2018年ヨセミテツアーのクライミング動画
今回のヨセミテ・ジョシュアツリーのツアーでいくつか動画を撮りました。
興味がある方もいるかもしれないのでアップしておきます。
特にオンサイト狙いではなくて、かつ海外でのクライミングがどんなものか観てみたい人の参考になれば!
せっかくなのでただ動画をアップするだけでなく簡単に課題の情報とかコメントを書いておきます。
Crimson Cringe クリムゾンクリンジ
エリア:Yosemite Cascade Falls Left
グレード:5.12b(過去は5.12aだったが最近のトポでは5.12bとなっている)
初登:Ray Jardine, John Lakey (1976年)
備考
ヨセミテで登ったクラックの中で最も印象深い1本。
当初は触りたいルートの内の1つくらいに考えていたが、実物を見て非常に衝撃を受けた。
核心こそクラックの始まりのフィンガーパートだが、その後に延々と伸びるハンドクラックは圧巻。
全長50mスケールで日本でこのクラスはスーパー赤蜘蛛のスーパークラックくらいしかないのではないか。
それとクラックに入るまでの5.7がボルト1本で10mくらい上がるため怖い。
初登者のRay Jardineはカムのフレンズの開発者であり、初登はなんと1976年!
Fish Crack フィッシュクラック
エリア:Yosemite Cascade Falls Left
グレード:5.12a(過去は5.12bだったが最近のトポでは5.12aとなっている)
初登:Henry Barber (1975年)
備考
1975年初登のメガクラシック。
上に挙げたクリムゾンクリンジに負けないくらいのカッコよさ。
まるで刀で切ったようなスパッとしたフィンガークラック。
フィンガージャムでいくか、レイバックでいくか、登り方が問われる。
そしてこちらも出だしが10mくらいノープロテクションで、クリムゾンクリンジの最初よりは落ちる気はしないが少し怖い。
Separate Reality セパレートリアリティ
エリア:Yosemite Above the Cookie
グレード:5.11d(過去は5.12aだったが最近のトポでは5.11dとなっている)
初登:Ron Kauk (1978年)
備考
クラックをやらない人でも知っているであろう、このあまりにも有名過ぎるルーフクラック。
初登者のRon KaukはMidnight Lightningの初登者としてボルダラーにも知られている。
そしてWolfgang Güllich(ギュリッヒ)のフリーソロもクライミング史に刻まれる出来事であろう。
本当に自然が作った芸術的なクラックだと思う。
絶対に登るべき1本。
Bircheff-Williams 1P目 バーチェフ-ウィリアムズ
エリア:Yosemite Middle Cathedral
グレード:5.11b
初登:Phil BircheffとSteve Williamsにより1966年にエイドで登られ、Kevin WorralとGeorge Meyersにより1973年にフリー化された
備考
それほど有名ではないマルチだが、この1P目だけでも登る価値あり。
フィンガージャムに加えステミングとプッシュを主体に登っていくという動きそれ自体が面白い。
ハッキリとした核心の後にウィニングロード的なワイドクラックがあって登り終えると充実感がある。
Twilight Zone トワイライトゾーン
エリア:Yosemite Cookie Cliff Left
グレード:5.10d
初登:Chuck Pratt, Chris Fredericks (1965年)
備考
キャメロットの6番サイズに始まり徐々に4番サイズになる、逃げ場のない真っ向勝負のワイドクラック。
ロケーションも良い。
僕がワイドの魅力に気づくきっかけになったルートで、またワイド技術を習得するのに本当に練習になった。
そして初登はなんと1965年、、、。
50年以上も前にここを登ろうと考えた人がいたことが信じられない。
Cedar Eater シダーイーター
エリア:Yosemite Happy Isles
グレード:V5
初登:Cedar Wright
備考
珍しいワイドクラックのルーフボルダー。
Yosemite’s Bestには入っていないけれど★4つ。
しかも全長8~10mくらいはあるように思えて、威圧感が半端じゃない。
乏しいトポの情報から探し当てた瞬間は思わず声が出た。それくらい見た目の衝撃はすごい。
実際に登るとワイド技術はほとんど無くても登れるがとにかく苦しい。
Cedar Crack シダークラック
エリア:Yosemite Lost Boulder
グレード:V5
初登:Cedar Wright
備考
こちらはCedar Eaterとは一転、ベーシックなルーフでのクラック技術が求められる好課題。
フィストやワイドハンドから始まりシンハンドもありつつ最後はワイドクラックでフィニッシュ。
ジャミングの練習にももってこいだと感じる。
ホーストレイルから見える位置にありアプローチはしやすい。
Bachar Cracker バーカークラッカー
エリア:Yosemite Camp 4
グレード:V4
初登:John Bachar
備考
2年前にボルダーのみをやりにヨセミテを訪れて、Yosemite’s Bestにあるからと初日に手を出してド敗退した思い出深い課題。
ハンドジャムはもとより、フィンガージャムの強さと正確なフットジャムの技術が求められる。
それにしてもV4は辛い。
核心の一連のムーブは5.12後半クラスのルートで出てくるようなものではないか。
こちらもCamp4からアプローチ3分なので取りつきやすい。
Circuite Breaker サーキットブレーカー
エリア:Yosemite Curry Village
グレード:V2(トップロープで5.11b)
初登:不明
備考
こちらも素晴らしい弓なりのフィンガークラック。
Yosemite’s Bestに入っている。
最初の数歩が悪いが途中から足も手も良くなるので、5.11bと考えると登り易い。
しかし高さがそれなりにあるので上部は落ちられない。
Stem Gem ステムジェム
エリア:Joshua Tree Hidden Valley Campground
グレード:V4
初登:John Bachar
備考
ジョシュアツリーからも1本だけ。
ジョシュアツリーではほとんど課題は触れていないけれど、このStem Gemはマストなボルダー課題なはず。
しかもなんと初登はJohn Bachar!
出だしからユニークなムーブでスラブパートもずっと気が抜けない。
そして登ってみてわかる下降に必要な勇気、と全ての構成が完璧。
僕はもうそんなに気にせず出だしにマットを積んでみんなとセッションして登ってしまったが、むっちゃんは後日なるべく最小限のマットでスタートしてくれた。
結構動画がたまっていて10本にもなってしまいました。
これにてヨセミテ・ジョシュア関連のブログ記事は一旦おしまいです。
長いこと付き合って読んでくれたみなさんありがとうございました。
色々と書きたいことが溜まっている!
お楽しみに。
-
前の記事
2018年ヨセミテツアーで登ったルートの系統分類 2018.11.28
-
次の記事
あの海外クライマーは何歳? 代表的なクライマーの生まれ年 海外編 2018.12.04