クライミング天国!スコーミッシュ2019夏 後半戦
11日間のスコーミッシュトリップもあっという間に終わりを迎え、今空港で朝のフライトを待っています。
自分は成長を感じられたツアーになりましたし、なにより2人の力を合わせて最終日にAlaska Highway(5.11c~d, 5P)をチームオンサイトできたことが一番嬉しかったです。
簡単に感想や備忘録など書きます。
<前半戦>
<中盤戦>
Day 9 (8/31)
前日University Wallを登り終えた際は、”そこまで疲れはきていないかも。明日も登れるかな”と感じていたが、この日起きてみると身体はガタガタ。
というわけでほぼレストに充てることにして、むっちゃんが行ってみたいというMurrin Parkというエリアに。
トラッドからスポートまでアプローチの良いところに数多くのルートが揃っていてSmoke Bluffsと同様にビギナー層含めて多くのクライマーで溢れていた。
Daveとその友人のサムとも合流してPetrifying Wallへ。
スポートルートが特に充実しているエリアで登りごたえのありそうなものがずらっと並んでいる。
< Petrifying Wallの下壁>
Daveは宿題のFlight of the Challenger(5.12c)というルーフクラックをやっていた。
城ヶ崎チックで楽しそう。
この日は惜しくも完登を逃していたけれど、2日後に登れた!おめでとう!
<Flight of the Challenger>
むっちゃんはNo Name Road(5.11b)という30m以上のスケールがあり、壁の頂上まで抜けられるスポートルートにチャレンジ。
僕も後からやったけれどカチカチで結構悪い上にランナウトが激しいが、とても気持ち良いルートでこれは相当にオススメ。
僕はこの日は終始眠くてこの1本で終了。
むっちゃんも2便できちんと回収。
<No Name Road>
そのあとはむっちゃんがFlight~を触ったり。
登り終えた後はDaveオススメのSunny Chiba’sというイカしたメキシカンへ。
4人でチミチャンガというボリューム満点の揚げブリトーを食べて満足。
<Sunny Chiba’sの入り口。見た目はすごいけれど気軽なお店>
<チミチャンガ。食べきれなくて1/4くらい持ち帰った。笑>
Day 10 (9/1)
まだU Wallの疲れを引きずっていたが、ツアーは残り2日しかないのでショートルートを何か触りたいところ。
むっちゃんの捻挫の回復具合も見るためにSmoke Bluffsへ。
アップで触ったToken Brits Directという5.10dがめちゃくちゃに悪かった。
暑さと湿度もあって本当に落ちるかと思ったけれど意地でオンサイト。
そして今ツアーはマルチ中心とは言え、さすがに触らねばならないと思っていたZombie Roof (5.12d~13a)をようやくやってみることに。
ほぼ水平に近い傾斜だけれど手数は短め。
<Zombie Roof。綺麗にクラックが走っている>
やる前は、”よし!オンサイト狙うか”と意気込んでいたが、、、ファーストトライは序盤でカムを決めた後に足が抜けてフォール。
普通に危なかった。
2便目は回収が相当に面倒だったのでとりあえずカムを残してピンクポイントトライするも、再び落ちる。
これはきちんとムーブを作らないとダメだと思い、ムーブを固めて3便目。
ルーフ出口で足が抜けてまたもやフォール。
こ、これは結構悪いぞ。
5.13が付いているので悪いに決まっているのだが、トライした人が皆割と登りやすいというのでどこか心の中で”まぁ登れるだろう”と思っていたが3度落ちてしまい疲労もあってかなり焦る。
意を決した4便目はジャムやクリップの位置を相当明確にイメージして1手1手着実に決めていってなんとかピンクポイントながら完登。
カムをクリーンにしてレッドポイントしたかったけれど、明日マルチに行く予定もあるしここで終了。
ヘロヘロになりながら回収でもう1便出した。
蓋を開けれみればオンサイトだなんて全く自信過剰も甚だしかった。
でもZombie Roofはとっても面白いルートだったし、なによりひさびさに力強い傾斜クライミングをやって満足。
そのあとむっちゃんが簡単なルートでフットジャムを確かめたところ捻挫は回復傾向なようなので明日のマルチピッチはなんとか行けそう。
シャワーを浴びたり、キャンプサイトを片づけたりして帰国準備をして、明日のマルチの用意をして就寝。
Day 11 (9/2)
夜中に隣のサイトのパーティーがどんちゃん騒ぎで煩くなかなか寝れなかったことと、最終日で疲れていることもあって朝2人とも起きれず。
3度寝くらいしてすっかり周りは明るくなるといういつもの日本でのパターンに。笑
本当はこの日はAlaska Highway(以下AKH)からThe Calling(5.12a, 9P?)のいけるところまで繋げたかったけれど、とりあえずAKHをしっかり登ろうという予定に変更。
AKHの壁も綺麗だった。
<AKH>
9時半くらいにむっちゃんリードで1P目(5.10c)スタート!
<1P目。木登りからパワフルマントル→フィンガー>
マントルで苦戦したけれどあとはゆっくり着実に登ってオンサイト。
幸先の良いスタートを切る。
2P目(5.11c~d)はAKHのハイライトピッチで僕がリード。
写真だと伝わり辛いがルーフに感じるくらいの傾斜から始まる。
<2P目>
5.11+くらいのトラッドルートをオンサイトで登るということは今の僕にとってはギリギリのクライミングとなる。
それゆえになんとしてでも成功させて充実感を味わいたかった。
出だしはアンダーやレイバックで思い切って突破。
中間部のワイドっぽい箇所が登りづらくて躊躇したけれど確実に落ちないように探って登りここも切り抜ける。
大分力を使ったせいもあってか後半も何か所か危うかったが、”とにかく時間をかけても良いからここはオンサイトにこだわるんだ”と言い聞かせて持てる力を注ぎこんで進んでいき、完登!
これは相当に嬉しかった。
もしかするとこのツアーで一番達成感を得られたピッチかもしれない。
3P目(5.11a)のレイバックとグルーブっぽいピッチはむっちゃんがリード。
実はむっちゃんはこのツアーで5.11台のトラッドを登れていなくて少し落ち込んでいた。
でも僕は絶対にメンタルの問題だと感じていたから、何か1つきっかけがあればいつもの勢いが取り戻せるはずだと信じていた。
<3P目>
前半のレイバックパートはまだ怖さがあったのか過剰にカムを取っていてたけれど、それでも粘り強く切り抜けて波に乗ったように見えた。
そのあとのグルーブというかチムニーというかとにかくワイドチックな不思議なパートも安定して登っていき、むっちゃんはこのピッチをオンサイト!
何か壁を打破したように見えた。
ちなみに僕はこのピッチ、「できるだけ高速で登る」という内なるテーマを持って登ったところ超序盤で足を滑らせてフォローで落ちた。笑
って全然笑えないが、、、。
リードじゃなくて良かった。
4P目(5.10c~d)はレイバックと易しいワイドのピッチ。
最初のレイバックパートが結構嫌だったのと最後のスラブが悪かった。
でもオンサイト。
<4P目>
最後の5.11aもむっちゃんがリード。
ランナウトしたトラバースが核心のピッチ。
<5P目>
最初のスラブも少し悪いがは勇敢に進む。
トラバース手前で相当もじもじしていたけれど、意を決してランナウトを我慢してここも突破!
そのままこのピッチもオンサイト。
やはり先ほどの3P目をオンサイトしたことで自信が生まれてメンタルが劇的に変わったように見える。
登りのメリハリが全く違う。
クライミングは精神面が本当に重要だと見ていて痛感した。
というわけで最終日にAKHをチームオンサイトするという嬉しい締めくくりとなった。
1人でU Wallを全ピッチレッドポイントしたことも嬉しかったけれど、チームで成果しかもオンサイトというのは格別だ。
レッジでのんびりした後に懸垂下降してスコーミッシュを後にした。
<AKHチームオンサイト!>
本当にスコーミッシュに来てよかった。
新しい場所でいろいろなものに囲まれ触れながらクライミングすることは気持ちが良い。
ボルダーは全くできなかったし、ショートルートもあまり触れなかったけれど、マルチピッチに4回も行けて充実。
初日以外ほぼ雨にも降られなかったことも幸運だった。
さて帰国したらインドアでも登って力を戻しつつまた岩場だ。
そして秋にはヨセミテが待っている。
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