瑞牆でマルチピッチ継続登攀 蒼天攀路→奥壁3本
週頭に少しでも雨が降っていない日を縫うようにして瑞牆にマルチピッチの継続に行ってきました。
これまで僕とむっちゃんは実は継続登攀は昨年に「山河微笑(5.10a,5P)」→「錦秋カナトコルート(5.10a,6P)」をやっただけで圧倒的に経験不足です。
<去年のブログ>
というわけで今回は当初、”十一面奥壁の3本のルートをまずは継続するか”と話していました。
しかし周りのクライマー達が5.11や5.12を含むマルチを1日に5,6本ガンガン継続するのを目の当たりにし、”易しいマルチを3本継続するなんてことに甘んじていてはいけない”と思い直し、「蒼天攀路(5.12a,3P)」も追加して1日で4ルート継続することにしました。
結果として蒼天攀路の核心ピッチでは1テン入ってしまったので、継続をオールチームフリーで成功はさせられなかったのですが、まずは1歩良い経験を踏み出せました。
自分用のメモも含んでいろいろと書いておきます。
最近自分でもわからないことがあるとMickipediaで検索かけますからね!
継続登攀全体の記録
ルート
1本目 蒼天攀路(5.12a,3P)
2本目 Joyful Moment(5.9,5P)
3本目 アウトサイダー・ズルムケチムニールート(5.9,8P)
4本目 一粒の麦(5.10c,6P)
計 4ルート、22P、540m
コースタイム
3:00 植樹祭駐車場発
5:00 蒼天攀路開始
10:00 Joyful Moment開始
13:00 アウトサイダー開始
16:30 一粒の麦開始
21:00 奥壁頂上
23:30 駐車場着
各ルートの詳細
簡単に各ルートの感想などを書いていきます。
蒼天攀路
全て僕がリード。
まず取り付きがあまりにワイルドで合っているのか迷う。
<1P目取り付き>
直前まで大雨だったのと、朝もパラついていたこともあって1P目の5.10bはかなり濡れていて悪く感じ、またここで時間も相当食われてしまった。
2P目は話に聞いていた通りかなりユニークなチムニーがあるルートなのだが、普通にハンドクラックも面白い。
そして3P目の5.12aが個人的に最も悔やまれ、反省が多いピッチ。
写真がイマイチで伝わらないけれど、スパッと切れた足元と美しいカンテ。
出だしからカンテの向こう側に回り込む最初の核心は相当危なかったが突破。
続いてしばらく良い手が続くのだけれど、ここでもっとレストしたり落ち着くべきだったのかもしれない。
おそらく第2核心で一旦カンテに右手が戻り再びフェイスに出るところで、ハイステップでホールドを探りに行くも発見できず戻れなくなりフォール。
慎重さが足りなかったのもあるけれど、ちょっと不自然なムーブや悪いホールドでも突破できる力と精神力が欲しい。
そして上に抜けて荷揚げ&フォローのビレイをするはずが、自分が荷揚げ用のロープをきちんとさばかなくて絡まった&不注意でマイトラがロープ伝いに落ちてしまい、荷揚げが不可能に。
このあたりの基礎的なロープワークがまだまだ未熟すぎるので、要反省です。
また蒼天攀路から降りた時点で4時間半が経過していたので、やはり難しいルートでも如何に素早く登るかということと、ロープワークなどでもミスを無くすことが本当に重要。
Joyful Moment
むっちゃんが全てリード。
取り付きは左上するクラック。
1,2P目をリンクして実質4Pだったというのもあるけれど、かなりスムーズにこなせて2時間で登り終えたのは良かった。
1P30分なので、僕らとしてはかなり早くこの後の2ルートに余裕が生まれた。
4P目が気持ち良い広めのクラックでハイライト。
最終ピッチの5.7も短いけれど、ジャムに慣れていないと少し難しい。
瑞牆のマルチの中で最も入門的で、初級者におすすめだと感じた。
アウトサイダー・ズルムケチムニールート
僕が全てリード。
2~4P目がよくわからず、迷って多少時間をロス。
また最後もJoyful Momentと合流してしまった。
チムニーを久々にやったので面白かったけれど、1P目以外は2回目はやらなくても良いかなぁと正直感じてしまったかもしれない。
<1P目のワイドは良い感じ>
一粒の麦
むっちゃんがリードしたが、最終ピッチだけは暗くて濡れていたこともあり、むっちゃんはクライムダウンして僕がリード交代。
2P目(5.10b)と最終ピッチ(5.10c)がかなり質の高いルート。
特に最終ピッチのコーナーはものすごい長いわけじゃないけれど春うらら並みの美しさだと思う。
中級者にぜひ登ってもらいたいマルチ。
開拓者の記事も読むとより一層楽しめます。
ttp://www6.plala.or.jp/chimney/hitotubunomugi.htm
ただトポにカム1setとあるけれど、2setは必須。
番手によっては3setあっても良いかも。
むっちゃんが2P目で超絶ランナウトしたのと、僕も最終ピッチでもう落ちないところだったけど暗い中ノープロで登るのが恐怖だった。
あと1P目の5.9がかなり悪いので要注意。
普通に2P目より悪いと思う。
<伝わらないけど2P目のむっちゃんが登った後>
その他メモ等
まず次に継続をやるならば、
「少なくとも5.10後半以上のピッチが入っているルートから選ぶ」
ことが負荷的には意味のあるものになると感じました。
Joyfulとアウトサイダーは少し易しすぎて緊張感がなかったかも。
あと登攀以上に荷揚げがまだまだ練習が必要&改善余地ありまくりなので、むしろやったことのあるルートや易しいルートを使って荷揚げをすべきですね。
ここから5ルート、6ルートと伸ばしていくにはどうしたら良いのか考えると、まず初見でないルートを選べば5ルートはおそらくいけるはず。
しかし6ルートとなると、全くムーブに躊躇しないくらい登攀能力&スピードを高めるか、同時登攀などのシステムの導入が必要なのかもしれません。
体力的にヨレないことももちろん重要ですけどね。
でもとにかく楽しかった!
1日でたっぷり堪能できて満足です。
身体ばきばきだけれど。
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