リードクライミングのコンペ出場者年齢推移

リードクライミングのコンペ出場者年齢推移

毎日ブログが終わったのに、いきなり翌日更新するスタイル!
ちょっとした思い付きを記事にすることのハードルが下がって良い感じですね。
今回は週末にある2019年第32回リードジャパンカップ(LJC)の出場者年齢の推移に関して気になったので調べてみました。

<第32回LJCの参考記事>

 
 

リードコンペ出場者は急速に低年齢化したのか

LJCに出場するジャンボ先生が先日「30代が俺しかいない」とつぶやいていたので、そんなバカなと出場者リストを調べてみると、、、本当にそうだった。
しかも高齢2番手は男子ではバリバリ日本のエースの杉本怜選手の27歳、そして女子に至っては最高齢は絶対女王である野口啓代選手の29歳!
なぜか急速に低年齢化が進んでいる、というか30代以上くらいのベテランクライマーが出場しなくなっているのです。

しかし以前も
「男子BJCトップ選手が低年齢化した!」
「女子のユースCが急激に台頭してきた!」
などと感覚で話したら、調べてみたら意外とそうでもなかったということもありました。
これらの記事も少し古いので今見たらわからないですがね。

<男子トップボルダラーは低年齢化しているか>

<女子のユースCは台頭してきたのか>

というわけで今回も安易に
「リードコンペ出場者が低年齢化している!30代以上がいきなり減った!」
と結論付けずに、きちんとデータで振り返ってみようと思います。
(まぁ30代以上は1人になっているので、減っているのは明らかなのですが)

 
 

調べたデータ等

今回対象としたのは過去5大会の
・LJC2016
・日本選手権2017
・LJC2017
・日本選手権2018
・LJC2019(今回)
です。
日本選手権2016はユース選手権との併催でありややこしかったので、それより後から調べました。

また調べたものは
・出場者の最高年齢
・出場者の平均年齢
・30代以上の出場者の人数
です。
ただしLJC2017は一部年齢の不明な参加者がいたので、それの出場者は除外してカウントしました。
またLJC2017は日本選手権と大会が一本化される最後の大会であり、代表選考大会から漏れたこともあったため、出場者の人数が大幅に減り出場者傾向も例年と異なっています。

 
 

5大会のリードコンペ出場者の年齢推移

それではさっそく見ていきましょう。
まずは男子から。

 

男子

赤が最高年齢、青が平均年齢です。

これは、、、想像以上に今年になって突然「低年齢化」&「30代以上の減少」が起こっています。
データが間違っているのではと思うほどの急激な変化ですね。

まず平均年齢がそれまでは21歳前後だったものが18.7歳へと、2~3歳若返っています。
平均がここまで変わるのは驚きです。

そしてそれまで出場者の最高齢は40歳を越えていたのが、32歳へ。

さらに特筆すべきは30歳以上の選手が10人ほど出場していたのが一気に1人へ!

男子に関しては明らかに低年齢化と30歳以上の出場者の現象が起きたと断言できます。

 

女子

続いては女子。

女子は実は今年は去年とほとんど変化がないですね。
平均年齢も最高年齢もほぼ同じ。
今回というよりは、ここ5大会のなかでは2017LJCを境に30代がいなくなったという変化が最も大きいかもしれません。
なので女子に関しては低年齢化も30代以上のクライマーの減少も今年に始まったことではないとわかりました。
また、野口選手はまだまだバリバリの現役なので、来年は確実に30代が1名はカウントされるでしょう!

 
 

なぜ男子リード出場者の年齢に変化が起きたのか

ではなぜ男子が今年になって急激に出場者の層に年齢的な変化が起きたのでしょうか。

1つ原因として考えられるのは、去年まではリードの大会は希望者が全員出場できたのに対して、今年から「公認予選競技会」が導入されたという点です。
これによって出場のハードルが少し上がり、予選免除資格を持っていない場合は本大会の前に1ステップ予選大会に出場しなければならなくなりました。
これによって30代以上の選手が気軽に出場しなくなった可能性はありますね。

もう1つは上の理由とも関係しますが「LJCや日本選手権が日本の代表を決める大会、もしくはオリンピック出場を見据えた大会」のような色合いが濃くなったという面もあるでしょうか。
これまでは代表は狙っていなくても力試し的に参加してみるという選手もいたのかもしれませんが、昨今は大会が代表選考の場という雰囲気が強くなり、将来を見据えて低年齢層のユースクライマーは出場するけれど、大人は代表選手以外は出場を控えるというような傾向になっているのではないでしょうか。
憶測の域を出ませんが、なんとなくそんな空気感がある気がしますね。


もうちょっと詳細に考えるなら、ユースC、ユースB、ユースA、ジュニアのどの層が一番参加者が増えているのかなども見ないといけなかったのですが、ちょっと大変なので今回は割愛します。

男子においてもコンペ出場者の傾向が大きく変わったのは興味深いですね。
ただ逆にこの反動で草コンペなどで30代以上とか40代以上などのものをよく見掛けますし、もしかするとその傾向は強まるのかもしれません。
クライマーである限りはどこかで自分の力を爆発させたいと思っている人は一定数いると思いますしね。
ではこんなところで。
選手のみなさん、明日明後日がんばです!