19年GW名張・鳳来ツアー、いかさま師がついに登れた
クライミングジム勤務になり平日休みが取れるようになってから、GWは基本仕事が多かったのですが、今年は何年振りか覚えていないくらい久々にGWに岩ツアーに行ってきました。
メンバーは僕とむっちゃんに加えて、クラックの”神”こと坂本さん。
行先は名張6日間の予定が、雨に降られ名張3日間と鳳来2日間になりましたが、会心のクライミングもいくつかできて大満足。
ツアーを簡単にですが振り返っておきます。
名張でクラック三昧の3日間
名張ツアーはこれで3度目です。
1度目は3月上旬に4日間きて、下のブログにも書いたようにクラックにぼこぼこにされました。
<初めての名張ツアーブログ>
2度目は実は3月中下旬あたりにどうしても「いかさま師」(5.12b)が登りたくて、単独で半日いかさま師にフィックスロープを張ってワークし、翌日にむっちゃんにビレイをしてもらってリードしましたがその時も跳ね返されました。
この時は「パンドラ」(5.11a)も3便でようやくレッドポイントし、名張の厳しさを更に痛感させられました。
なので今回は3度目の正直のツアー。
いかさま師 RP
もちろん狙いは、いかさま師。
ハングを超えてしばらくし0.5番サイズで真っ向ジャムになる箇所が僕にとって非常に厳しいセクション。
これまで他のルートではフィックスロープを張ってワークしたりしたことは無かったし、トップロープもそれほどやらない方なのですが、この課題だけはリードトライだけでは自分の手には負えないと感じワークもトップロープトライもしました。
<真ん中の壁を蛇のように伝っていくクラックがいかさま師、40mスケール>
1日目にフィックスロープを張り再びワークし、その後1度リードトライするもやはりだめ。
自分の中で”もしかするとこの課題はまだ自分には登れないのではないか”と弱気になりましたが、2日目に坂本さんが安定感に溢れながらも要所要所気合の入ったすさまじい登りでいかさま師をレッドポイントし、これに僕も刺激を受けます。
<いかさま師、終了点から>
もうとにかく登るためなら何でもしようと考え
・ハングを超えてからハンドの小レストポイントまではランナウト覚悟で2つしかカムを取らない
・サムカムが苦手な自分が今登るには正対シンハンド主体で時折レイバックも織り交ぜる
というタクティクスで臨むことにしました。
そして、登れたトライでは、、、夢中すぎてよく覚えていないですね。
とにかく途中でノーハンドで休憩できる大テラスまでは必死の思いで1手1手出しましたし、あれだけワークしたのにジャムのポイントやクリップポイントもそれまでと結局違ってしまいました。
でもまさに直前にブログに書いたように、それまでのthinkの積み重ねによってfeelで動くことのできた、自分にとって会心の登りでした。
世界レベルで見ても非常に美しいクラックを登ることができて満足しています。
<参考ブログ>
モスラパワー FL
いかさま師が登れて大満足だったのですが、まだまだ名張には名ルートがたくさんあります。
3日目はその中でも誰もがイチオシするルートである「モスラパワー」(5.11c)にトライすることに。
事前にモスラと下部を共有している「ゴジラパワー」(5.11b)の坂本さんのトライを見ていたので、オンサイトではないですがそれでも一回で登ってフラッシュしたいと心に決めていました。
<ここから左のハンドクラックへ行くのがモスラパワー>
途中アストロマンに出てくるかのような綺麗なワイドっぽい凹角があり、ここは神がサクッと抜けていたので簡単かと思いきや大苦戦。
続くフェイスパートもギリギリの状態で切り抜けます。
最後の長いハンドとシンハンド地帯も以前の自分なら絶対に登りきれていなかったと思いますが、いかさま師でだいぶジャム力が上がったせいか「どの手もいかさま師より格段に良いぞ!」と感じることができて落ち着いて登りきることができました。
最後はヒヤッとしたけれどなんとかフラッシュ!
モスラは、フィンガーパート、凹角ワイド、フェイスへの核心、長いハンドクラックと4つの特徴あるルートが合わさったような超大作でこれをフラッシュできたのは本当に嬉しかったです。
その他登ったルート、宿題
その他にもいくつか触りましたが、どのルートも名張は本当に質が高いですね。
もはやスパッとクラックが走っていることが当たり前に思えてくるので、感覚が狂ってきます。
・ブロードバンド(5.10a)
ワイドっぽさもあって面白い。
・ミニラ(5.10b)
久々のワイドで結構途中苦戦してしまった。
写真はワイドにはさまるむっちゃん。
・アマデウス(5.11a)
綺麗なフィンガークラック。
カム選択が上手くいかず1回落ちた、、、。
・バターナイフ(5.10c)
4番から5番のワイド。
2トライするもできず。
坂本さんはさすがのOS!
リービテーション→足を高く水平気味に突っ込む→アームバー的に抑える→リービテーション→・・・の繰り返しで登っていくことを習うも登れず。
これはまた来て登りたいですね。
初めての鳳来2日間
4日目、5日目は雨がひどかったので1日レストを挟んで雨でも登れるルーフのあるという愛知の鳳来へ行くことに。
超有名岩場ですが、僕らは今回が初めてです。
1日目にはアップの後、鬼岩(おにしいわ)の4つ星課題「猫も杓子も」(5.12c)をオンサイトトライするもトラバース部分でフォール。
んーシケっているとは言えまだこのグレードのオンサイトは勝負になっていないですね。
そしてこの後雨がかなり強くなってしまい、トライはしましたが上部が濡れてきてしまいトップアウトすらできない状態に。
この日はみな早めに撤収。
<猫も杓子も、クライミングしている感が強くかなり面白いです>
2日目は昨日とは打って変わって良好なコンディション!
猫も杓子もを落ち着いて1便目で回収し、せっかくなので超高難度課題が並ぶハイカラ岩へ。
<ハイカラ岩、すごい迫力>
5.12後半や5.13前半など、1日で登れる可能性のあるルートに取りつこうかと思っていましたが、むっちゃんに”せっかくだしガンジャ触りなよ”とハッパをかけられ「ガンジャ」(5.13d)を触ることにしました。
現地で会ったワンハンドプルアッパーのJ氏にムーブのコツを教えてもらったりしながら、3回トライするもやはりガンジャの壁は高く、2テン止まりでした。
しかし息つく暇のないムーブが連続し最後にランジのある内容の濃いルートで、近々もう一度決めに来たいですね。
そしてJはこの日のラストトライで「ガンジャエクステンション」(5.14a)を完登!
その気迫のトライと明瞭なトップまでのラインを見て、さらにモチベーションをもらいました。
最後にむっちゃんがやっていた「That’s クライミングショウ」(5.12c)の回収便を出すも、ラストの3手くらいが激しく悪くてフォール。
このパート、ガンジャより悪くないか?
<くらしょー>
最後は「やま正」でラーメンを食べてツアーフィニッシュ。
<ラーメン、唐揚げ、エビ天丼、全てめっちゃおいしかった>
クラックからの強傾斜フェイスで、ツアーを通してバランス良くクライミングができて大満足です。
行きたいエリアがまた一つ増えてしまいました。
さてまた5月は瑞牆で頑張るか。
<鳳来トポ>
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