2019年第32回リードジャパンカップ予選 波乱の展開

2019年第32回リードジャパンカップ予選 波乱の展開

2019年第32回リードジャパンカップ(LJC)の予選が昨日行われました。
本日の準決勝・決勝に向けて簡単に振り返ります。

<予選の様子>

 
 

ルート概要

予選は男女それぞれ2本のルートにトライした。
左から
女子1:黄青
男子1:ピンク紫
男子2:青白
女子2:黒赤

女子はルート2にダブルダイノが入るなどダイナミックな動きも見られたが、全体的にはピンチありカチありでじわじわと持久力を試され、最終局面にいくに連れてハードになる構成。
一方で男子は両ルートともにフットホールドやポジション取りが悪くストレスのたまる内容。
特にルート1ではいくつかムーブを起こすことが難しい箇所もあり、最上位陣も含めて中には腕が張る前にスリップのように落ちてしまった選手もいた。またルート2ではクリップに苦戦する選手も見られた。

 
 

総評

リザルトはJMSCAのページにて。

女子はルート1が谷井選手、平野選手の2名のみの完登と非常に厳しいものであった。
この2選手は両ルート完登で並んでトップ通過。
特に谷井選手はルート1を終了点の手前から最終カラビナにクリップして完登を決めた上で、さらに終了点に力を残して飛び付くという離れ業で実力を見せつけた。
昨年まで頭1つ抜けていた野口選手、森選手を抑えてこの2名がトップ通過したことで、女子もいよいよ群雄割拠の時代が訪れたという印象を受けた。

男子は大波乱。
ワールドカップなどの世界大会でも活躍する緒方選手と波田選手がまさかの予選落ちという誰も想像しなかった展開となった。
優勝候補の楢﨑明智選手も25位タイでギリギリ通過など有力選手でも力を出し切れなかった選手も多かったようだ。
特にルート1が完登者0人と類を見ない難易度設定な上に、力があっても中間部でフォールしてしまい高度を稼げなかった選手もいた。
更にルート2もボルダリーなムーブの連続でクリップを含めて全く気の抜けないルート。
そんな中で絶好調だったのは清水選手。
清水選手はルート2を一番乗りで完登すると、ルート1もただ一人終了点直下のピンチ地帯まで行きトップ通過。
2位通過はBJCでの雪辱を誓う原田選手、そして3位通過の楢﨑智亜選手はルート1で思わぬスリップをしたものの身体のキレは随一でありルート2は恐らく全選手で最も余裕を持って完登していたであろう。

 
 

予選ルートの完登者数・完登率の歴代比較

記憶の内では最も難しい予選であった気がするので、過去の予選ルートと完登者数と完登率を比較してみる。
本大会はLJCの名が付いているものの、予選が2本のフラッシング形式であることや開催の位置付けなどは明らかに日本選手権の流れを継いでいるので日本選手権と比較する。
また2016年はユース選手権との併催であったため、参加者がかなり多くそのために完登率が下がっていることにも注意。

過去の6大会では予選ルートで完登者が出なかったのは今回の男子ルート1が唯一。
2016年こそ完登者数が少ないルートもあったが、例年だと10人~20人程度完登がでることもある。
そういう意味では男子ルート1のみならず、今回の男子ルート2の4人完登、女子ルート1の2人完登というのもかなりの難易度設定であったということがわかる。

では果たしてグレードはどの程度だったのであろうか。
2017年までは大会要項に
「予選は男子5.13a以上、女子は5.12c以上のルートを予定」
という文言があったが、2018年からその一文が消えた。
そして選手やセッターからは体感として、2017~2018年などはルートによっては男子が5.13c、女子は5.12d程度だという話も聞いた。
例年選手のレベルが上がっているにも関わらず今年はここまで完登率が低いということは、これまでと比べてもグッとグレード設定が上がっているのであろう。
予選のYoutubeライブに来ていただいた選手の話では、男子ルート1などは5.13dかもしかすると5.14aに差し掛かっている可能性もあるとのこと。
また女子のルートも完登率の低さから確実に5.13aはあるし、ルート1に関しては5.13の中盤に差し掛かっているのかもしれない。
いずれにせよ相当ハードになっていることは間違いない。

 
 

2日目のスケジュールなど

本日は準決勝と決勝が行われる。
準決勝のYoutubeライブはこちらで10時より!

またスポーツブルでも予選に続き準決勝・決勝をライブ放送予定。

決勝は上記のスポーツブルに加えて、
Abema TV
スカイA
でも以下の日程でライブ放送あり。
決勝:3月3日(日) 14:30~17:30



さぁどのような展開とドラマが待っているのか。
楽しみですね。
選手の皆さん、がんば!