二子山で色々と登った、2018年1月~3月シーズン
今年の1月から3月にかけて二子山で計6日ほどクライミングを楽しみました。
どうやら僕はこの二子山の虜となってしまったようで、蓋を開けてみれば今のところ今シーズン一番通っている岩場となりました。
一応昨日「任侠道」が登れ一区切りが付いたので、簡単に二子山のことや登った課題のことを書いてみたいと思います。
<1年前に1度来た際の写真ですが、二子山の弓状エリア>
二子山の特徴
二子山は埼玉県の秩父にある石灰岩質の岩場で、発達したコルネや様々な形状のポケットなどが特徴的です。
フェイスクライミング全盛期の1988年頃から開拓がなされ、今では傾斜の強い弓状エリアなどに主に5.11~5.13台の中~高難易度課題がひしめいています。
日本最難課題の一本である「フラットマウンテン」(5.14d/15a)もあります。
開拓の様子などは『岩と雪』の136号や139号に詳しく、読むと当時の様子や今とのグレード感覚の違いなどがわかり面白いです。
<『岩と雪』136号より、開拓当時の二子山トポ。「悪魔のエチュード」も「任侠道」もまだない。「モダン焼き」パートが5.12a!>
最近感じることは岩場によって、文化、空気、美意識、というようなものが少なからず存在するということ。
まだ少ない回数しか通っていない僕が感じたことですが、二子山の文化としては1つの課題を登り込んで自身の限界グレードを押し上げていく人が多いです。
そのような文化が醸成されている背景としては
・例えば「任侠道」(5.12d)→「唐獅子牡丹」(5.13b)→「美しき流れ」(5.13c)のように、隣接する課題や派生課題でグレードが段階的に上がっていること
・辛めのグレーディング。新しいトポである『新版 関東周辺の岩場』などでは「任侠道」は(5.13a)、「唐獅子牡丹」(5.13b/c)、「美しき流れ」(5.13d/14a)などと軒並みグレードが上がっている
・石灰岩特有のコルネはキョンやフックなど様々なテクニックが有効なため、登り込むほど高度を上げていける
・迫力があり登り込みたいと思える魅力的な課題が多い
など色々あるとは思いますが。
まぁとにかくまとめると、間違いなく強くなる岩場です。
登れた課題など
せっかく迫力のある二子山で登るのだから、高度のある持久的なルートを中心に選び以下の課題などを登ることができました。
「ノースマウンテン日本一」(5.12b)
「モダン焼き」(5.12c)
「任侠道」(5.12d)
どの課題も持久力が試される上に、きちんとした核心がある素晴らしいルートです。
特にノースマウンテン日本一は40m近いスケールを誇る超ロングルートで爽快感があります。
これらを登り切ることができて持久的なリードクライミングに少し自信が付いてきた反面、ボルダリーなエリアである広場エリアの「クレーター直上」(5.12a)などに敗退して自身のボルダー力の衰えを少し感じて悲しくなったり、、、。
でもこれ普通に1級はある気がするくらい悪いです。
任侠道のこと
中でも任侠道が登れたことはとても嬉しかったです。
任侠道は「日本100岩場」では二子山で唯一の星4つが付けられている中身が非常に濃いルートです。
リードクライミングをやらない人でも名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
初登者は飯山健治さん。
<写真中央を登って上部で左に行くラインが任侠道>
僕は平山ユージさんが『日本の登山家が愛したルート50』で”マイフェイバリットルート”として任侠道を挙げているのを読んだり、DVD「Live in Japan」にて
・スリルがあるが危険すぎない調度良い絶妙なボルト間隔
・持久力が試されかつ不安定なムーブも存在すること
・手や足置きの丁寧さが要求されること
・飯山さんが実現した完璧なライン取り
などから、
クライミングが持つ楽しい要素を全て含んでいる
と評しているのを観て”このルートは絶対に登りたい”という気持ちがふつふつと沸いていました。
(ちなみに”ラ”にアクセントを置いたクライミングです。climbing)
自分の中では決めきるべきトライを2つほど逃してしまった感もあるのですが、暑くなる前になんとか登れて良かったです。
これまでに登ったスポートルートでは最も印象に残る一本であることは間違いないですね。
<任侠道の動画>
『日本の登山家が愛したルート50』
「Live in Japan」
3月の予定がすでに埋まっているためもしかすると今シーズンはもうあまり二子山来れないかもしれませんが、まだまだ登りがいのあるルートがあるのでライフワークの一環として今後も通い続けたいと思います。
ではでは。
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