僕の中に溜め込まれた音楽

僕の中に溜め込まれた音楽

このブログでは本の話を書くことは多々あれど、音楽について書くことはほとんどなかったように思う。
Youtubeが登場し、学生時代という時間が有り余る生活スタイルが終わり、そしてスマホという隙間時間を潰す最適の友が現れたことで、音楽を聴くというライフスタイルは僕の場合はガラリと変わってしまった。
学生時代は気に入ったアーティストを見つけたらあらゆるBOOK OFFをチャリで駆け回ったり、TSUTAYAやタワレコへ行ったりして、アルバムを出来る限り遡って手に入れ、歌詞を覚えられるくらいまで聴きこんだ。
解散していないアーティストならばライブにも足を運んだ。
しかし社会人になってからの20代中盤くらいからは、まず繰り返し同じ曲を長期間聴き続けるという行為がほぼなくなってしまった。
その音楽を聴いた瞬間は良いと思ってリピートしても、1ヶ月後くらいにはもう忘れている。
そしてまずアルバムという単位で購入しない。
作業や通勤でも適当にYou tubeでミックスリスト的なやつを流す。
そう、まるっきり音楽の聴き方が変わってしまったのだ。
言うなれば、音楽を宝物のように拾い集めて自分の中に貯め込んでいく時代は過ぎ去り、完全に川の流れのように右から左へ消費するようになってしまった。

しかし毎日ブログで自分自身の思い出的なことを少しさらけ出している今、せっかくなので僕がこれまで聴いてきて、自分の血肉の様に貯め込まれている音楽、今でも時折頭の中で流れ出したりふと聴いてみたくなるようなアーティスト達のことを振り返ってみようと思う。


<引っ越しで大量のCDはデータ化していたのでほぼ捨てたけれど、捨てられなかったものもいくつか>

 
 


ジャパニーズヒップホップ 主体的に音楽を聴くことの目覚め

僕が音楽に興味を持ち出したのは遅い方だと思う。
小学校の頃などは、母親の影響でスピッツなどは好んで聴いていたが、自らアルバムなどを捜し漁ったりすることはなかった。
初めて自分が主体的に音楽を聴くようになったのは2000年前後のジャパニーズヒップホップブームからだと思う。
Dragon Ash、Rip Slyme、Kick The Can Crew、ケツメイシ、などがヒップホップをメジャーに押し上げて周りで爆発的に流行った。
特にDragon Ashは僕が初めてハマったアーティストであり、初期のミニアルバムから聴きまくった。
なんせ僕の初めてのメアドはdowntown.dragonashだったという黒歴史があるくらいだ。
『Buzz Songs』や『Viva La Revolution』なんてアルバム通して何百回と聴いたと思う。

 
 

青春パンクと共に過ごした高校時代

高校に入ると友人の影響もあって所謂ブルーハーツチルドレンと呼ばれるGoing Steady(銀杏Boyz)、Stance Punks、ガガガSP、The Lilac、などなど青春パンクバンドを好んで聴いた。
ゴイステの『Boys & Girls』とか『さくらの唄』はなんかもう当時好き過ぎて擦り切れるほど聴いていたから、逆に今はほぼ聴かないというか聴けない。
色々思い出がフラッシュバックするし、単純に今聴いたら共感できなそうで怖いというのもある。
音楽には聴くべき年齢というものは確実にあるだろう。
この時期から大学生の初期にかけてライブにもよく行くようになって、とにかくライブ会場でモッシュしたりダイブしたりはしゃいでいるその辺のウェーイ系学生と同じようなものだったかもしれない。
一番思い出に残っているのはRock In Japan Fes 2005。
死ぬほど暑い中、サンボマスターのありえないくらいの熱量で始まって、その後銀杏Boysの峯田がステージ上で突如全裸になり警察に書類送検された。
でもなんかとにかく何か溢れんばかりのエネルギーが自分の中にほとばしっていた。

 
 

97年組などを好んで聴いた大学時代

高校時代から大学時代の初期はウェイウェイ言っていたのに、大学時代の後期に入ると次第に意識高い系に自分も周りも変わっていく。
それに伴って音楽の趣味も変わる。
僕はスーパーカー、くるり、Number Girl、などの所謂97年組を好んで聴くようになった。
その他にハマったのは、ゆらゆら帝国、Fishmans、Polysicsなど。
既に解散しているバンドも多く、Number Girlなどは生でライブを観たことがなかったので、この間の復活ニュースは超歓喜。
でも一度だけ向井秀徳が大学に来てライブしてくれて、そんなに人もいなかったからステージに上がってみんなで肩組んで歌ったりしたということはあった。
そして僕が1つだけ好きなアーティストを挙げろと言われたらスーパーカーかもしれない。
『スリーアウトチェンジ』、『Jump up』、『Futurama』、『High Vision』、『Answer』とフルアルバムは5つしか出していないのに、その5つに流れと言うかドラマがある。
初期の青春ポップっぽい感じから終盤のテクノっぽい感じまでどこをとっても常に進むべき方向を模索していて、そして短く散っていく。
何度聞いても飽きがこないので今でも聴き続けられるアーティスト。

 

今、唯一心を揺さぶられるアーティスト

冒頭にも書いたけれど大学卒業間近~社会人になってから1つのアーティストを追いかけることはほとんどなくなった。
しかしandymoriは唯一心を揺さぶられ、その全アルバム全曲を追いかけたアーティストかもしれない。
何がそんなに琴線に触れるのかはわからない。
ボーカルの小山田壮平の声、キャッチ―だけど少し変則的なメロディ、勢いがあるけれどどことなくセンチメンタルでちょっと悲壮感もあるような歌詞。
2014年に解散したけれど今もALとして再結成しているので、ウォッチしている。
なんか思い出話の勢いで書いてしまうが、ヨセミテからジョシュアツリーに行く途中の荒野を早朝延々と運転しながらALの『Now Playing』を流して聴いていたら、その歌詞と風景があまりにマッチしてなぜか僕も妻のむっちゃんも涙が止まらなくなった。
音楽ってそれ単体というよりはその時の自分の状況とか、誰と聴くかとか、どこで聴いたかとかそいういうものと交ざってかけがえのないものになるのだろう。

<Now Playing>




とまぁこんな感じです。
書いていたらまた新しい音楽と出会いたくなってきたな。
ライブも行きたい。
ではまた明日!