『Rock & Snow 083』の宣伝&見どころ
少し日が経ってしまいましたが2019年3月6日に『Rock&Snow 083』が発売されました。
僕が気になったみどころを紹介し、定期連載の「僕らは考える石ころである」と第14回ボルダリングジャパンカップ(BJC)2019のレポートを書かせていただいたのでその告知もします。
Rock & Snow 083のみどころ
僕が面白いと思ったり印象に残った記事を紹介します。
倉上慶大インタビュー
昨秋にヨセミテエルキャピタンのThe Nose(5.14a, 31ピッチ)をロープソロでワンプッシュオールフリーで登った倉上慶大さんのインタビュー。
ワーキングの方法、5日間でのワンプッシュの日程、ソロシステムのやり方などが載っていて読み応えありです。
その中でサラっとジャーディントラバース5.12aをフリーソロしたとか出てくるので驚き。
僕が最も興味深かったのはグレートルーフ(5.13d)とチェンジングコーナー(5.14a)の詳細のみならず、体感での段級グレードへの換算を述べている箇所。
チェンジングコーナーは四段の難しめのハイボール、グレートルーフは長いフィンガークラックの後に最後の核心は二段か三段だけれど持久力も問われるそうです。
倉上さんとしてはソロシステムを用いていることもあり、トラバースを含むグレートルーフの方が悪く感じたとのこと。
ボルダーをバックボーンに持つ倉上さんらしい書きぶりで、読み手にイメージが沸きますね。
最新!中国の岩場案内
郭亮(Guoliang)、白河(Baihe)、黎明(Liming)、可可托海(Keketuohai)、陽朔(Yangshuo)、など中国の岩場が色々紹介されていますが、やはり中国のポテンシャルはすごい!
僕も昨夏に陽朔に行ってそのあまりに豊富な岩資源に圧倒されました。
特に黎明は石灰岩ながら高難度トラッドルートまで揃っているエリアで個人的にかなり興味を持ちました。
The Honeycomb Dome(5.13d)などは写真も載っていますが、20mにもなる水平クラックで迫力満点。(岩が赤っぽくて砂岩的だが、本当に石灰岩か?)
中国はコンペも数多く開催しているが、岩場としてもクライミング界の中心になる日が来るかもしれないですね。
セルフケアの羅針盤
鍼灸師の根本さんによる新連載で、初回のテーマはクライマーなら誰しもが悩んだことはあるであろう「痛めやすい指の部位とセルフケア」。
一口に「指を痛めた」と言ってもその症状と対処法は様々であり、クライマーに多く見られる、腱鞘炎、へバーデン結節、太い指の節、手首の損傷、などに分けてイラストを用いて丁寧に述べています。
ある程度正確に細かく生理学、解剖学に則って今後も記事を書いてくれそうな予感がして自分好みな連載ではないかと期待してしまいますね。
追悼 一村文隆
2018年10月にネパール・チャムラン峰で単独遠征中で亡くなった一村さんに縁のある人達が追悼文を書いています。
あの今井健司さんと同じチャムラン。
僕はアルパインクライミングには詳しくないけれど、これを読むことで一村さんの哲学、チャレンジしてきたことが伝わってきます。
自身の記事
僕自身の記事も簡単に紹介します。
僕らは考える石ころである
今回はBJCにおいて高いパフォーマンスを発揮したトップレベルの選手の話から僕が読み取った内容を書いています。
彼らが考えていたことや実践していたことがまさにこの連載で書き続けているテーマにあまりにも合致していたため、感銘を受けて記事にしてしまいました。
例えば土肥圭太選手が自身のトレーニングとして語った「片手でのぶら下がり」はまさに、
①現状の把握
②理想の設定
③差の把握
④差の埋め方の計画
⑤実行
のプロセスに適格に当てはまっていると感じます。
その辺りをまとめてみました。
第14回BJC2019 レポート
そんなBJCの戦いの様子をまとめさせてもらいました。
2ページに渡る超大作となってしまった、、、。
コンペの目白押しですでに1月のBJCは忘れかけている方も多いと思うので、あの白熱の戦いを思い出したい方は読んでみてください。
<ロクスノ083>
しかし、そろそろ「考える石ころ」もマンネリ化している気がしますね。
何か方向性を定めた方が良いのかもしれない。
3ヶ月に1度、かつ紙面だからこそできる何か面白いことがあれば良いのですがね。
ではでは。
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