クライミング世界選手権の歴代優勝者と2018注目選手

クライミング世界選手権の歴代優勝者と2018注目選手

9月6日(木)~16日(日)にオーストリアのインスブルックでIFSCクライミング世界選手権2018が開催されます。

世界選手権は最も格式高い大会でありワールドカップ以上に出場することも勝つことも難しいとされています。

今回の記事では世界選手権の概要を簡単に説明し、歴代の優勝者や注目選手の紹介をします。


世界選手権とは

概要

世界選手権とはIFSC(国際スポーツクライミング連盟、以前はUIAA 国際山岳連盟)が統括するクライミングコンペであり、1991年から実施されています。

種目は当初はリードとスピードの2種目のみでしたが、2001年からボルダリングも追加され2012年からは3種目の合計でオーバーオールでの表彰もされるようになりました。

2009年からは障害を持つ方で競うパラクライミングも追加されました。

また今年からは単に3種目の順位でオーバーオールを競うのではなく、各種目を総合した成績上位6名が選ばれ「複合」種目も開催されます。

複合種目のルールや順位計算は以下の記事が参考になるかもしれません。

第1回コンバインドジャパンカップのルールやみどころ

そしてワールドカップが毎年開催で年間7戦前後あるのに対して、世界選手権は2年に1度のみの開催であるためワールドカップ以上に意義のある大会と位置付けている選手も多いです。

さらに来年の2019年も変則的に世界選手権が開催されるのですが、なんと初めての日本開催として八王子で行われます。

日本人参加選手

各種目それぞれに各国から男女6名ずつと別枠でIF枠を持った選手が派遣されます。

詳しい日本の選考基準は「IFSC世界選手権2018(オーストリア・インスブルック) の派遣選手選考について」に載っています。

日本人の参加選手は「IFSC世界選手権2018(オーストリア・インスブルック)の日本代表選手について」にあるように

男子は

楢﨑 明智 選手

藤井 快 選手

楢﨑 智亜 選手

原田 海 選手

杉本 怜 選手

高田 知尭 選手

緒方 良行 選手

の7名が3種目での参加

渡部 桂太 選手がボルダリングとスピード

田中 修太 選手がリード

での参加となっています。

女子は

野口 啓代 選手

野中 生萌 選手

小武 芽生 選手 

の3名が3種目での参加で、伊藤ふたば選手は右ひざの怪我のため残念ながら欠場です。

歴代優勝者

ふと自分自身が気になったので世界選手権の歴代優勝者を振り返ってみたいと思います。

するとなんとWikipedia先生がめちゃくちゃ綺麗にまとめれくれているじゃないですか!

IFSC Climbing World Championships

3位まできちんと書いてあるし国旗入りだし見やすいことこの上ないのではっきり言って僕がまとめなおす必要もないのですが、クリックするのが面倒な人のためにリードとボルダーの優勝者だけでもまとめておきます!

まずは男子。

世界選手権の初年度から伝説的なクライマーであるフランソワ・ルグランが3連覇。

ボルダーは2001年から始まり、ドミトリーなどを中心にロシアが一時代を築く。

そして特筆すべきは2014年のアダム・オンドラのリードとボルダーの二種目優勝の快挙!

アダムはインドア/アウトドア、リード/ボルダーとあらゆるジャンルで世界最強のクライマーと言えますね。

そして記憶にもまだ新しい2016年の楢﨑智亜のボルダー優勝、この年はワールドカップもボルダーで年間優勝と一気にスターダムにのし上がりました。

ちなみにこの楢﨑の優勝が全種目において世界選手権で日本人唯一の優勝です。

表彰台に乗ったのは

平山ユージ:リードで2位2回、3位1回

安間佐千:リードで3位1回

野口啓代:ボルダーで2位1回、3位2回、リードで3位1回

野中生萌:ボルダーで2位1回

と何度かあるものの、世界選手権の優勝は日本人にとっては鬼門だったのです。

続いて女子。

最多優勝はリードでは4度の優勝を誇るオーストリアのアンジェラ・アイター。

女性唯一の5.15bの完登者です。

ボルダーは一時代の野口啓代の最大のライバルであるこちらもオーストリアのアンナ・シュテールが2勝。

しかしワールドカップで一番活躍している選手がそのまま世界選手権でも勝ち切れていないことからも、世界選手権優勝の難しさを感じますね。

注目選手

全出場選手はこちらのスターターに載っています。

3種目複合という観点から注目選手を挙げるとやはりチェコのアダム・オンドラが大注目ですね。

ボルダーとリードは文句なしですし、スピードに対しては否定的な意見も表明していましたが、先日公開された動画「The Road to Tokyo」ではスピードの練習をする姿も。

<The Road to Tokyo>

また先日のアジア競技大会で複合優勝をした韓国のチョン・ジョンウォンも優勝候補ですね。

ボルダーはワールドカップ年間優勝にも輝いたことからピカイチ、リードもワールドカップで活躍するほど強いですが、スピードも力を入れているようです。

他にはスピードの実力はわかりませんがオーストリアのヤコブ・シューベルトもバランスは良さそうです。

ちなみにオーバーオールではカナダのショーン・マッコールが3連覇していますが、今年から全種目に出場する強豪選手が増えますので4連覇は一筋縄ではいかないと思います。

日本人では楢﨑智亜が優勝も狙える実力でありダントツだと思われていましたが、アジア競技大会では藤井快が楢﨑を上回り準優勝。

複合でも2大エースの熾烈な戦いに注目です。

女子はリードとボルダーの総合力ではスロベニアのヤンヤ・ガンブレットが頭1つ抜けているでしょうか。

スピードもよく知りませんがなんか速そう。

日本人の野口啓代、野中生萌の両選手もボルダー種目ではもちろん優勝候補ですし、リードももちろん強いので複合でどこまでヤンヤに食らいつくか注目です!

日程&配信

大会の日程はClimbing-netのこの記事に詳しく載っています。

YouTubeのIFSCのチャンネルでもライブ配信されるようなのでお楽しみに!

<リード女子予選>

それではみんなで応援しましょう!

ではでは。