第15回ボルダリングジャパンカップ　予選の概要

本日2020年2月8日（土）に第15回ボルダリングジャパンカップ（BJC）の男女予選がおこなわれました。
課題の概要やデータ、予選の展開、明日への展望などを書きます。

＜予選YouTube＞

BJC予選のルール

BJCは男女ともに
1日目：予選
2日目：準決勝、決勝
です。

予選参加人数は男子が60人、女子が47人でそれぞれ1グループとなっています。
男女それぞれ5課題にチャレンジし、成績上位20名が2日目の準決勝に進出できます。
成績は
・完登数
・ゾーン数（中間地点）
・完登に要したアテンプトの少なさ（＝トライ回数の少なさ）
・ゾーンに要したアテンプトの少なさ
の順に評価されます。

課題概要

男女同時進行でしたので、課題概要を男女合わせて説明します。

左から順に、
男子1課題目（黒、黄）
女子1課題目（黒、ピンク、オレンジ）

女子2課題目（紫、黄）
男子2課題目（緑、白、木製）
女子3課題目（青）

女子4課題目（黄、黒）
男子3課題目（緑、黄）

男子4課題目（青、白）
男子5課題目（赤、青、木製）
女子5課題目（青、黄）

課題タイプは以下のイメージ。

男子は
1課題目：真っ向勝負のポケット系だけれど、出だしの左プッシュなどバランスを随時崩されそう
2課題目：男子唯一のスラブ。ゾーンのガーリックサーフ取りに色々なパターンがあり、またゴール取りマッチともに足が非常に悪い
3課題目：出だしのコーディネーションから、上部はピンチとカチで大きなデッド
4課題目：スローパープッシュ系で最後は、プッシュしつつのデッドか厳しいヒール
5課題目：足も非常に難しいピンチスローパー系の真っ向勝負。ラストのアンダーからのドーンも強度高し

女子は
1課題目：オーソドックスなカチやピンチの保持で、角度の厳しいピンチからラストのスローパーへの距離出しが核心
2課題目：外傾ホールドでバランスをとって登る
3課題目：デュアルホールドを悪い足でもしっかり引き付けて登る
4課題目：出だしのコーディネーションから、非常に厳しいスローパーデッド
5課題目：スラブ気味。向きと保持の悪い手でバランスを崩されながら登る

リザルト、完登率、等

リザルトはこちらの公式大会成績速報ページから見られます。
男子はいずれの課題もアテンプトがかさむものであり、予選通過ラインは3完登3ゾーンで完登のアテンプトが12以内。
女子は4課題目がなんと完登者0人であったものの他の4課題は比較的登りやすく、予選通過ラインは3完登4ゾーンで完登のアテンプトが7以内でゾーンのアテンプトが9以内。

以下課題ごとのデータまとめです。

男子はどの課題も平均アテンプトが非常に高いです。
平均アテンプトが2以下が無く、3前後の課題ばかりというのは選手にとってはかなりプレッシャーに感じまた疲労も溜まったと思われます。
完登率が8割近く登りやすい1課題目を確実に拾うことがまずマスト。
その上で最難の5課題目は置いておいて、2,3,4課題目の中からどれか2つをできる限り少ないアテンプトでまとめあげて得意系をなんとか登り切る必要がありました。

女子は4課題目はゾーン取りまでかもしくは捨てるとしても、残り4課題を全て拾い切ったクライマーが16人とかなり多かったですね。
3完登であってもトータルのアテンプトを7までに抑えるという、登り切れる課題を着実に1～2撃する力が求められました。

総評、明日の展望

男子は昨年WC優勝経験者の緒方選手と決勝常連の村井選手が予選落ちしたことがまず大きな波乱。
それくらいとてもハイレベルな課題セットだったということでしょう。
残りはやはりベテランや経験豊富なクライマー勢が強く、終わってみればお馴染みの顔触れが多いです。
原田選手、土肥選手、楢﨑智亜選手は貫録を見せつける全完登で1,2,3位。
強傾斜真っ向勝負系が多く、それを得意とする2人の山内選手や川又選手は輝いていましたね。
しかしそんな中でも小西選手、佐野選手、星選手など新たな風も準決勝に進み大きな期待が明日にかかります。

女子は松藤選手のトップ通過がセンセーショナルですが、方々から「かなり実力がついている」という噂はあったのである意味サプライズではないのかも。
以下特段の大きな波乱はなく、森選手、伊藤選手、野口選手、小武選手などなど有力どころは上位で確実に突破。
昨年の覇者野中選手が4課題目のゾーン取りができず12位と少し出遅れていますが、ほぼ誤差という感じで明日に向けて問題はないでしょう。
女子も、初出場の野部選手が4位、最年少13歳の抜井選手が15位などニュースター誕生の兆しはあります。


通過した選手のみなさん明日もがんばってください！
僕も準決勝はYouTubeで9:30から実況解説させていただきます。

＜第15回BJCの準決勝チャンネル＞