小川山でワイドクラック&ボルダーサーキット

小川山でワイドクラック&ボルダーサーキット

スコーミッシュから帰ってきてまだ時差ボケが治りきっていませんでしたが、9月7,8日で小川山に行ってきました。
初日はワイドクラックなどを中心に身体を慣らし、2日目は前回途中で雨に降られて完遂できなかったボルダーサーキットをやりました。
ざっと記録を書いておきます。

<前回のボルダーサーキットの記事>

 

ポケットマントル、完全なる酒乱、はさみ虫

小川山のワイドクラックをほとんどやったことがなかったので、砦岩前衛壁にワイドをやりにいくことに。
目標は「ばんざいジャム」「はさみ虫」「完全なる酒乱」の5.10cワイド三部作。
カモシカ遊歩道をどんどんと上がっていくと、、、行き過ぎたようでカモシカサイドロックまで到達してしまった。
というわけでせっかくなので、こちらもやってみたかった「ポケットマントル」(5.10d)をまず登る計画に急遽変更。

<ポケットマントル>

ポケットマントルは1984年に吉川・室井ペアによってグラウンドアップで開拓された歴史的なルート。(『岩と雪 104』に記録あり)
つまりボルトルートではあるものの下から登りつつボルトを打ち込んでいったので、立派なトラッドルートとなる。

<参考ブログ:フリークライミングのジャンル分け>

個人的には『日本の登山家が愛したルート50』で服部文祥さんが

僕にフリークライミングとは何かを気付かせてくれたルート

と書いていたのが印象的で、ずっと登ってみたいと思っていた。

登ってみるととにかくダイクやポケットのマントルの連続で気持ちが良い。
ランナウトする箇所があり怖さはあるものの、マントル自体を1つ1つ切り取ればものすごく難しいものはない。

<日本の登山家が愛したルート50>

その後砦岩前衛壁に移動して、時間が少なかったので「完全なる酒乱」と「はさみ虫」の2本だけトライ。
完全なる酒乱は噂で結構怖いルートなのかという先入観があったが、典型的なスクイーズドチムニーでかつ壁内部などにホールドもあるため登りづらくはない。
ベーシックなとても良いワイドに感じた。
カムも6番があればしっかり効くし、なにより長さがあるので登りごたえがあって素晴らしい。

<完全なる酒乱、左は「修行僧」というスポートルート>

むしろ個人的にははさみ虫の方が難しかった!
中間部のフレアしたクラックの箇所が登りづらくて見た目以上に手ごわい。
短いけれどこちらもワイド登りの練習にとても良い。

<はさみ虫>

この日はそのあと夜に小川山飲み会があったのでそこで楽しく色んな人と話をさせてもらい、翌日のボルダーサーキットへ向けて早めに就寝。

 

ボルダーサーキット in 小川山

今回も前回とほぼ同じく目標とルールは以下に設定。

・6級~初段(+簡単な二段)あたりを触る
・登れなくても次の課題へ移動して良い(が、触った課題はもちろん頑張る)
・50本完登を目指す

前回は少しゆっくりペースで6時間で25完登だったので、6時前に登り始めれば日没までに十分50本は達成できるだろうということでスタート。
たまたま駐車場であったノミー&コミネッチ&半ちゃんとも途中まで一緒にサーキットをやることに。

<ノミー&コミネッチ>

 

登ったボルダーとコースタイム

自分の備忘録のためにも登ったボルダー(一部完登できず)とコースタイムを記しておく。

・5:45~6:20 タイコ&スィール (3完登、計3本)
太古(3級)、太鼓判(初段)、スィール(3級)

・6:30~6:50 タートル(3完登、計6本)
3級、6級、6級のSD(4級)、タートル・マントル(1級、未完登)

・7:00~7:20 ホワイト・ブロック(2完登、計8本)
ホワイト・ノイズ(4級)、3級

・7:30~7:50 スクエア&プーシェ(5完登、計13本)
カンテ左(4級)、カンテ真ん中(3級)、カンテ右(4級)、プーシェ(3級)、三角マントル(5級)

・8:00~8:40 ウィスキーボトル(3完登、計16本)
クラック(5級)、クラック5級の右抜け(3級)、3級、ウィスキー・トラヴァース(2級、未完登)

・8:45~11:10 クジラ岩(10完登、計26本)
ピノキオ(3級)、クラック(5級)、穴社員(3級)、エイハブ船長(1級)、フィン(6級)、ダイレクト・フィン(3級)、マントル(4級)、潮吹き穴(4級)、ダイク道(5級)、グロヴァッツ・スラブ(初段)

・11:15~12:30 スパイヤー(7完登、計33本)
スラブ(4級)、スラブ(5級)、スラブ(6級)、ライト・スパイヤー(3級)、レフト・スパイヤー(1級)、カンテ(3級)、スパイヤーX(1級)

・12:30~13:10 小休止

・13:15~13:50 扇岩(4完登、計37本)
扇子(2級)、左うちわ(5級)、蛇腹(4級)、ウェーブ(5級)

・14:00~14:30 隠れ岩(0完登、計37本)
隠れ人(1級、未完登)

・14:40~15:20 瞳岩(1完登、計38本)
神の瞳(初段)、瞳の奥(二段、未完登)、飛沫(二段、未完登)

・15:30~16:10 忘却岩&もぐり岩&流れ岩(4完登、計42本)
忘れん坊(2級)、マントル(2級)、もぐら(6級)、流れの中に(1級)

・16:20~16:40 一筆岩(3完登、計45本)
達筆(3級)、筆スラブ(5級)、乱筆(4級) 

・16:50~17:10 玄関岩(3完登、計48本)
カンテ(4級)、6級、マントル(4級)

・17:20~17:40 きたない大岩(2完登、計50本)
スラブ中央(4級)、5級

感想&反省

というわけで無事12時間で50完登が達成できたので一先ず良かった。
ただ途中まで7時間以内で33本登っていたので、これは12時間もかからないかと思っていたら38本目の神の瞳あたりから急速にヨレが始まって、そこから一気にペースダウンしてしまった。
最後は忘却岩のマントル2級や玄関岩のマントル4級にめちゃくちゃ苦戦して、これらを飛ばそうかとも思ってしまったけれど意地で登り切った。

反省点としては以下。
・登れなさそうな課題にそもそもトライしなかった
・1級以下で登れない課題があったにも関わらず飛ばしてしまった


例えばクジラ岩で緑のマント(初段)などはそもそも登れていないのでサーキットの中でトライすることをやめてしまったし、穴社長(二段)などもこの暑いコンディションと疲れの中では登れないだろうと回避してしまった。
またウィスキー・トラバース(2級)、タートル・マントル(1級)などは身体がフレッシュなときに取り付いたが時間内に解決できなくて飛ばしてしまったのも反省。

途中で同じくサーキットをしていた倉上さんに出会って話を聞いたが、あまりの設定の厳しさに驚愕。
目線や意識が常に高くて、目標設定が壮大だ。

僕も次回は
・5,6級はカウントしない
・(少なくとも1級以下、もしくは登ったことのある初段は)登れないと次にいけない

など少し縛りをキツくしてやってみようかと思う。

 

印象に残った&嬉しかった課題

このサーキット中にずっとのぼってみたかったハイボールクラックの「ピノキオ」や、以前怖さからトライをやめた「ダイク道」が登れたことは印象に残った。
また長年の宿題だったスパーヤーの「スラブ4級」や「扇子」が登れたのは素直に嬉しかった。

<ピノキオ>


いずれにしてもやり切ったことが自分としては充実感がある。
相当満足できるのでおすすめのトレーニング!