ヨセミテでクライミングだけを考える日々 2018 Day7~12

ヨセミテでクライミングだけを考える日々 2018 Day7~12

ヨセミテライフもはやくも12日も過ぎてしまった、、、。

残り24日なので、ちょうど1/3!こわいこわい。

というわけでDay7~Day12のことを書いてみます。

<Free BlastのTriangle Ledgeにて。El Capをバックに>

<ヨセミテ日記その1>

ヨセミテでクライミングだけを考える日々 2018 Day0~6

日々の記録&登った課題

Day7 (10/24)

この日はレストなので、お互いの目標課題であるCascade Fall Leftにある「Crimson Cringe」(5.12b)と、Above the Cookieにある「Separate Reality」(5.11d)を見学に行った。

「Crimson Cringe」は駐車場からアプローチ5分にあるけれど、弓のようなとてもカッコ良いクラック!

となりの「Fish Crack」(5.12a)も線を引いたような素晴らしい見た目。

<クリムゾンクリンジ>

「Separate Reality」はキャンプ4からだと120号を真っ直ぐ行って、3つ目の長いトンネルの前で車を停め、トンネルの横から降りていく。

取り付きには懸垂下降が必要ですがフィックスロープもあり。

下でトライ写真を貼りますがこちらも威圧的なルーフクラック!

なんか岩を見学していたら少し登りたくなってきたので、夜に軽く「Bruce lee」をナイトでトライするが、、、暑い。

18時回って暗くなっているのに半袖で十分。

今年が暑いのか、例年こんな感じなのか。

正直朝と夜の冷え込みさえ我慢すれば、クライマーにとってはヨセミテは11月inで丁度良いかも。

Day8 (10/25)

この日はあいも変わらず3度目のCookie!

Cookie大好きクライマーですね。でもそれくらい素晴らしいエリア。

この日の目標は前回落ちてしまった「Waverly Wafer」(5.11a)と、最上部の「Butter fingers」(5.11a)のオンサイト。

「Waverly Wafer」は前回は少し高い木の生えているところからスタートしましたが、トポによってはその下からとなっているので下からトライ。

スタート付近も悪くて焦ったけれど、無事RP!

<青空をバックにWaverly Waferの核心>

そして「Butter balls」をむっちゃんがリードトライして、僕はそのフォローで上まで上がって「Butter fingers」。

出だしの右上フィンガーが最後の方はほぼ閉じてただのカチに。

3,4級くらいのボルダームーブが核心だが、カムを固め取って突っ込んでなんとかオンサイト!

その上のハンド地帯も気持ち良かった―。

<上部の右上クラックがButter fingers>

これで無事ナビスコウォールの3部作が全てRPできた。

ちなみにこの日はムトーさんを含めて3人で登ったのだけれど、3人でちょっとしたマルチっぽいルートに取りつくのはどういうのが効率が良いのだろうか。

今回は

  1. リードの僕がメインロープに加えてフィックスロープを腰に付けていく
  2. 1ピッチ目の終了点に着いたら、フィックスロープを張る
  3. フォローの内1人がメインロープでフォロー、もう1人がフィックスロープをユマーリング

としたけれど、こういうのが一般的なのかな?

Day9 (10/26)

昨日の疲れがあまりなかったので、昼前くらいからいよいよ「Crimson Cringe」にトライすることに。

<Crimson Cringe Photo by はぎさん>

「Crimson Cringe」は最初と最後に1本ずつボルトが打たれているのだけれど、、、まず1ピン目がむちゃくちゃ遠い。

トポではここまで5.7との表記だが、太陽もカンカン照りで滑るし本当にちょっとやばかった。

肝心のトライの方は、1トライ目はほぼ出だしのフィンガーでフォール。

まぁ予想は付いていたけれど、ここが僕にとっては核心のようだ。

で、考えが至らなかった僕がばかなのだけれど、実はこのルート50m超あって80mロープ1本ではロワーダウンできないことが判明。

しかもルートがトラバースしているのでフォロー回収が必須。

今回は残置のフィックスロープがあったので僕はメインロープをフィックスして残置ロープで懸垂下降し、はぎさんがフォローでユマーリングでカムを回収してくださって、その後残置のフィックスで降りてもらった。

「Crimson Cringe」の場合は実はそのままロワーダウンすると、「Fish Crack」の終了点に着くので、そこでリードの人がビレイをしてフォローの人に上がってもらい、「Fish Crack」終了点から両者懸垂下降することもできるようだ。

しかし

・ルート長が40m超

・フォロー回収が必要(トラバースorルーフ)

・残置フィックスもないし、今回のような途中にビレイできる場所もない

の場合はどうしたら良いのか。

考え得る限りでは

・バックロープを2本引いていく、もしくは背負っていく(今回はフィックスロープを使ってあとからバックロープを引き上げようとしたら岩角に引っかかって苦戦した、、、)。そして1本はフィックスして懸垂下降用、もう1本はメインロープと繋いで超長いトップロープを作る。そして懸垂下降した後に、超長い方のロープでフォロー回収する

・バックロープを1本引いていき、メインロープをフィックス。バックロープもフィックスして懸垂下降。フィックスされたメインロープでユマーリングしながらカムを回収。最後はロープを繋いで懸垂下降(ほぼ今回はぎさんがやった形)

・100mロープを使う(ルートが50mまでなら)

しかないような気がする。

★追記★

coffeeさんにコメントいただいたが、単に

「リードがダブルロープで登る、リードが終了点でビレーしてフォローが登りながら回収、二人揃ってラペル」

でokでした。

★追記おわり★

ロープワークは難しい。

Day10 (10/27)

僕が前日クリムゾンクリンジで回収などもろもろ時間かかり過ぎたので、むっちゃんは何もできずにフレッシュ。

ということでこの日はむっちゃんの目標課題であるセパレートリアリティー!通称セパリ。

懸垂して取り付きに立ってみると、予想よりは短いけれど威圧感がすごい。

むっちゃんは勇敢にもオンサイトトライでリード!、、、しかしルーフに入ってからフォール。

<むつき on Separate Reality Photo by はぎさん>

僕もフォローでトライしたけれど、抜け口付近で落ちてしまった。

しかしいい感じのムーブを発見したので次に決めたいところ。

そして、この日は土曜日と言うこともあってなんと「Separate Reality」が10人待ち!笑

これは2トライ目は無理と言うことで合流したDaveと一緒に、再びキャンプ4のクラックボルダーである「Bachar Cracker」(V4)。

さっくり再登できて、すこし成長というかクラック慣れを実感。

それにしてもDaveは普段ボルダーやらないのに、執念深く「Bachar Cracker」もトライしていてその姿勢に感銘を受けた。

Daveとの4日間はとても楽しかった!

Daveとの最後の夜は倉上さん夫妻も交えてピザを食べながら色々な話。

Dave.Thank you for your many kindnesses!

See you later again, and let’s enjoy climbing rocks and eat pizza!!

Day11 (10/28)

さすがに連登し過ぎているのでこの日はレスト。

Lower Falls Amphitheater というエリアでガチオくんの「the Dagger」(5.11a)の完登などを見てエネルギーをもらった。

彼は勇敢でアツいクライマーだ。

ガチオくんやはぎさんとクライミングの話とか旅行の話とかだらだらしながら、本当に心身ともにのんびりした。

(Amphitheaterという単語が読めな過ぎて、みんなで「amなんとか」と呼んでいたけれど、「円形の闘技場」みたいな意味らしいっす)

<ガチオ on The Dagger>

Day12 (10/29)

いよいよこの日は目標の1つであるEl Capitanにある「Free Blast」(5.11b/c、10ピッチ)。

「Free Blast」は僕らの最終目標である「Free Rider」(5.12d、30ピッチ)の下1/3程度を登るマルチピッチ。

さすがに今年いきなりEl Capの一番上までは厳しいので、来年以降を見据えてまずは「Free Blast」を触るという計画。

僕らは相当遅いので、アプローチも事前に終えて(めっちゃ簡明だけど)、朝5時起きで向かうことに。

そして6時半には取りつくはずが、、、なぜか8時に。笑

しかしまだまだ十分時間はある。

・1ピッチ目&2ピッチ目 (80mロープを使い5.10cと5.8をリンク)

リード:む

<右に見えるダブルフィンガークラックからハング下まで>

むっちゃんは1.5時間かけながらも、粘りに粘ってこのパートをオンサイト!

ヨセミテでのRPグレードとOSグレードを一気にあげた。

僕らは敗退用にバックロープを持って行ったので荷物が超重かったのもあるけれど、フォローでこのピッチは普通に落ちそうになるくらい悪かった。

幸先良いスタート!

・3ピッチ目&4ピッチ目(5.11bと5.10cをリンク)

担当:み

グレード的には僕が今日担当する中での核心ピッチ。

出だしの小ハング越えの数手のムーブが足も手も悪い。

むっちゃんの先ほどのトライを見ていたのでここでは落ちられないと思い、少し声を出して僕も気合でオンサイト!

いやー嬉しかった。

・5ピッチ目(5.11b/c)

担当:む

「Free Blast」の核心ピッチ。

アレックスオーノルドも映画「Free solo」で相当嫌がっていた。

出だしの5.10dのフィンガーも悪いが、5.11b/cのボルト6,7本くらいのスラブが相当に嫌らしい。

むっちゃんはここも粘りの登りで、核心を越えてラスト1ピンまで行くも、、、残念ながらフォール。

ここでオンサイトの夢は潰えたが、それでも僕は気合の登りに感動した。

この時点で取り付きから5時間以上経って13時を回っていたので、やり直しはなしでとにかく抜けることに。

ちなみにこのピッチは僕はフォローで全然できないくらい足が悪く難しいスラブ。

マルチ用のサイズの大きいフューチュラでは太刀打ちできないので、ジャストサイズを持ってくることを決意。

・6ピッチ目(5.11a)

担当:み

このピッチもほぼボルトルートのスラブでTriangle Ledgeまで。

チームオンサイトは消えたけれど、自分のリード分だけでもオンサイトしたいと思い一応緊張は切らさずトライ。

しかし、左にハングを抜けるところで上に上がりすぎて、、、フォール。

む、むずい、、、。

まぁ下から迂回するようにいけば次はいけるだろう。

ということで2人仲良くスラブパートのオンサイトを逃す。

・7ピッチ目(5.9)

担当:む

レイバックでHalf Dollar(右上に見える突き出たバルジ?ハング?)の下まで。

特に問題なしのピッチだけれど、常に足が滑りそう。

この時点で15時半なので最後はヘッデン装着を覚悟。

・8ピッチ目(5.10b)

担当:み

Half Dollerを右から巻いていく。

トポにもslick(すべりやすい)とあるので、気を付けていったが、チムニーに入り込むワイドっぽいところで派手にフォール!

すべったというよりは普通に難しい。

しかもおしりを強打してズボンまで染まるくらい血がすごい出てしまった、、、激痛ではないけれど明日以降のクライミングに支障がないと良いが。

もはやヨセミテはグレードあんまり関係ないな。

5.11bよりもこの5.10bの方が悪く感じる。

そして僕は担当の3ピッチの内2ピッチで落ちている、、、不甲斐ないがスラブとワイドの技術不足なのだろう。

しかし面白いピッチであった。

・9ピッチ目&10ピッチ目(5.7と5.7をリンク、80mロープでいっぱいに近い。70mでもいけるか?)

担当:む

問題なし。

暗くても乗り切れる難易度のピッチが最後で良かった。

ほぼ真っ暗な中Mammoth Terracesに到着。

ここからHeart Ledgeに降りるダウンクライムのピッチも実は5.10dでそれも「Free Blast」に含まれるのかどうか不明だったけれど、もう暗いので残置のフィックスを使用して懸垂下降。

そしてHeart Ledgeからは残置ロープで5回くらい懸垂下降して地上へ。

21時くらいになっていたので、本当に疲れた。

でも2年前になんにも知らなかった僕らが、下1/3とは言えEl Capに辿り付けたのは感慨深かった。

もちろん3つのピッチでRPを逃しているのでフリークライミングで辿り着いたわけではないけれど、それでもまず1歩目を踏み出せた。

忘れられない日。

感じたこと&メモ

現時点でブログがすごい長文なので、感じたことはいろいろあるけど超簡単に。

マルチでの圧倒的遅さをどうするか

「Free Blast」をやってわかったけれど、とにかく圧倒的に僕らは遅い。

何が遅いのかと言うと、準備、登り、ロープワーク、休憩の長さ、全てが原因なのだけれどここを今更焦っても危険になるだけだ。

結局は瑞牆などでの継続登攀の経験不足ということが根本原因なのだけれど、このツアーでなにか改善をしなければ「Astroman」などのより時間がかかるマルチは絶望的だ。

考えられる処方箋は

・行動できる時間を長くする。ex)朝早く出る

・安全にスピードを上げる。ex)下部ピッチを何度もやるなどしてスムーズにしておく

・遅いことを受け入れる。ex)下降路を事前確認するなどして、ヘッデン装着でも安全に乗り切る

・ワンプッシュやフリーを諦める。ex)下部に事前にフィックスを張る。エイド交じりでも良いからとにかく切り抜ける

などでしょうかね。

食事シリーズ

2年前はほとんどスーパーで買ったものしか食べていませんでしたが、今回はむつきシェフが色々作ってくれます。

それでも本格的に料理をしている方々とは比べられませんが。

でもどれも僕の写真スキルがないので質素に見えますが、肉肉しくて美味しいです。

<牛肉、ブロッコリー、コーン>

<ベーコン、ブロッコリー、トマト、サンフラワーの種>

<みきやシェフのインスタントラーメンwith卵&ベーコン。笑>

ではまた!

<ヨセミテ日記その3,4,5,6>

ヨセミテでクライミングだけを考える日々 2018 Day13~18

ヨセミテでクライミングだけを考える日々 2018 Day19~24

ヨセミテでクライミングだけを考える日々 2018 Day25~30

ヨセミテ(とジョシュアツリー)でクライミングだけを考える日々 2018 Day31~37