クライミングに有利な身長はあるか ~②ボルダリング・女子編~
お待たせしました!
クライミングの身長考察第二弾です。
今回はボルダリング女子編。
前回のボルダリング男子編では
“サンプル数が少なすぎる”
“成績上位者の身長を母集団(WC出場者)と比べて欲しい”
などのツッコミがありましたが。
まさにそのツッコミの通りなのですが、作業が大変なのでそういった声は置いておきます!笑
ひとまず僕は、歴代の成績上位者の身長をまずは単に知る、ということにも意味があると思っているというか興味があるので。
では女子編さっそくいってみましょー。
<参考記事 ボルダリング男子編>
検証の対象・方法
上に貼ったボルダリング・男子編と同じですが、一応再掲しますね。
検証の対象大会と、方法は以下とします。
検証の対象となる大会
・ボルダリングワールドカップ(以下、BWC)の過去7年分
・今回は女子が対象
検証方法
・表彰台に乗っている(3位以内の)選手を全てピックアップ
・選手の身長がどのように分布しているのかを検証する
ボルダリングワールドカップ表彰台選手とその身長
ではさっそく過去7年のBWCで1度でも3位以上になったことのある女子クライマーとその身長を見てみましょう。
選手と身長
選手名 | 身長 |
---|---|
Le Neve Melissa | 167 |
Gibert Fanny | 166 |
Noguchi Akiyo | 165 |
Garnbret Janja | 164 |
Coxsey Shauna | 163 |
Klingler Petra | 163 |
Stöhr Anna | 163 |
Mascarenas Megan | 162 |
Nonaka Miho | 162 |
Markovic Mina | 161 |
Saurwein Katharina | 160 |
Wurm Juliane | 160 |
Puccio Alex | 157 |
ODA Momoka | 154 |
Kim Jain | 153 |
Retschy Monika | ??? |
Shalagina Olga | ??? |
身長分布のグラフ
上記のデータをグラフ化してみましょう。
横軸が身長で、縦軸がその人数です。
ちなみにこのデータでは何度表彰台に入っても1人分として扱っています。
身長データの考察
さて、女子編でも上のグラフから何が言えるのか考えてみましょうか。
160cmの壁!?
ぱっと見て目に付くのは160cm以上に多くの成績上位者が固まっているということです。
更に言うと、上記リストの160cm未満の選手は、アレックス・プッチョ選手、小田桃花選手、キム・ジャイン選手の3名ですがこの中で過去7年間の優勝経験があるのはキム・ジャイン選手のみ。
しかもそれは2011年のことなのです。
つまり過去6年間においてボルダリング女子では160cm未満の選手は一度も優勝をしていないのです。
確かに昨今の女子課題の傾向は、身長の低い選手に分があるような「保持」や「持久力」が問われるというよりは、比較的身長の大きい選手が有利になる「ランジ・コーディネーション」や「緩傾斜」が多いので、それが影響している可能性はあります。
もちろんこれは男子編でも述べたように、外国人選手の平均身長付近に単に固まっているだけという見方もできます。
日本人女子の平均身長が158cmなのに対して、クライミングが盛んな国の平均身長は
フランス:162cm
アメリカ:162cm
イギリス:162cm
ドイツ:165cm
オーストリア:166cm
(参考サイト:世界平均身長ランキング)
となっているため、ちょうど160cm以上に集まることと一致しているのです。
女子はトップ選手の層がまだまだ薄く、入れ替わりが少ない
それと身長と直接話は逸れるのですが、男子が過去7年間に表彰台に立った選手が32名なのに対して、女子はなんとたった17名です。
男子は次々に強豪選手が登場し群雄割拠ですが、女子はもちろん新たなスター選手の登場はあれど入れ替わりは男子と比べ少ないです。
よってサンプルが少ないということにも繋がっているのですが。
今後表彰台に食い込む新たな顔ぶれが登場し、その際に身長データも見てみるとまた何か違ったことが言えるのかもしれません。
終わりに
一旦これでボルダリング編は男女共に終了です。
サンプルが少ないながらも、女子の160cmの壁など個人的に新しいネタが増えて面白かったですね。
そして日本人女子選手にこの壁を破ってほしいです!
さて、リード編はあるのか、、、。
明らかにリードの方が低身長の選手の活躍がデータにも表れるはずなので見てみたいですけどね。
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