立甲はクライミングに役立つのか
- 2019.02.16
- 上達方法 科学するクライミング
クライミングを含めてスポーツ界隈では「立甲」というものが時折話題になる。
僕は昔から立甲が自然とできるので、今回は立甲がクライミングに役立った経験を振り返ってみたい。
最近は理論の話が多いので、たまには僕の感覚や経験則だけでブログを書いてみる。
決して毎日ブログのせいで、ネタを練る時間がなかったわけではない。
立甲とは
立甲は身体の構造的にその動作というかポジションが定義できるのだろうけれど、その詳しい説明は専門の本や記事に譲る。
一般的には以下の様に肩甲骨が羽のように突き出る状態を立甲と呼んでいる。
<僕の立甲>
一応動画も撮ってみた。
左右補助なしでやってみたり、補助として壁や手を押してみたり、最後は立甲ではないけれど横リーチを伸ばすような動作をしてみたり。
立甲のやり方・コツ
立甲ができると必ず聞かれるのが「どうやってやるんですか?」という質問なのだが、これに答えるのが本当に難しい。
というのも僕は物心ついた小学生くらいから立甲ができた。
天使の羽とか自分で呼んで肩甲骨を遊びで突き出していた。
そしてこの肩甲骨を突き出す感覚を説明するのがなかなか大変なのだが、コツをあえて書くと。
・腕を小指側に外旋させて脇を締めるイメージ
・肩甲骨を出すというより、肩甲骨が固定されて背骨とか背中がへこんで沈み込むイメージ
だろうか。
親指側に内旋させて肩が上がると立甲できないし、できていない人は肩甲骨を動かそう動かそうとして単に肩甲骨を寄せているだけな気がする。
それと立甲に効果的かはわからないが、自分の手で同じ側の肩甲骨を背中の下から親指で触りにいくと肩甲骨が自然と背中から剥がれると思うが、それが立甲の感覚に少し近い。
<こんなの>
まぁこのあたりはたくさん本やブログ記事にもなっていると思うので、きっと訓練すればできるはず。たぶん。
立甲はクライミングに役立たない!?
ではいよいよ本題。
立甲がクライミングの役に立ったことはあるのかに答えると、ぶっちゃけると直接的にはない。
というのもクライミング中に立甲していることは、僕の場合は皆無であると言ってよい。
またよく勘違いされるのが、
・立甲できるから肩回りが柔らかい
・立甲できると肩の怪我をしない
という2つなのだが、これは僕の経験則ではどちらもあまり関係がない気がしている。
まず僕は肩はたぶんそれほど柔らかくない。
十分ストレッチをしてなんとか両手を背中に回して指が触れる程度で、おそらくクライマーの中では普通くらいだろう。
そして僕は長年左右とも肩の怪我に悩まされてきたし、肩を怪我しているときも立甲は普通にできた。
まぁただこのあたりは科学的な検証ではなくあくまで僕の経験則なので鵜呑みにはしないでほしい。
<自分の肩の怪我考察ブログ記事>
とは言え立甲のなんとなくのメリット
とは言え、立甲がなんのメリットもないかというとそうではない。
まず1つ目は立甲ができることによって「横リーチがぐいっと伸びる要因になっている、気がする」という点だ。
動画の最後にもあるが、僕は普通に横に手を広げた後に肩甲骨が少し動いて更に2,3cmくらい手をぐいっと伸ばせる。
これによって身長171cmに対して横リーチは177~178cmくらいは獲得できている。
おそらくこの動作は立甲ができることと少し関係あるように思う。
2つ目は「顔や胸の前くらいの高いマントルを無理矢理返すことに活きている、気がする」という点だ。
岩とか最近のコンペっぽい課題でも、ほぼ足が使えないような状態で顔や胸くらいの高さで一気に腕でマントルを返す、みたいな場面が時折ある。
こういった場合、肩を無理矢理入れてマントル体勢に入ることが多いが、なんとなく肩甲骨が立甲的なポジションになって、うまく動いているような感覚がある。
3つ目は「立甲すると気持ち良い」である。
とにかく立甲は気持ちが良い。
肩甲骨がほぐれるなんとも言えない感覚がある。
このためだけにでも立甲をする価値がある。
というわけでほぼ無根拠な僕の立甲感想文になってしまった。笑
ただ基本的にできて損はないし、なにより気持ちが良いので習得はおすすめだ。
ではまた明日!!!
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