000円とかコスパ高すぎ。でなんでおれフィッシュ二子玉コンペTなんだよ。笑>
交通機関
タクシーがとにかく安いですね。
たぶんバスとかも安いのだろうけれど後述するタクシーアプリが便利すぎてタクシー連発してしまう。
・タクシーで2,3kmくらい:10元(160円)
・タクシーで桂林の空港から陽朔の街まで行っても:250元とか300元とか(4,000円~5,000円)
・タクシーよりも揺れる屋台タクシーみたいなやつがなぜかタクシーより高くて2,3kmくらい:20元とか30元とか(300円~500円)
・電動バイク1日:50元(800円)
<電動バイク多し>
その他
他はホテルが陽朔の西街の結構中心ぽいところの悪くないところに泊まって、5泊で2人部屋で1,670元(3万円弱)なので高くはないですね。
きっともっと安いところもあるし。
あとはマッサージが40分48元(800円)でした。
注意点・準備すべきこと
それと僕は事前に中国に滞在している友人に教えてもらっていたので非常に助かったのだけれど、事前に準備とか注意することもありますね。
通信環境を整える必要あり
まず、中国のWifiを拾ってもグレートファイアウォールが引かれているのでGoogle検索とかLineとかFacebookとかTwitterとかができません。
(詳細な説明はWikipedia先生に任せます:金盾)
なので僕らはSimフリーの携帯を持っていて(もしくはその旅の間自身のスマホをSimロック解除して)、中国移動香港のデータプリペイドSimを差しました。
<1.5GBのデータプリペイドSim>
ソフトバンクのiPhoneなら購入から100日経っていればネットからでもSimロックを簡単に解除できるので、その後Simカードを差し替えるだけです。
ただ1.5GBを使い切ってしまうと日本のクレジットカードから僕らはなぜかチャージできなかったので不安なら2枚買っていくのが無難かも。
僕は動画とか観ないでかつ機内モードにちょくちょくしていたので6日間1.5GBで足りましたが。
おそらく他にもグレートファイアウォールを突破する方法はあるのだろうけれど、これで問題なく快適にネット環境は整いました。
街がうるさい
とにかく陽朔では中国人は夜の24時までめちゃくちゃ騒がしかったです。
というか街自体がとても騒々しくていたるところでミニコンサート、謎のテクノ爆音、騒ぎ声、過剰な客引きが行われていて、休まるところがありません。
更にホテルもストリートに面していると部屋まで爆音が聞えてきてしまい、友人達はそのせいで寝れないレベルだったそうです。
なのでホテルは街から離れたところにするか、奥まった部屋を取るべきだと思います。
中国語が話せるとGood
ホテルの人などを除いて、基本的にはタクシー運転手も屋台の人もごくごく簡単な英語が話せません。
How muchとかleft/rightとかそのレベルでも通じないと思った方が良いです。
なので中国語が少しでも話せるとかなり心強いかと思います。
友人がある程度話せたので本当に助かりました。
僕は外国の第二外国語が中国語だったのですが、全てが忘却の彼方でした、、、あのテスト前に徹夜でチャイ語やりまくった日々とは。
(というのはちょっと冗談で、簡単な数字とか、日時を表す言葉とか、否定とかはなんとなくわかったので多少は安心できた。多少は)
それと中国語が話せないとボったくられる可能性がもしかすると高まるのかも。
最終日に僕とむっちゃんだけの2人になった途端、タクシーで50元とか屋台で70元とか法外な値段をふっかけられたし。
まぁ別に安いんだけど。
交通がむちゃくちゃ
陽朔の街は夜になると特に交通がむちゃくちゃでなぜか信号は消えるわ車線はほぼ意味ないわで、とても危険です。
もうこんな感じでalwaysスクランブル状態でバイクもびゅんびゅん。
なので街の中を自分でバイクに乗るのは避けるのが無難だと思います。
僕は郊外でバイクに乗る時もクライミングヘルメットをかぶるようにしました。
それと渋滞もひどいので混み過ぎていると途中でタクシーを降ろされます。
便利アプリ
最後に、僕が一番感動した便利なアプリたちのこと。
これらのアプリは仮にグレートファイアウォールが突破できなくても中国のWifiさえ拾えれば使えるという意味でもあると安心です。
事前に友人に言われて入れておいて良かった。
We Chat
まずは時価総額が6,000億ドル近くまで行き、facebookを一時的に抜き世界5位にもなったテンセントのアプリである「We Chat」。
中国語で微信(ウェイシン)。
まぁ基本的な機能はLineなのでメッセージのやり取りも便利なのですが、僕らがお世話になったのは送金・決済機能。
陽朔は観光客が多いこともあるのだろうけれど、スマホの普及とQRコード決済の進み方が半端じゃなくほぼ全店&全員がWe Chatを入れています。
なのでどんな小さな屋台でもWe ChatでQRコードを読めば支払えるし、個人間の送金も手数料がかからず即時にできるので、もし店にQRコードが無くてもその人のWe Chatに直接送金すれば決済完了なのです。
これはホント便利で、旅行中の友人間でもお金の貸し借りのハードルも一気に下がります。
ただ問題なのが日本のクレジットカードからチャージができないことで、支払いに使うには知り合いに送金してもらってチャージしておく必要があります。
それか僕の友人がやっていたのは現金でお店の支払いとか、デポジットをして、お釣りやデポジットの返金をWe Chatでしてもらうことでチャージするという方法。
とにかくQRコードの普及率の高さと実際に使ってみた便利さ、またそれがあまりにも中国人の生活に密着している様子に驚かされましたね。
ただし逆に言うとクレジットカードはほぼ使えないと思った方が良いです。
DiDi
次はこの旅でこれがなければマジで困ったであろうタクシー配車アプリ「DiDi」。
アプリを作った滴滴出行(ディディチューシン)は中国の3大ネット企業であるアリババ、テンセント、百度全てから投資を受けているほどの注目ベンチャー。
こちらも(僕は使ったことないですが)ウーバーだと思ってOKですね。
現在地と目的地を入れればタクシーや個人タクシーで近いところにいる車が来てくれます。
値段も明瞭ですし、地図上にその時利用できるタクシーが分かり易く表示されたり、目的地までの道のりが瞬時に出たりと、ビジュアルがとにかくわかりやすい。
しかも日本のクレジットカードで登録できるので、電波とスマホさえあれば言葉を話せなくてもタクシーが簡単に利用できるという安心感があります。
百度Map
こちらも時価総額が1,000億ドル近くまでいった中国の検索エンジン企業である百度(バイドゥ)の地図アプリ。
グレートファイアウォールを越えればGoogle Mapは使えるのですが精度がおそらく百度Mapの方が上ですね。
道を見たり、DiDiに入れる目的地の中国語を調べたりするのに使えます。
ふーなんだか思いつくままに書きまくったら長くなってしまった。
でも久々に異文化に触れた感じで旅行を楽しめました。
「クライミング」×「旅行」というのはやはりたまらんなぁ。
色んな場所に行って、色んな岩を登りたいな。
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