「強くなってから挑戦します」という敗者のメンタリティ

「強くなってから挑戦します」という敗者のメンタリティ

あらゆる物事に取り組む際に、大切だと思っていることがある。
それは上手くなってから、強くなってから、勉強してから、十分に準備してから、挑戦するのではなく、
まず挑戦をしなければいつまで経っても上手くならないし、強くならないし、成績は出ないということだ。

日頃の自分のダメな例を振り返ってみる。

ジムで登っている時に、自分より明らかに強い人達がそばでセッションを始めることがある。
そんな時、「自分にはこの課題はまだ早いな。もっと強くなってから触ってみよう」などと思いセッションに加わらず、後から課題を触りもしないことがよくある。

外岩でいつかは落としてみたいと憧れている課題がある。
そんな時、「もっと保持力が付いてから取り組んでみよう」と考えその岩やラインすら実際に見に行かないこともある。

他にも周りを見ればいくらでも例はある。

「強くなってからコンペに出ます」
「いつか上手くなったら外岩行ってみたいです」
「筋トレしてからまた登りに来ます」
etc…

そう、全てが逆なんだ。
強くなってから難しい課題を触るんじゃない、難しい課題を触るから強くなるんだ。
強くなってからコンペに出るんじゃない、コンペに出るから強くなるんだ。

臆病な自尊心と尊大な羞恥心が邪魔をして一歩を踏み出さないことが、どれだけマイナスに働いているか。

実戦に勝る練習はない。
また強制的にやらざるを得ない状況を作り出すことで自らを追い込むことができるとも考えられる。
更には挑戦することで目標との距離感が明確になり、日頃の練習がより意味を持つものになる。
「段階を追って」などという考えは基本的には非効率で無意味だ。

クライミングに限っただけの話じゃない。
例えば資格試験等においても、敗者のメンタリティを持っている人は、試験日を先に決めたり過去問を解いたり模試を受けたりすることをしない。
勝者のメンタリティを持つ人はまずは試験に申し込んで試験日を決めてしまい、その上で逆算してスケジュールを組む。

敗者はいつまでも先延ばしをしてしまい、その多くが永遠に挑戦することはない。

僕らはそんな敗者のメンタリティから抜け出さなくてはならない。