19年5月後半の瑞牆 SPARK、神の時代が登れた
今年は気温が高い日が多く、5月後半にして既に本気のボルダーは厳しい感じでした。
ルートであれば梅雨入りまではまだ限界グレードがチャレンジできるということで、最後の追い込み。
最近の瑞牆で登った課題などを書きます。
SPARK、スパーク
「フリーダム」(5.13a)が登れた後は、「SPARK」(5.13b R)にチャレンジしていたのですが、トライ6日目でレッドポイントできました。
十一面正面壁の白クマのコルの2岩頭ほど下にあるオールナチュプロのボルダリーなトラッドルートで、3年前に倉上慶大さんが初登しました。
簡単だけれど油断ならないフィンガークラックを登った後に、水平クラックにプロテクションを決め、それを足元にしながら核心の傾斜感のある露出したカンテのカチを繋いでいくルート。
<SPARK 下から>
<SPARK ワーク中 秋一番から撮られていました>
ルートの詳細は倉上さんの昔のブログ記事や、取り上げてもらったクライミングネットに書いたのでそちらを参照してください。
ちなみにRというのは、危険要素に関してデシマルグレードとは別に付けられた形容詞グレードというもので、以下の種類が日本では用いられています。
PD:プロテクションの設置が限られ、かつ難しい
R:墜落した場合重大な怪我に至る可能性がある
X:地面まで墜落する可能性が高い
この手のリスクのあるクライミングの経験値は僕はまだまだ浅いことと、倉上さんもフィックスロープでムーブ出しをしたとのことから、僕もフィックスロープでムーブやプロテクションを確認した後にリードトライをしました。
最初の数日はボルダーグレードで二段程度の核心の1手がどうしても解決できなく、季節的にもコンディションが悪くなり始めそうだったので一時は心が折れかけました。
核心が繋がると分かった後も、
“トップロープで何度か下から上まで練習した方が良いんじゃないか”
“プロテクションの効きを確かめるために何度か墜落実験をするべきか”
“核心で落ちたら下の木に激突したり、最悪グラウンドフォールの可能性がある。木を切ったり折ったりしなくて大丈夫か”
“(当日霧がかなり出ていたので)秋にトライを回すべきか”
などと本当に弱い心がでそうになったり、あらぬ誘惑にかられそうになりましたが、なんとか自身に喝を入れて邪心を振り払い登りきることができて嬉しいです。
自分が少しだけ新しいクライミングの世界に踏み込めた気がするのと、Rというリスクがどの程度かというのが身を持ってわかったことがクライマーとしては収穫でしょうか。
思い出深い一本となりました。
神の時代
「神の時代」(5.12c)も瑞牆の十一面正面壁の白クマのコルにある美しいフィンガークラックのルート。
ガメラさんこと菊地敏之さんが(2003年頃?)に初登し、2013年に橋森さんが第2登した以外あまり情報の出てこないルート。
これを妻のむっちゃんと高柳さんが掃除しある程度綺麗な状態に復活したので、登らせてもらいました。
<神の時代 下から>
フィンガークラックといってもかなりレイバックが多用できますし、菊地さんも『Rock & Snow 024』で言及しているようにムーブ自体は易しめの5.12cなのかもしれません。
ただプロテクションが所々難しいのと、岩質が少し脆いので注意が必要。
長い間トライされていないルートだったので僕はトップロープでファーストトライしたのですが、なんといきなりホールドが思いっきり欠けてフォールしました。
<序盤のキーホールドのカチ 右半分が欠けたけれど左半分はまだ使える、、、>
しかし内容はとても面白く、またロケーションも良いルートなのでオススメではあります。
むっちゃんも自身のトラッド最高グレードのルートながら見事レッドポイントし、ご機嫌でした。
<神の時代が載っているロクスノ024>
おそらく高難度のショートルートにトライできるのは6月は残り3,4日程度。
そこで何をやるか。
そして7月からの暑い熱い瑞牆マルチが始まる。
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