第13回ボルダリングジャパンカップの予選の概要
本日2018年2月3日(土)、第13回ボルダリングジャパンカップ(以下、BJC)の予選(1日目)が駒沢オリンピック公園にて行われました。
僕は前回の記事でYouTubeで実況をやるといっていたにもかかわらず、なんと人生初のインフルエンザで会場入りできず、、、。
大人しく家から観戦していました。
<前回記事>
何もしないのも悔しいので僕が観た範囲で予選の概要を簡単に書きたいと思います。
BJCの予選とは
BJCは男女ともに2日制で行われ、
1日目:予選
2日目:準決勝、決勝
となっております。
5課題にそれぞれチャレンジし、男女とも成績上位者20名が2日目の準決勝に進出できます。
成績は
・完登数
・完登に要したアテンプトの少なさ(=トライ回数の少なさ)
・ボーナス数
・ボーナスに要したアテンプトの少なさ
の順に評価されます。
女子予選
まずは午前に行われた女子の予選の様子から。
課題概要
課題は以下のような感じで
1枚目左から:A1,B1,A2,A3,B2
2枚目左から:A5,B3,B4,A4,B5
となっています。
A1とB5が初手が少し横に飛びつくようなランジ課題で対となっています。
A5とB3は壁の形状やホールドのシリーズが微妙に違うものの緩傾斜バランスのミラー課題。
A4とB4の黒い課題はゴール前が多少違い、Aの方がよりパワフルですがミラーに近い課題。
全体的に難しいコーディネーション系は抑えられ、足やバランスが悪かったり、壁に身体を入れ込むような課題がある印象。
要所要所にカチやピンチの保持を要する課題も見られました。
リザルト
リザルトは公式大会成績速報のページから見ることができます。
AグループとBグループともに5課題中4完登の5アテンプト以内が準決勝進出のラインです。
完登率など
課題ごとの完登率や平均アテンプト数を出してみました。
ちなみに平均アテンプト数は完登した人のみを母数として平均を取っています。
これを見ると両グループともに4課題目(黒)が最難課題で、次いで3課題目(Aはガーリックサーフの右側、Bはムラサキ)が難しかったようです。
また1課題目もそれなりにやり易くなっており、ベルトコンベア形式のセオリーに従った素直な組み合わせだと言えます。
Bの5課題目(黄色いランジ)に関しては30名中22名が1撃しており、参加者のレベルを考えると難易度が簡単すぎたかもしれません。
またBの2課題目(青と黄色)を除くと、他全ての課題でボーナスの獲得率が90%超えており、ほぼボーナスが成績に関与しなかったかもしれません。
予選通過者は全員全てのボーナスを獲得したので、仮に新ルールに則って完登のアテンプト数よりボーナス(ゾーン)獲得数を優先したとしても準決勝進出の顔ぶれに影響はありません。
総評・注目選手など
全体を通して見てみると、去年よりもだいぶ難易度は抑えられ選手は「全完登」ないしは「4完登で1度までしか落ちられない」というある意味緊張した予選だったのではないでしょうか。
ただ観戦する側としてはわかりやすかったのかもしれませんが。
結果として4完登した中でアテンプトがかさみ惜しくも予選敗退してしまった選手も見られましたが、ワールドカッパーや昨年のファイナリストなどは皆通過し大きな波乱はない展開だったでしょうか。
予選で輝いていたのはAグループではアテンプトこそかさんだものの全完登した坂本朱里選手と木下茜選手。
他に全完登したのは伊藤選手、野中選手、尾上選手、工藤選手という並み居る強豪なのでこの位置に付けたのは明日に向けて期待大です。
Bグループでは中村真緒選手が5完6アテンプト、番場香月選手が5完7アテンプトで3位と4位という高順位で予選を通過しました。
また最後に14アテンプトながら全完登で予選突破を決めた小島果琳選手も注目でしょう。
男子予選
続いて午後に行われた男子予選。
課題概要
課題の並びは女子と全く同じです。
1枚目左から:A1,B1,A2,A3,B2
2枚目左から:A5,B3,B4,A4,B5
黄色と青のホールドからなるA4とB4はほぼミラー。ランジで始まり、最後もピンチ力がモノを言います。
A3とB2の最終部も左手の甘いホールドからドーンが似ているけれどミラーというほどではないです。
やっていないのでわからないですが、AとBで課題タイプはちょっと違ったのではないでしょうか。
ただ全体としてはカチやピンチの保持あり、バランスあり、ランジあり、コーディネーションあり、の盛りだくさんな印象を受けた課題セット。
どの課題もゴール取りまで全く油断ができません。
リザルト
女子同様にリザルトは公式大会成績速報のページから見ることができます。
Aグループは3完登3アテンプトが
Bグループは3完登3アテンプトのボーナス4つが
準決勝進出のラインです。
完登率など
どちらのグループも女子とはガラリと変わって厳しい完登率の課題が並びます。
A,Bともに第1課題が最もウェルカム課題。
とは言え完登率は6~8割であり決して易しくはありません。
これに加えて、A,Bでミラー課題であるランジから始まる第4課題を確実に登らなければなりませんでした。
その上で残りの課題から2つ登って4完登とするか、1つだけ登って全てオンサイトが要求される非常にレベルの高い予選。
どこかで「ワールドカップより厳しいBJC」と言われていて、さすがにそんなことあるかいな、と思いましたがあながちウソではないのかもしれない。
それとルールが違うのであまり言及したくないのですが、絶対に突っ込む人がいると思いますので新ルールだったらどうなったかも考えてみます。
Aは3完登3アテンプトのライン上の波田選手は5つボーナス(ゾーン)を取っているので結果は変わらず。
Bの場合は3完登3アテンプトの堀創選手と渡辺海人選手はボーナス(ゾーン)が4つだけなので、3完登でボーナス(ゾーン)を5つとっている野村真一郎選手と沼尻拓磨選手と入れ替わることとなります。
まぁでもルールがまだ違うのでこれはあくまで参考としてください。
総評・注目選手など
こんなに厳しいセットにも関わらずAは全完登が8名、Bは3名出ました。
一方で2完登以上できた選手はAで21名、Bで19名と半分より少ない人数しかいません。(どちらも47名参加)
これはつまりどういうことかというと、率直に上位陣は多く完登しているが、中下位陣が全然完登できていないということなのです。
これは実力差が大きいと見るか、いすれの課題もレベルが高く実力がほんのちょっとでも足りないと軒並み課題をこぼすことになる、とみるのかは難しいところです。
しかしこの課題でも通過者は概ね前評判に近い顔ぶれだったのではないでしょうか。
ワールドカップランキングを持つ選手はどちらのグループも全員予選を通過しています。
(棄権してしまった楢﨑明智選手を除く)
注目選手はAグループは何と言っても首位通過の村井選手。
見るからに動きのキレがありました。
友人でありライバルの山内誠選手も昨年の雪辱を晴らし、元王者としての意地を見せました。
また日比野選手は予選初通過です。
Bグループは藤井選手に並んで1位通過の樋口選手の活躍が目立ちましたね。
昨年予選落ちと辛酸を舐めましたが遥かにパワーアップして帰ってきました。
また同様に昨年悔しい思いをした高田選手も4位通過。
初通過は緒方選手の幼馴染である名嶋選手と、日本のリードの圧倒的エースである是永選手です。
明日の準決勝・決勝の展望
強豪選手がギリギリの通過となったケースもありましたが、蓋をあけると大きな波乱は無しであった予選でしょう。
女子は課題の難易度を大分抑えていたので明日は一段も二段も難易度の高い課題へと変貌する可能性あり。
もっと真っ向勝負がでるかもしれませんね。
男子は課題セットが難しかったとはいえ上位陣は全完登。
つまりこれでも差が付かないのでこちらもグレードは相当上げて絞ってくるでしょう。
男子は本当に誰が残るか全くわからないですね。
では明日もみんなで応援しましょう!
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