僕のクライミングシューズ遍歴 2019年3月時点
3年程前に「僕のクライミングシューズ遍歴」を書いて自分がこれまでに履いてきたクライミングシューズを紹介しましたが、この4月でクライミングを始めてちょうど10年になるためこれをアップデートします。
僕が履いてきたクライミングシューズ勢揃い
まずは2016年11月時点ではこんな感じ
<メインシューズ>
モカシム Moccasym :1
マタドール Matador:1 (写真には無し)
ソリューション Solution:2
フューチュラ Futura:15
<サブシューズ>
ミウラー Miura:1
パイソン Python:1
スクワマ Skwama:1
インスティンクトVS Instinct VS:1
合計:23足
それが3年と少し経って、こう変化しました。
<メインシューズ>
モカシム Moccasym :1
マタドール Matador:1 (写真には無し)
ソリューション Solution:2
フューチュラ Futura:34?(リブート含む。片足しかないものあるので正確には不明。未使用ストック含む)
フューチュラ ウーマン Futura Woman:1
<サブシューズ>
ミウラー Miura:1
パイソン Phthon:1
スクワマ Skwama:1
インスティンクトVS Instinct VS:1
マーベリンク Mavelink:1
TCプロ TC pro:1
合計:45足
最初の7年のほぼ2倍になりました。
そしてファーストシューズのモカシム(ファイブテン)、マタドール(レッドチリ)、サブのインスティンクトVS(スカルパ)以外は全てスポルティバ。
そしてフューチュラにかけた金額、、、。T
各シューズの感想や思い出などを述べていきますね。
ファーストシューズはモカシム
僕がクライミングを始めたのが、2009年の4月なので10年ほど前。
たしかその夏くらいにファイブテンの「モカシム」を買いました。
なぜか京都のショップで買ったのですが、とにかく”履けるギリギリを買え”と言われた記憶がありますね。
まだこの頃は”きつければきついほど良い”という風潮が主流だったように思います。
この時はクライミングもそんなに頻繁にはやっていなかったので、モカシムを1年くらい履いていたのですが、酔っぱらった友人が普通の靴を履いたまま僕のモカシムを無理矢理履いた際に破けてしまいました。
それで、2足目になんとなくダウントウのシューズが欲しいなと思い神田の石井スポーツでレッドチリの「マタドール」を購入。
中がフカフカしていて履き心地が良かったです。
僕はクライミングを始めて2年くらいで御岳の「忍者返し」(1級)を登りましたがその時もマタドールで登ったので、初めの2年はこのモカシムとマタドールで過ごしたということですね。
つまりこの頃はだいたい年に1足ペース。
ソリューションとの衝撃的な出会い
その後、クライマー友達の誰かから”スポルティバの「ソリューション」というシューズがすごい”という話を聞きまして、試しに履いてみるかと確かオープンしたばかりのB-PUMP秋葉原に行きました。
なので2011年の7月とか8月ですかね。
そこでソリューションを試し履きしたのですが、この時の足を入れた瞬間の衝撃は今でも覚えています。
とにかく抜群のフィット感。
こんなシューズがあるのかと戦慄しました。
足を包み込むような感覚から、まるでシューズが自分の足の一部になったかと思わせるほどの一体感を覚えました。
それで即買い。
しかしサイズを攻めすぎて38を買ってしまい、最初の1ヶ月は履くだけで苦悶していました。
初心者失敗あるあるですね。
家でずっと履いて伸ばしたり、リンスにつけて柔らかくしたり(効果は謎)、あらゆることを試しました。
このくらいからクライミングにハマり出し、購入が半年に1足ペースになっていきます。
半年ほどして2足目のソリューションを買おうと思い、自分の38のソリューションと店の新品の39のソリューションを比べたところ、伸びに伸びた結果自分の38のソリューションの方が大きいことが判明。
“なら初めから39でいいやん!”と思い、2足目は39のソリューションを買ったのでした。
そしてフューチュラの超ヘビーユーザーに
購入のきっかけなど
たしかむっちゃんがどこかから”スポルティバから「フューチュラ」というノーエッジコンセプトのシューズが出る”という情報を仕入れてきて、僕より早くフューチュラを買って履いていました。
僕も試し履きしてみたのですが、ファーストインプレッションとしてはソリューションが柔らかくなった感じで、そこまでは変わらないかなというものでした。
この時は岩にハマり出した頃で、御岳の「エゴイスト」(初段)に毎週のように通っていたのですが、どうしても最後のリップ手前のカチを取ってからの左足ハイステップがしっくりこなくて完登を逃していたところ。
そこで何かが変わるかもと思い、フューチュラを購入しエゴイストに使用してみたところ、左足のつま先感覚が抜群に優れていてなんと完登。
この体験を機にフューチュラのヘビーユーザーとなっていったのです。
<エゴイストの動画>
とにかく足の裏でホールドの微細な形状まで感じ取れるところがフューチュラの最大の武器だと思います。
元ライノスタッフのトミー氏曰く、”フューチュラは足裏からの情報量がすごい!クライミングシューズ界のGoogleだ!“とのことです。
Googleの例えが全然上手くないですが、言いたいことは完全に同意。
それと、トウフックの抜群の効きもフューチュラの優れた点ですね。
青いレザーの部分でバッチリかかります。
この「足裏感覚」と「フックの効き」が、僕がソリューション、パイソン、スクワマ、ではなくフューチュラを30足以上も履き続けている理由ですね。
このあたりから単なる趣味を超えてクライミングにどっぷり浸かり始めたのでシューズの購入速度もアップ。
最初の3年で5足なのに対して、次の4年ちょっとで18足、そして直近では3年ちょっとで22足買っている計算になりますね。
モデルごとの違い
フューチュラは少し前にリブートといって少しヒールカップが細身にモデルチェンジしたり、女性用の「フューチュラ ウーマン」もあるのですが、、、違いがわかりません。笑
30足以上も履いておいて自分の鈍感な感性が嫌になりますが、たぶん目をつむって旧フューチュラ、フューチュラ リブート、フューチュラ ウーマン、を履いたら当てられない自信があります。
まぁそれくらい全部素晴らしいシューズです!!
ちなみにフューチュラとウーマンの差って重量以外は本当になんなのでしょうか?
スペックとか説明文とか同じな気がするのだけれど。
サイズの履き分け
僕はフューチュラを3サイズ履き分けているのですが、
・38.5:インドア用、岩場ボルダー本気用
・39:岩場ショートルート用
・39.5:岩場マルチピッチ用
という感じですかね。
一番フィットしているのは38.5なのですが、長時間履くと足が痛くなってしまうので岩場のショートやマルチではハーフサイズやワンサイズ上げて使っています。
岩場でフューチュラは通用するのか
インドアでのフューチュラの信頼感と使用率はほぼ100%ですが、岩場では実はフューチュラ以外も試しています。
というのも、かつては細かいホールドへの掻き込みを強烈に求められる課題では固くエッジングに優れたシューズの方が良いのではと思っていたためです。
なのでエッジングに優れたミウラーとインスティンクトVSを使用している時期もありました。
<「水際カンテ」(二段) ミウラー使用>
<「ガルーダ」(二段) 右足インスティンクトVS使用>
ただ、最近になってフューチュラの使い方がようやくわかってきたのか、花崗岩などでのエッジングも全く問題無いのではと思い始めました。
足の指の掻き込む力がきちんとあればフューチュラはむしろエッジングしやすいです。
たまたまクジラ岩であった謎の上から目線クライマーに”フィーチェラ(原文ママ)では穴社長は登れないっすよー”と言われたこともありましたが、問題なく登れましたね!
<「穴社長」(二段) フューチュラ使用>
実際にヨセミテ・ビショップツアーなどでもシビアな足も多かったですが、高難度課題ではほぼフューチュラで乗り切りました。
(フューチュラのソールを減らしたくないときはスクワマを履きましたが)
スポルティバ九州ツアーの動画でも樋口君が”フューチュラは一番のエッジングシューズ”と発言していますね!
TCプロへの移行の必要性
そんなフューチュラと心中することを決めた僕も実はスポルティバの「TCプロ」へ移行する必要性を少し感じています。
というのもヨセミテなどマルチピッチで延々と続くクラックにこれでもかとフットジャムを連続して決めていったり途方もない長さの凹角をステミングして登っていく場合、フューチュラでは痛くてフットジャムができなくなってきますし柔らかいため長時間のステミングによるふくらはぎの筋肉の消耗が激しいです。
その点TCプロは名前の通りトミー・コールドウェル(Tommy Caldwell)がヨセミテのビッグウォールを登るために設計したシューズであるため、マルチピッチやワイドを含んだクラックに抜群に強いです。
実際にヨセミテのマルチを登っているクライマーのTCプロ使用率は異常!
あのモカシム等のソフトなシューズでなんでも登ってしまうと噂の杉野保さんですら『Rock & Snow 081』の「クラック/マルチ用シューズ比較」ではTCプロを
これを履いてみた私の第一印象は「ずるい」であった。
特にワイドでは絶大な威力を発揮する。
文句がつけられないので、最後はちょっと斜めな見方をしてみたが、そうでもしないとほかのシューズを履けなくなってしまう。
とべた褒め。
しかし、試しに使ってみても僕の足置きは完全にフューチュラ仕様になっているため、TCプロなどの固くてエッジがあるシューズだと足置きがどうしても気持ち悪いのです。
でも将来を見据えるとTCプロは使いこなせた方が良い、、、。
完全にこの懐かしの記事の「最大値ではない極大値にハマる現象 」が起きていますね。
ここは僕の今後の課題です。
<めっちゃ前のブログ記事「下手くそなフォームの名人」>
<ロクスノ081>
終わりに
なんかスポルティバの回し者みたいになってしまいましたが、なんら利益関係はありません。
クライミングシューズで悩む人は多いと思いますが、登る上で使用できる数少ない道具なので僕のフューチュラのようにビビッとくる一足に出会えると良いですね。
ではこんな感じでシューズ遍歴紹介を終わります。
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