ボードゲームを分類してみた

ボードゲームを分類してみた

前回ブログで最近色んなボードゲームで遊んだとを書きましたが、その中で

パッチワークは、布地の初期配置が毎回変わる(ここは適当に決める)ものの、一度配置が決まればそこからはランダムさも無くお互いの情報は完全に公開されています。
つまり完全に読み切れるコンピュータがプレイしたならば、初期配置で先手と後手のどちらが勝つかはたまた引き分けるかが決まっているのです!
このようなゲームを二人零和有限確定完全情報ゲーム(次のブログで説明しようかな)と言い、囲碁、将棋、オセロなどと一応分類としては同じになります。

と書きました。
ここに関して補足記事を書こうと思います。
ただゲーム理論やボードゲーム概論は専門でも何でもないので、一部勘違いしていたり憶測で書いている部分もありますが初学者のメモと思って読んでください。

<ボードゲーム紹介ブログ>

 


確定/不確定

世の中で一般的に広まっているボードゲームの多くにはランダム要素が絡みます。
ランダムに並んだ山札からドローしたり、サイコロを振ったりなど。
ゲームへのランダム要素の絡み具合は色々で、「サイコロの出目の大小で勝負する」というような完全に運が支配(ガチ勢はコントロールできるのかもしれんが)するものから、麻雀など運は絡むけれど長期ではきちんと実力がモノをいうものまで様々です。
一方でもちろん将棋や囲碁などのようにランダム要素が入らないゲームもあります。
このようにランダムな要素が入らないものを「確定ゲーム」、入るものを「不確定ゲーム」と呼びます。

 

完全情報/不完全情報

全てのプレイヤーの情報がお互いに開示されていないボードゲームも多いです。
自分にしか見れない手札があるようなゲームは基本的に情報が開示されていないですね。
例えば3人以上でトランプの大貧民をすると相手が何を持っているかの情報は通常不明です。(2人の大貧民では自分が持っていないものを相手が持っているので情報はお互いに完全開示されている)
対して例えばすごろくはサイコロという不確定な要素が入っているものの、全プレイヤーがどのマスにいるかはわかるので情報は完全に開示されています。
このように全プレイヤーに全てのお互いの情報が開示されているものを「完全情報ゲーム」、そうでないものを「不完全情報ゲーム」と呼びます。

 

二人確定完全情報ゲームはガチっぽい?

「確定」かつ「完全情報」のゲームはボードゲームと言うよりガチっぽくなります
例えば、将棋、囲碁、チェス、オセロなどは二人確定完全情報ゲームです。
詳しくは下のリンク先を読んで欲しいですが、ここに零和(プレイヤー同士の損得和が0)、有限(有限回で終了する)という要素が入ると、理論上は完全な先読みが可能なゲームとなり一般的に最善手で進んだ場合「先手必勝」「後手必勝」「引き分け」のどれかに分類されます。
このようなゲームをアブストラクトゲームとも呼ぶそうです。
(おそらく三人以上の零和有限確定完全情報ゲームは何番手が必ず勝つ手順があるとは言えない気がする。例えばダイヤモンドゲームは(千日手の存在がなければ有限かは怪しいが)、上記に該当するが二人のプレイヤーの結託によって任意の手番のある一人に勝たせないようにできてしまうだろう)

・Wikipedia:二人零和有限確定完全情報ゲーム
ゲーム理論と室内ゲーム

僕はオセロにハマっていたくらいなので、二人確定完全情報ゲームは大好きです。
運が全くなく言い訳のできない真剣勝負の感じがたまりません。
(厳密にはランダムさがないだけで「運」はある。運任せで適当に選んだ手が天文学的確率で当たり続ければ、サルも将棋で羽生さんに勝てる)
なので本気で人生掛けて追及するなら二人確定完全情報ゲームは良いと思うのですが、ランダム要素がないゆえに実力差があると何回勝負してもその差をひっくり返して勝つことが難しいです。
将棋をそこそこ指せる人であっても羽生さんを倒そうと思って勝負は挑まないですが、麻雀で半荘なら桜井章一にもしかしたら勝てるかも、、、という気持ちにはなりますよね。(実際は何半荘もしたら平均的には勝てるわけはないのだが)
なので、ボードゲームをみんなでワイワイとなると、不確定か不完全情報ゲームの方が楽しいのかなと思っています。

 

遊んだボードゲームの分類

確定と完全情報という軸で僕が遊んだボードゲームを分類してみます。

 

確定 完全情報

所謂ボードゲームには確定完全情報ゲームはあまりないのですが、いくつかはあります。
上述したように「パッチワーク」は布地の初期配置こそランダムに決めますが、その配置が決まればそこからはランダム性はないですし、お互いの情報も完全に開示されています。

コマに乗っかることができる将棋的なゲームの「ノッカノッカ」もここに分類されます。
つまり先手必勝、後手必勝、引き分け、がおそらく明確に決まったゲームだということですね。
ノッカノッカも1回やっただけですが面白かった。

<参考動画>

たまに大きく勘違いしている人が多いので補足しますが、「全手が解析されるなどして必勝法が判明している」ことと、「そのゲームで人間が競う奥深さや楽しさ」は関係がないです。
先手勝ち・後手勝ち・引き分けが決まっていようと、人間にとって必勝法を身に着けることが十分難しければ、そのゲームは白熱するし観戦者も楽しめるのです。
もちろん〇×ゲームのように引き分けに持ち込める手順を皆が簡単に覚えられるものは深める余地がないですが、多くの二人確定完全情報ゲームは膨大な手順が存在するので十分に人間同士の頭脳の競い合いに耐え得るのです。
将来的に囲碁や将棋が解析されつくしたとしても、コンピュータを利用した棋力向上の効率は上がるかもしれませんが、そのゲームとしての魅力は失われないでしょう。

 

確定 不完全情報

確定かつ不完全情報、つまりランダム性はないのだけれどお互いにしか知り得ない情報があるゲームは一般的に知られているものでは実はあまりないのでは?
今回やった中では「ガイスター」がこれに該当するユニークなゲームです。
プレイヤーは縦横に1マス動けるコマをお互いに8つ持つのですが、その中に「青いオバケ」と「赤いオバケ」がいてその情報は相手からはわかりません。
目的は赤いオバケをなるべく相手に取らせ、青いオバケで相手陣地に侵入する、というものです。

<ガイスター>

スコットランドヤード」というドロケイのようなゲームも初期配置こそランダムですが、そこからはランダム性はないです。
警察5人、泥棒1人で遊ぶのですが、警察の位置情報は常に見えているのですが、泥棒の位置情報は数ターンに1度しか見えません。
その意味で泥棒側からは完全情報ゲームであるとも言えるでしょうね。

<スコットランドヤード>

 

不確定 完全情報

不確定だけれども完全情報なゲームは上述したようにすごろくなどがありますね。
サイコロは振るけれども、全プレイヤーの情報が開示されている。
あとバックギャモン(やったことないけれど)もここに分類されます。
神経衰弱などのように、「まだ開示されていない情報はあるけれども全てのプレイヤーが知り得ている情報は同じ」というゲームもおそらく完全情報に分類されるのではないでしょうか。

今回やった中ではあまりなかったけれど、前回記事で紹介した「ウボンゴ3D」はここに入るのかな?
どのような形状を作るのかはランダムで与えられるためそこに有利不利は生じるけれど、開示されていない情報はなし。

ナンジャモンジャ」という
・ヘンテコなキャラクターが書かれたカードが山札にランダムに並ぶ
・めくったカードが初出キャラなら名前を付ける
・既出キャラなら一早くそのキャラの名前を叫ぶ
という子供でもできるくらいシンプルだけれど面白いゲームも、不確定だけれど完全情報だと思います。
こちらもこのクイズノックの動画が最高。

<インテリナンジャモンジャ>

 

不確定 不完全情報

最後は不確定かつ不完全情報のゲーム。
これは本当に多くのゲームが分類されます。
紹介した「バトルライン」も「XENO」も山札ドローがありかつ手札は見せないので不確定不完全情報ゲームです。
運が絡むのですが、基本的な戦略や期待値計算によってもちろん長期では相手を上回っていくことが可能です。

前回一番のオススメで挙げた「カタン」も不確定不完全情報ゲームだと思っていたのですが、相手プレイヤーの手札は見れないものの採掘された資源カードの情報は開示されているのでそれらを全て記録・暗記することは可能です。
資源カードの自己変換(同一4枚↔任意1枚)、他プレイヤーとの交渉による交換、盗賊による没収(半分を捨てる)、などの時にその交換情報って必ず開示しないといけないのでしょうかね?
アプリの場合は隠されることがあるのですが、リアルプレイの場合は隠すことは難しいです。
もしこれらが開示されているならば、手札はお互いに見えないにしてもこれまでの行動から各プレイヤーの手札に今何があるのかは原理的に全プレイヤーが知り得るので、手札に関しては完全情報となります。
ただし未使用の発展カードに関しては伏せている状態が基本のため、この点は不完全情報ですね。

 

ボードゲーム分類表まとめ

まとめると、「確定/不確定」「完全情報/不完全情報」の軸で分けると以下のようになります。

<ボードゲーム分類表>

そもそもこの2軸がボードゲームの分類に当たって一番適したものかはわかりませんが、どのようなゲームかを理解する手助けにはなるでしょう。
自分としてもある程度スッキリしました。

また機会があればクライミングに関係ないことも書いていこうと思います。
ではでは。