Now Climbing ! ヨセミテツアー2019 Day26〜32
Freeriderを登り切り、El Capitanの頂上に立つことができました。
何度もテンションが入り、全てのピッチをフリーで登ることにはまだまだ遠かったですが、それでも2人で立てた目標に対して大きな一歩を踏み出すことができたと思っています。
自分の10年以上のクライミング歴の中ではもちろんのこと、人生でも最も印象に残った1週間となりました。
<Day1~6>
<Day7~12>
<Day13~18>
<Day19~25>
Day26 (11/12)
明日からの長期戦に向けてレスト&栄養補給。
Yosemite Valley Lodgeのレストランでフレンチトーストとティラミスを食べるなどとにかく爆食いした。
アメリカの食事を感じまくった。
Day27 (11/13)
実質的なFreerider(フリーライダー、29ピッチ、5.13a)のday1。
まず僕らの登攀スタイルの前提や注釈を書いておく。
・本来フリーライダーを登るということは、当然1ピッチ目から繋げるのが望ましいスタイル。
ただ今回は初のビッグウォールであるので、頂上まで抜けることが第1目標。
そのため事前にハートレッジまでの9ピッチであるFreeblastを登り(内2ピッチはレッドポイントできず)、Go upの日はパブリックフィックスロープを使ってハートレッジまで上がり10ピッチ目途中からスタートすることした
・荷上げに不安要素があることもあり、リードはフリーで登ることにチャレンジするがフォローはユマーリングするスタイルを選んだ
・ピッチやグレードの表記は『Rock Climbing Yosemite Valley』(いわゆる、虹トポ)にちなんだが、ロープの流れなどから途中のアンカーで区切ったりまたは逆に繋げたピッチも存在する。
またトポではサラテのピッチ数ベースでの表記になっているので最後が30ピッチ目となっているが、実際にはフリーライダーは29ピッチ(26ピッチ目が存在しない。さらにTeflon Cornerを選べば28ピッチとなる)
この日はパブリックフィックスと事前の自分たちのフィックスロープをユマールし、10P目の途中まで。
10P目の後半はむっちゃんが担当。
グレードは4thが付いているがロープは絶対に出すべきだし4thではない。
・P11 (5.11dダウンクライム→Hollow Flake 5.9 R) リード:み
フリーライダーのハイライトの1つであるHollow Flake(ホローフレーク)のピッチ。
ダウンクライムが核心であるが、最後の15~20mほどは完全にノープロテクション状態となる。
出だしから少し苦戦しつつもなんとかこのピッチの最初で最後になる1ピン目のボルトにヌンチャクをかけ、美しいクラックをダウンクライムしていく。
指が入らなくなる細さの核心では落ちるかと思ったがまだ体力が残っているので気合で押し切れた。
途中で何か所かフレークへ渡れそうになるが、増本さんから事前に”相当降りてからトラバースする”という情報を聞いていたので我慢してだいぶ下降してからフレークへ。
ホローフレーク自体は予想より悪いワイドで焦り怖くなったが、本気モードに切り替えて突破。
しっかり5.9があるワイドであったと思う。
<ホローフレークに入る自分>
・P12(5.7チムニー→5.10a) リード:む
この日はホローフレークの上のテラスで寝る予定だが、今日の内に上のピッチを登りフィックスを張り明朝すみやかに荷上げを開始する作戦。
12P目はむっちゃんが担当。
これも本当に5.7に収まっているのか怪しいいかにも怖そうな5.7チムニーを突破し、5.10aも躊躇した1歩はあったものの確実にオンサイト。
就寝予定のテラスも思った以上に快適でウォールライフの1晩目を過ごす。
夜中の2時頃に後続パーティーに起こされ道を空けるなどしたが、ビッグウォールの醍醐味だと思ってそれも含めて楽しんだ。
<5.7チムニーを抜け出し、コアラのように岩に張り付くむっちゃん>
Day28 (11/14)
ウォールライフday2。
昨日ロープを伸ばした12P目の終了点まで荷上げ。
予定ではここから一気にP13,14を繋げようと思っていたが、実はそもそもP12の終了点は一段上であったのと、結局ロープの流れが心配になりP13とP14も区切って登ることになった。
・P13 (5.10c) リード:み
細いクラックからフィストっぽいサイズまで出てくる良いピッチ。
グレード通りに感じた。
・P14 (5.10d→The Ear 5.7チムニー) リード:み
出だしのコーナークラックは短いが綺麗。
そしてその抜け口は左への出方がわからず2,3回行ったり戻ったり。
意を決して突っ込みなんとか抜けきったが相当にやばかった。
The Earはその名の通り耳の形。
精神面も含めると5.7よりも難しく感じた。
ここも増本さんに事前にワンポイントアドバイスをもらっていたので奥に行き過ぎないという方針が固まっていたが、全く情報が無かったらもっと焦っただろう。
・P15 (5.11dダウンクライム→Monster Offwidth 5.11a) リード:み
いよいよご対面の30~40mほどワイドが続くMonster Offwidth(モンスターオフィズス)。
フリーライダーの前半戦の勝負所。
出だしはホローフレークに続きまたまた5.11dのダウンクライムで、ここは荷上げの時に先行パーティーが何度も大フォールして振られているのを下から見ていた。
ここはかなりパワフルで最後のオフィズスに入る2手が上手く出せずに消耗を強いられた。
結局パワーでねじ伏せたが、ボルダーグレードで3級くらあっても良い強度。
そしてモンスターオフィズス。
何か所かレストできるのと、パートパートに分ければ日本のワイドグレーディング的には5.10aが連続してたまに5.10bが出るという程度だと思うがとにかく気が遠くなるほどに長い。
中盤から身体もつり始め最後にいくに連れて気合がいる広さになるので体力は限界に近かったが、強く心を保ってなんとかオンサイトできた。
自身でも会心の登りができ満足。
<モンスターオフィズスに食べられている自分>
・P16 (5.10a→5.7) リード:む
The Alcoveまでつながる5.10aは短いけれど悪そうなオフィズスで、むっちゃんはうめきながらもなんとかオンサイト。
すぐ上のEl Cap Spire(エルキャプスパイヤー)までいくことがこの日の目標であったが、エルキャプスパイヤーには先行パーティーがいたので焦らずAlcoveで今日は寝ることに。
あらかじめ1日分の予備日を設定していてよかった。
後半の5.7を登りロープだけエルキャプスパイヤーに伸ばし、2日目のウォールライフ終了。
ここまでの感想は
・4P目(5.11b/c)、5P目(5.11a)、10P目(5.11c)など難しいスラブに対処し続ける技術が必要
・ワイドやチムニーが登場するピッチが7つもあり、ワイドを自然にこなせると楽になる
・純粋なジャミング技術が必要なクラックはそれほどない
というものであった。
が、3点目の感想が間違いであったことが後半戦で思い知らされる。
Day29 (11/15)
ウォールライフday3。
予備日を使ったためこの日はすぐ上のエルキャプスパイヤーで寝るだけなのでだいぶ余裕はある。
なのでフリーライダーの核心である20P目のThe Boulder Problem(ボルダープロブレム 5.13a)を練習しに上がり、明日レッドポイントを狙う作戦に。
・P17 (5.10d) リード:む、み
左に5.11cのタイトハンド、右に5.10dのフレークがありどちらか選べるピッチで人によって簡単に感じる方は異なるようだ。
むっちゃんは迷っていたが5.10dフレークを選ぶ。
しかし出だしから難しいワイドでありテンション。
続いて中間部のランナウトを強いられる箇所も突破できず、一旦降りてくる。
手間だったのでカムとロープは引き抜かずそのまま僕とリードを交代。
出だしのワイド、レイバック、5.11cと合流してのフィンガー、そして最後にもダメ押しのワイドと目白押しでかなり充実したピッチであったがそのまま登り切ることができた。
<5.11cの方のタイトハンドクラック。これもやってみたい>
・P18 (5.10d) リード:む
Astromanを彷彿とさせる綺麗なコーナークラックから始まる。
前のピッチで落ち込んでいるかと思ったが、ここもむっちゃんがリードを申し出た。
この手のタイトハンドクラック系は会得しているようで、それほど時間もかけずに確実に登っていきオンサイト。
これでだいぶ時間に余裕が生まれた。
<素晴らしいコーナークラック>
・P19 (5.12a) リード:み
ここから左がTeflon Corner(5.12d)という象徴的なツルツル凹角のピッチなのだが、自分の特性から考えて右のバリエーションである5.12aとボルダープロブレム(5.13a)を選ぶ方が良いと判断。
5.12aはフィンガークラックの途中から右に巻くのが賢明という話を聞いていたので、プアプロでのランナウトが少し怖かったが足を信じて冷静に処理できた。
・P20 (The Boulder Problem 5.13a) リード:み
グレード的にはフリーライダーの中で最大の核心であるピッチ。
ボルト4本と短く、ボルダーグレードでV8(初二段)とも言われている。
ファーストトライは足が震えながらも全力で1本目のボルトのあとの立ち上がりをこなし、2本目のクリップをしたのだがすごくつまらない箇所でバランスを崩して落ちてしまった、、、。
そのまま進んでみるもまず3本目のクリップが悪く、クリップ後に再びテンション。
そしてここから一連の5,6手の後にかの有名な”karate kick”でガバを取って実質終了なのだが、ここに悪さが集約されている。
全然karate kickにならなかったが、なんとなくムーブを作ってこの日はいったん上に抜けた。
印象としてはハンドホールドのクリンプが悪いというよりは、足が悪くてバランスがとても難しい。
<ボルダープロブレム>
ボルダープロブレムの取り付きからエルキャプスパイヤーまで80mロープをフィックスして下降して就寝。
<エルキャプスパイヤー 広々としている>
Day30 (11/16)
ウォールライフday4。
早起きして朝一でボルダープロブレムに再トライ。
手がかじかむくらい岩のコンディションは良かったが、3本目のボルトの箇所でまたもテンション。
左サイドを取る1手がまず難しい。
2便目でもほぼ同じ箇所で落ちてしまうが、クリップの方法と左サイドを取った後の足運びが固まり全てのムーブは一応できた。
しかしもうその後は太陽が当たり始めてしまい、指皮も身体のコンディションもキツかったためここで諦めることにした。
Heavenに続き自分にとって登れるはずのルートなのに、身体と心が付いてこないもどかしさが残ったが仕方ない。
来年またチャレンジしよう。
・P21 (The Sewer 5.10c→5.10a) リード:む
このピッチは僕はユマールしかしていないが特徴的なルーフコーナークラック。
流水溝っぽくなってたからSewerは下水道/下水管という意味なのかな?
むっちゃんは5.10cを突破し、ロープの流れを考えて途中のアンカーでピッチを区切る。
しかし続く5.10aの最後の最後のリップ取りが悪く思わずテンション。
お互いに疲れも溜まってきているし、ここも再トライはせずに今日の宿泊地であるThe Block(ブロック)に上がった。
・P22 (5.7→5.10c→5.10b) リード:み
明日が長い一日になりそうなので今日の内に少しでもロープを伸ばしておきたい。
しかし時間が少し迫っていることに焦った僕はトポをよく見なかったために、本来のルートよりも右へ登る失態を犯す。(後からトポを見たがBermuda Dunesに合流するルート?)
その分岐点のムーブが明らかに悪くどう考えても5.10cに収まっていなかったのだが、”エルキャプのグレード感ならこれくらい悪いこともあり得る!”などと思ってしまいしばらく気付かずに進んでしまう。
しかも途中に残置のナッツやスリングがあったためどんどん進むが一向に終了点が見えないためそこでむっちゃんの助けも得つつ自分の間違いにようやく気づき、残置物を利用して一度取り付き付近まで戻ることに。
今度は落ち着いて5.10cのloose flakesを発見しきちんと正規の終了点まで。
この時点で16時くらいでまだ時間はあったのだが次のピッチは万全で臨みたかったため、ロープを伸ばすのはここまでにしてブロックへ戻り寝ることとした。
ブロック自体が斜めになっているのと、下から来た3人パーティーもブロックに泊まったため非常に混雑してしまいあまり上手く眠れず。
むっちゃんは一つ上のテラスで寝た。
<ブロックのテラス。斜めで居心地は良くない>
Day31 (11/17)
登りは最後の日となるday5。
奇しくも僕の33回目の誕生日。
フィックスを登っていき、23P目からスタートした。
この日はむっちゃんは体調的にリードが難しく、残り7ピッチは全て僕がリード。
・P23 (Enduro Corner 5.11c→5.12b)
ボルダープロブレムと並んでグレード的な核心であるEnduro Corner(エンデューロコーナー)、5.11cと5.12bで区切って登ることが一般的だが繋げると5.12d。
ちなみに平山ユージさんはレッジトゥレッジにこだわり、この後の5.12a/bまで繋げて登ったというのだから驚異的と言う他ない。
段を上がると少しうねりながら綺麗に伸びるクラックが見え、エルキャプの上部でここまで素晴らしいピッチに出会える奇跡に驚く。
疲れた体に喝を入れトライ開始。
序盤は快適。
しかし次第に細くなるクラックに対応し切れず、指はどんどんと吐き出されフォールしてしまう。
落ちてからよく観察すると意外と両側面の足が使えることに気づき、真っ向勝負のジャミング登りではなくステミングやレイバックを交える方が得策だったかと後悔。
そして一度落ちてしまうとアドレナリンが切れ心が折れてしまい、そこからは5.12bの終了点までテンションの嵐。
今日の内にトップアウトする必要に迫られていたのでエイドでも何でもいいから抜けきった。
今回のフリーライダートライの中で自分が最も不甲斐なかったピッチであり、かつほぼムーブが解明できず次に来ても登れる自信はかなり少ない。
<エンデューロコーナー。上部がサラテヘッドウォール>
・P24 (5.12a/b)
The Round Tableまでのトラバースピッチ。
ほぼ水平かつ壁を巻いてトラバースしていくため怖く、メンタルも問われる。
残置がいくつかあるのでそれを利用してクリップしていく。
序盤は手が良いが最後の凹角を入り込むと途端にホールドが細かくなり、かつ足のプレッシャーも上がる。
なんとか最終残置にクリップし、左に見えるフレークを取ろうとするが心が負けてしまい無念のテンション。
自分のクライミング的な弱さが出たピッチとなった。
またロープワークでも大苦戦。
荷上げ用のロープが大きな岩角というかルーフに引っかかってしまい、マイトラを引くことも緩めることもできない&ホールバッグも固定から外せない状況に。
メインロープをトラバースし僕が一度スタートまで戻りホールバッグを2人で解除。
その後メインロープもその岩角に引っかかるトラブルもあったがここもむっちゃんが冷静に対処。
思わぬトラブル2連発で時間を大きくロスしたが、安全に2人の力と知識を合わせて解決できて一安心。
・P25 (5.11d→5.10d)
これもまた素晴らしい5.11dのコーナーハンドクラックから始まるピッチ。
その後も3番~4番サイズのワイドハンド、楽しいチムニールーフクラック、ダメ押しの5.10dのダブルフィンガーと盛りだくさん。
これが地上にあったら4つ★が付くルートだろう。
今日ここまでレッドポイントできていないので悪い流れを断ち切りたく、本当に身体の底から力を使ってなんとかオンサイトできた。
<Round Tableから25ピッチ目を見上げる>
・P26,27 (5.11d→5.10d オフィズス)
ボルダリーなフィンガークラックの5.11dから、Scott Burkeとも呼ばれる5.10dのオフィズス、そして4番サイズチムニーの小部屋を通り抜けていく、ここも長い長いピッチ。
前のピッチで力を使い果たしていたのか、5.11dパートで一度フォールするともう後のオフィズスを登り切る気力も体力も全く残っていなかった。
エイド交じりで上がったため正確な判断はできないが、このオフィズスもとても長くモンスターオフィズス並みの気合で臨まないとおそらく登り切れないだろう。
最終日のここまでその力を残せるか、、、。
<5.11dのフィンガー>
・P28 (5.10d)
残り3ピッチでかつもう5.11台以上は登場しないため精神的には少しほっとする。
最初のボルダーチックなフィンガークラックを上に乗り越えると、そこから上にもフィンガークラックがさらにスーッと伸びる。
ここに来てまだこんな綺麗なクラックが続くのか。
どうなってるんだよエルキャプは。
レイバック主体で上がっていき最後は気力のみの踏ん張りでオンサイトしたが、本当に何度もテンションしそうになった。
普通に悪く、しっかり5.10dある。
<これもシングルピッチであったら人気になる5.10d>
・P29 (5.10d→5.9チムニー)
もうここからはヘッデンを出して落ち着いてゆっくり登る。
スタートのルーフから出るところにたぶん5.10dが付いているがここはフェイスっぽい登りで突破。
さぁそして最後の難関である誰もが口々に”絶対に5.9ではない”と言うチムニー。
チムニーの形状を見て身体を刺す方向を決めて入り込んでいく。
すると途中から絶妙な狭さになりなんとヘルメットを脱いでも自分の頭が通らないサイズに!(僕の頭がでかいだけか?)
チムニーの中を自分の頭を通す迷路ゲームみたいになる。
なんとか一旦外に這い出るが、そこから続くワイドはさながら瑞牆の「不動の拳」のようで難しすぎて全く上がれる気がしない。(不動の拳やったことないけど)
ありえないだろ、ここにきてこんなレベルのワイドなのか、、、と諦めかけたその時、このチムニーを突破する手がかりとなるホールドをまさかのところに発見するが時既に遅く体力は限界に。
思わずテンションをかけてしまい、5.9のオンサイトならず。
このピッチを情報なしでやりたい人がいるかもしれないことを考えて深くは書かないでおこうかな。
さらにチムニーの奥に決めたカムをむっちゃんがユマールで回収できず、僕がもう1度懸垂下降。
2人とも心身ボロボロだがゴールが目前に来ていることだけを心の拠り所にして作業を進める。
・P30 (5.6)
本当の最後の最後。
ここでもきちんと良いクラックが続いている。
ハンドクラックの練習にうってつけ。
どれだけ登りごたえがあるんだ。
落ちない難易度だけれど慎重に登って頂上へ。
やり切った。
かつてないくらい身体はボロボロ。
でも登り切った。
フリーで登れていないピッチもあるし、エンデューロコーナーではなりふり構わずテンションも連発したがそれでもとにかく上まで辿り着いた。
むっちゃんも最後は万全でなく悔しさも残ったと思うけれど2人の力がなければここまでこれなかったし、僕らがこれまで人生でやり遂げたことの中で一番大がかりだったことかもしれない。
何よりフリーライダーはその全体スケールの雄大さだけでなく、1つ1つのピッチを細かく見ていっても奇跡的すぎるほどに素晴らしい内容を持つルートであったことに驚いた。
人生をかけてチャレンジしたいとより一層強く心に決めた。
荷物もその辺にほっぽり出したまま、ラーメンとソーセージを食べ、満点の星空を見上げたまま2人で並んで眠りに着いた。
最高のバースデイ。
Day32 (11/18)
下山日となるday6。
朝頂上付近で散歩した後、ゆっくりと下山。
本来は1.5~3時間で下山できるらしいが僕らは4.5時間かかった。
荷物がかなり重く下山も非常に疲れたが、疲れも吹っ飛ぶほどに心が達成感と充実感で満たされていた。
そのままフレズノまで車で下山してしばらく身体を休める。
<El Capitanの頂上にて>
目標を明確に言葉に表す
年始にこんなブログを書き、
・Freeriderを極力フリーで上まで抜ける
・Astromanを全ピッチレッドポイントする
と今年の目標を明確に表明した。
そのために逆算してやるべきことをリストアップし、できないことも多くあったが、常にこのヨセミテツアーを念頭において1年間過ごしてきた。
これまでの人生あまり強烈な目標というものを見据えてこなかったが、今年に限ってはあえて目標を明確に言葉に落とし込んだことが良かったと感じる。
夫婦2人で目標に向かいたくさんの困難もあったけれど、最後には楽しんで邁進できたことが一番。
来年の目標はもちろん「フリーライダーのオールフリー」だ。
Freerider オールフリーへの道
既にとても長い記事になっているので手短に。
今回ひとまずフリーライダーをなんとか頂上へ抜け目標を達成したわけだが、それはあくまで第一歩を踏み出したに過ぎない。
最終的には全ピッチを少なくともチームフリー(どちらかがフリーで登る)かつ、1ピッチ目からのワンプッシュで登り切りたい。
今回僕が登れなかったピッチは以下の7つ。
・4P目スラブ (5.11b/c)
・5P目スラブ (5.11a)
・20P目ボルダープロブレム (5.13a)
・23P目エンデューロコーナー (5.11c→5.12b)
・24P目トラバース (5.12a/b)
・26,27P目 フィンガー→オフィズス (5.11d→5.10d)
・29p目のチムニー (5.9)
この中で、最も不安要素が高くかつ次に来てもレッドポイントできる目途が立っていないのはエンデューロコーナーだ。
おそらくこのピッチのために練習に一度来る必要がある。
また疲れた体でボルダープロブレムや最後の5.10dオフィズスを確実に登り切れる底力と折れない心を身に付けていくことも必要だろう。
ここからどうやって来年に繋げていこうか。
楽しみだ。
<Day33~41>
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