初めて名張でクライミング クラックに存分にいわされる

初めて名張でクライミング クラックに存分にいわされる

2019年の3月6日(水)~9日(土)で4日間名張でクラックを楽しんできました。
名張の洗礼を受けほぼ何もさせてもらえなかったので、自分のクライミングが楽しめたのかは怪しいですが。
いわゆるクラックを”いわそう”と思ったら、逆に”いわされた”というやつです。
初めての名張だったので、備忘録的に色々感想など書いておきます。

<屏風岩>

 
 


名張とは

名張は三重県の香落渓(こうちだに、かおちだに)にある岩場で、関西のクライマーにとってクラックの聖地のような場所です。
トポは現在正式に公開されているかはわかりませんが、「MCの岩場」エリアに関しては『日本100岩場④ 東海・関西』や「岩と雪118」などに載っています。
現在メインで登られている「屏風岩」「第一岩壁/奥壁」「サニーサイド」エリアに関しても、ネット上で十分に情報収集できるのと、あとは行けば課題はわかります。
注意点としては
・時期によっては渡渉が必要なのでウェーダーがあると良い
・40mスケールの課題が多いので、80mロープ必須
・ヘルメット着用を強く推奨
などでしょうか。

<ウェーダー>

<日本100岩場④ 東海・関西>

 
 

名張の特徴

岩質・節理

名張の岩質は「溶結凝灰岩」であり、火山の噴出物が地上に降下し固まったものです。
なので岩は柔らかく、表面がすべすべしています。
ただし同じ凝灰岩でも塩原や恵那とはだいぶ雰囲気が違い、どちらかというと安山岩やヨセミテのような磨かれた花崗岩に近い印象を受けました。
一番の特徴は見事な柱状節理であり、至る所にスパッとクラックが走っています。

<美しい柱状節理>


<前に書いた岩質ブログ>

 

求められるテクニック・グレード

名張は岩がすべっとしている上に、クラックが非常に長く、またクラックを純粋に使わないと登れないルートが多いです。
城ヶ崎などの安山岩はクラック以外に顕著なホールドが出現することもあるし、花崗岩の場合はフリクションが高いのでホールドが一見ないところでもスメアリングを利かせることができたりするのでクラック以外に逃げられることも多いです。
しかし名張ではとにかくフィンガーからワイドまで正確無比なクラック技術と持久力が求められるでしょう。
特に僕にとってはこれでもかと連続するフットジャムがきつかったです。

名張でクライミングを追求しているクライマーをナバラーと呼ぶこともあり、彼らは高いジャミング技術を持っています。
故にグレードはガラパゴス化(グレードがローカルの中で発達している様。たった今僕が作った造語。笑)していることは否めず、僕には少し辛く感じました。

 
 

取り付いたルート

今回は屏風岩岳で登りました。
初日と2日目で雨が降ってしまったのと、「いかさま師」(5.12b)にこだわってトライしたため多くは触れなかったですが、どのルートも本当に3つ★、4つ★!

マシュマロマン、Crack Baby、Surf Rider

「マシュマロマン」(5.10a)
僕の名張初ルート。
4番のフィストサイズが続く素晴らしいクラック。
更に25mと長さも十分で、今まで触った5.10aでも最凶かもしれない。
ヨセミテの代表的な5.10aである「Moby Dick」より辛い。


「Crack Baby」(5.7)
写真の左のクラックであり、名張で最も簡単なルート。
ハンドジャムの練習のために創られたかのようなクラックで、初心者の練習に最適でしょう。

「Surf Rider」(5.10c)
写真の右から2番目のクラックで、綺麗な凹角にフィンガーサイズ。
途中もステミング的で面白く、最後の真っ向勝負フィンガージャムがたまらない。
なんとかオンサイト。
城ヶ崎の「スーパーシリアスジャム」(元々5.10cで現在5.11aと言われている)と同じか、もしかするとそれより悪いかも。

<Crack babyとSurf Rider>

いかさま師

いかさま師はあまりに綺麗なクラックであり、更にルートスケール40m。
仮にヨセミテにあっても間違いなく大人気クラックになるでしょう。
元々「勝負師」という名前でしたが、チッピングがあったため「いかさま師」となった?
(ちょっとこのあたりの詳しい経緯は曖昧です。
チッピングされたいかさま師は別ルートで、今登られているのは勝負師だという話も聞きますし。
とは言え左に渡る箇所の水平クラックなどはチッピングのようですが。
しかしチッピングがされた昔は今とクライミング文化背景も違いますし、全く色あせない名ルートです)

<ハングを越えて、20mは続いているフィンガー~ハンドクラックを登る>


今回のツアーはいかさま師を登ることが一番の目的でしたが、4日間で5トライするも登れず。
後半2日間はほぼクラックも乾いていてベストコンディションでトライさせてもらいましたが、結局0.5サイズのパートでフォールしました。
完全に力負けしたのと、やはりこの手のオフフィンガー~タイトなシンハンドが僕の苦手なサイズだと認識させてもらえて勉強になりました。
0.4サイズまでならフィンガージャムを使えて、0.75の大き目ならシンハンドが使えるのですが、サムカムなどが全く出来ないし更にフットジャムも下手くそ過ぎた。
このシーズンは城ヶ崎などで成果を出して天狗になっていたので、その鼻をへし折ってもらえて本当に良い経験です。
それと、ヨセミテで跳ね返された「テイルズオブパワー」と傾斜は違えど、サイズは真っ向勝負の雰囲気が似ているので、「まさにこういうクラックを求めていたんだ!」と闘志が沸いてきました。
いかさま師は必ず克服せねばならない。

近々また登りに行きます。
ではでは!