2018ボルダリングWC年間チャンピオンの行方を考える、男子編

8/17,18(金、土)は2018年のボルダリングワールドカップ(以下、BWC)の最終第7戦のミュンヘン。

この大会はBWCの年間チャンピオンが決定する注目すべき一戦です。

例年通り、ミュンヘン戦の結果次第で誰がその栄冠を手にするのかを考えてみましょう。

<昨年の記事>

2017ボルダリングWC、男子年間チャンピオンの行方を考える

 


年間ランキングとは

まず年間ランキングについて簡単に説明しますが、細かいルールなどは去年以前の記事とほぼ重複する内容になるので手短に。

BWCは今年は全7戦あり、現在のところ6戦を終え、残すはミュンヘン大会のみです。

選手には各大会の順位によって以下の得点が与えられます。

そして7戦終えた時点で最も得点の低い1大会を除いた6戦の合計値で年間ランキングが最終的に決定し、首位のクライマーが年間チャンピオンとなるのです。

 

 

男子の6戦目終了時点の年間ランキング

ではまずは男子の最終戦を前にした年間ランキングを見てみましょう。

今年は1~6戦の全ての優勝者が違うという白熱の展開。

そんな中でも頭1つ抜けているのはともに優勝1回、準優勝2回を獲得しているスロベニアのイェルネイ・クルーダー選手と日本の楢﨑智亜選手。

楢﨑選手は2016年に年間チャンピオンを獲っています。

この2トップの次に付けている3位は6戦目のベイル戦で5年ぶりの優勝をした杉本怜選手で、5年前の優勝はミュンヘン大会と縁起が良いです。

 

そしてどの選手までが年間チャンピオンの可能性があるのかを考えると、優勝しても最大で100ptしか入らないので首位から104ptの差が付いている4位のアレクセイ・ルブツォフ選手にはチャンピオンの目は無いことはわかります。

更に7戦の内最低点の大会の得点を加算しないというのがミソであり、3位の杉本選手は第3戦が12位の28ptと現段階で最低点なので最終戦で仮に優勝して100ptが入っても100-28=72ptしか総得点は増えません。

杉本選手は首位とは78ptの差が現時点であるため、72ptでは残念ながら年間チャンピオンには届かず。

つまり現時点で年間チャンピオンの可能性はイェルネイ選手と楢﨑智亜選手に絞られているのです。

 

 

男子BWC年間チャンピオンシミュレーション

ではミュンヘン戦でイェルネイ選手と智亜選手がそれぞれ何位になったら、どちらがチャンピオンになるかをシミュレーションしてみます。

縦軸がイェルネイ選手のミュンヘン戦の順位と得点、横軸が智亜選手のそれです。

そしてマスの中の頭文字が年間チャンピオンを表します。

J:イェルネイ・クルーダー選手

智:楢﨑智亜選手

それと得点は同着がいない単独ケースのものを書いています。

(厳密には、同着が出た場合は同着が占める全順位の平均得点が対象選手に与えられる。例えば16位が4名いたら、16~19位までの得点の平均の17ptが4名に与えられる)

ちなみにボルダー競技での同着を含む順位付けのルールは以下の記事を参照。

クライミングのルールの考察9~ボルダー競技で同成績の場合のIFSCルール2018変更点~

 

それではシミュレーションの結果です。

見方が少し難しいので例をあげると、ミュンヘン戦でイェルネイ選手が2位なら442pt、智亜選手が1位なら465ptとなり智亜選手が年間チャンピオンとなります。

なのでそこに対応するマスには「智」と書いてあります。

ここからわかることはまず現段階ではイェルネイ選手の方が得点が高いので、智亜選手が10位以下で差の4pt分を伸ばせない順位になるとイェルネイ選手が年間チャンピオンとなるということです。(横軸の10位以下は全て「J」)

一方で現段階の最低ptはイェルネイ選手は38pt、智亜選手は31ptとその差は7ptであり、これは現段階でイェルネイ選手がリードしている4ptよりも大きな開きです。

つまりどういうことかというと、イェルネイ選手と智亜選手がほぼ同じような得点だと智亜選手がひっくり返す可能性があるということです。

例えば両者が9位以上で同順位ならば(この時、上で書いたように獲得ptを分け合うので正しくは表の得点とは異なるが)最終戦で両者に同得点が入りますが、その後最低点としてイェルネイ選手は38pt分が総得点から引かれ、智亜選手は31ptが総得点から引かれるため、逆転が起きるのです。

ですので表では対角線の同順位の箇所は全て「智」となっています。

さらに非常に面白いのがイェルネイ選手と智亜選手がそれぞれ単独で(7位、8位)もしくは(8位、9位)となった場合です。

この時両者の年間得点は405ptもしくは402ptで同一になります。

そのような場合、IFSCルール2018を参照するとこう書いてあります。

11.7.5

ワールドカップ・シリーズの最終戦終了時に、2 名以上の選手が同じポイント数を有して 1 位同着となった場合は、それを分けるために、同着の選手が同時に出場した大会での成績を一つずつ比較する

――すなわち同時に出場した大会で相手より上位となった回数で決定する。

この計算後なお同着の場合、1 位から始めて次は 2 位と言うように、上位の成績の獲得数で 1 位を決定する。

つまり得点が同じならば

1.直接対決での勝敗数

2.上位の成績の獲得数

の順番で比較していくとうことなのです。

6戦を終えた時点での両者の対戦成績は3勝3敗とタイなのですが、現在想定しているのはイェルネイ選手と智亜選手がそれぞれ単独で(7位、8位)もしくは(8位、9位)となるケースです。

つまりミュンヘン戦はイェルネイ選手が直接対決で勝ち4勝3敗でイェルネイ選手に軍配があがる場合を想定しているので、表のオレンジの「同」は得点は同じですが年間チャンピオンはイェルネイ選手になるのです。

 

以上をまとめますと、

・楢﨑智亜選手が最終のミュンヘン戦で10位以下ならイェルネイ・クルーダー選手が年間チャンピオン

・楢﨑智亜選手は9位以上でイェルネイ・クルーダー選手と同着以上ならば年間チャンピオン

ということになります。

同得点の場合を考えるなど少し複雑になりかけましたが、蓋をあけるとかなりシンプルでしたね。

最終戦が楽しみです!

 

 

女子の行方は、、、

思いのほか男子が長くなったので女子は別記事にします。

ただ2018年のBWC女子はこれまでのところ上位をほぼあの2選手で占めているのでかつてないくらいシンプルなシミュレーションとなりそうです。

もしかすると、シミュレーションをする必要もないくらいで、みなさんの頭の中でも考えられるかも。

お時間ある方は考えてみてはいかがでしょうか。

ではでは。

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