『Rock & Snow 087』の宣伝&見どころ

『Rock & Snow 087』の宣伝&見どころ

先日2020年3月5日、『Rock & Snow 087』が発売されました。
メインの内容としては新公開の岩場に関する情報やトポが盛りだくさんという感じでしょうか。
いつも通り僕が興味を持った記事を紹介するとともに、自分の企画や連載の宣伝をします。

<ロクスノ087>

 
 


デイドリーム、三十数年の時を経てついに初登される

文句なく今回のロクスノでの一番の注目記事で、クライミング界の重要な記録として歴史に刻まれた出来事です。
デイドリームは山梨某所にある強傾斜のフィンガークラックであり、主に故吉田和正氏がプロジェクトとして取り組んでいた有名なルート。(場所は調べれば誰でもわかるので個人的には伏せる意味がないと思うのだけれど、慣習に従います)
そのデイドリームを小峰直城さんがついに今年の2020年1月19日に初登しました。
提唱グレードは5.14bであり、情熱の薔薇と並び日本最難トラッドルートが登られたことになります。

<参考>

小峰さんのこのルートへの想いや、トライ詳細は是非本誌を読んでみてください。
個人的には小峰さんは僕がBLoCなどのボルダーコンペに出始めたときに、一番上のレギュラー男子クラスの決勝常連であり見上げるような強さのクライマーだったことが印象に残っています。
そこからトラッドや更には沢登りなどまでにも活動の幅を広げ、ジャンルにとらわれずクライミングを追求しています。
彼の今回の成果はとても嬉しいし、同時に強烈なモチベーションももらいました。
小峰っち、おめでとう!

 

「生き方の提案」最終回 -南米編-

増本夫妻によるアメリカ大陸縦断ツアー記事の最終回です。
僕もロクスノを紹介するたびに毎回見どころ記事に取り上げていますが、やはり面白い!
読むたびに、自分のクライミングとの向き合い方はこれで良いのか、と考えさせられる内容です。
今回は南米パタゴニアでの過酷な環境の中、仲間の事故や初登したルートの話などがメイン。
最終回にしてこの連載「生き方の提案」をまさに表す言葉が書かれていたので、少し長めに引用させていただきます。

クライミングは極めて個人的な活動である。
一歩を踏み出すとき、一手を止めたとき、ルートを登りきったとき、登りきれず落ちたとき・・・そのときの感情を知るのは当たり前のことだが自分しかいない。
時には誰かのクライミングで歓喜したり、感動したり、嫉妬したりすることもあるだろうが、それは儚いひとときの感情だ。
誰であろうと私のクライミングを本当の意味で共有することはできない。
それはパートナーであっても。
クライミングは岩を介した自分との対話。
他人のクライミングはあなたには関係ない。
大事なのは、あなた自身がどんなクライミングをするかだ。

 
 

あの人のトレーニング「倉上慶大」

このコーナーって前からありましたっけ?
ガメラさんこと菊地さんが有名クライマーのトレーニングについてインタビューする企画です。
今回は倉上慶大さんに主にビッグウォールをフリーで登るためのトレーニングを聞いています。
・食事法
・フィジカルトレーニング
・噂の変わった修行、等
ガメラさんもインタビューで突っ込んでいますが、倉上さんはかなり理詰めでトレーニングも考えていますね。
ただ、”ロジカルに詰め過ぎてズレが完全になくなると冒険性が薄れてつまらない”ともコメントしていて、これも共感できます。
具体的に書かれていて、あらゆるクライマーに参考になるので必読です。

 
 

自分の記事の紹介

今回は通常連載に加えて、企画記事にも関わったのでそれらを紹介します。

 

チョークアップ大作戦

ジャック中根さん、柴沼潤さん、とともに約50種類のチョークをテストする「チョークアップ大作戦」という企画に参加させてもらいました。
古今東西のあらゆるチョークを試し、新たな発見などもありとても有意義だったのですが、、、テスト自体はものすごく過酷でした。笑
50種類も試すと身体も指にもめちゃくちゃこたえます、、、。
そんな中でも僕ら3人が感じたことやチョークに対する考えなどを書きましたので、興味ある方是非読んでみてください。

あと記事中でも触れたのですが、今回は製品名を隠していないなどかなり主観や思い込みが評価に反映する形になっています。
なので、簡素化した上でもう少し厳密にチョークに関する実験をブログかロクスノで個人的に扱ってみようかなと思っています。お楽しみに。

 

僕らは考える石ころである

連載は自分自身のヨセミテのフリーライダーへのチャレンジを題材に、「大きな目標達成するために、実行可能なレベルの要素に分解する」という方法について書きました。
岩場でルートすらやったことのない状態から、2年半程度の期間でビッグウォールに向けてどうやって準備をしていったのかに触れつつ、それを他のことにも応用できるように書いてみました。
さて、書いた以上は今年こそきちんとフリーライダーをオールフリーせねば。

<目標の分解例の図>