楯ヶ崎インプレッション、クラックミーティング、ナサ崎ボルダー in 2018冬
12月21~23日で三重方面でクライミングをしてきました。
1年ぶりに訪れた楯ヶ崎とナサ崎はやはり素晴らしかった。
ヨセミテツアー以来ほぼ1ヶ月ぶりに岩を触って、自分の中でもまた色々とみなぎってきました。
<1年前の三重ツアー>
楯ヶ崎 インプレッション
前日は車移動でほぼ丸半日。
到着して翌日の楯ヶ崎「インプレッション」(5.10dと5.10cの2P)に備える。
インプレッションは去年ほとんど難しいマルチピッチをやったことがないレベルの時にチャレンジしてド敗退したルート。
当時の僕らの敗因は、登攀能力の低さに加えて
・ギアの準備等を前日にやらなかったため、朝出発までに時間がかかってしまった
・アプローチの下調べが足りず迷ってしまった
・フィックスロープの懸垂でルートに取り付くのだが、2P目の終了点を通り過ぎて取り付きまで降りてしまい、登り返しのユマーリングが取り付きからしかできなくなった
・空中ユマールがほぼ初体験であったためものすごく時間がかかった
などの数々のミスを犯したことである。
インプレッションをしっかりと登り切ることでこの1年で登攀能力、準備、ロープワークのレベルが上がったことを確認したかった。
アプローチ
1年前のブログにも書いているが、アプローチやルートの情報は最近発売された『Rock & Snow 079』の「たまにはマルチでも登ってみようか 20」がおそらく最も詳しい。
<ロクスノ079>
基本的には、ムツミヤ山の頂上→少し左側へ進む→南壁側に降りる、というアプローチなのだがその間赤いテープが目印としてある。
特に山頂から南壁側に降りるところは迷い易いですが赤テープが必ず目に入る範囲にあるので見失わない方が良い。
しばらく下ると少し右へのトラバースになり、眼前に海が見えたところで右手に懸垂点がある。
ルート内容
懸垂点から80mロープ(60mでおそらく十分)を垂らし、2P目終了点、1P目終了点とそれぞれで固定し、取り付きまで降りる。
いよいよ1年ぶりのリベンジ。
しかしむっちゃんは足首の様子が思わしくなかったため2ピッチとも僕がリード。
・1P目(5.10d)
ロケーションが最高なのは言わずもがなだが、内容も濃いピッチ。
特にルーフに入るところがムーブが悩ましく、僕はちょっと間違えてしまい落ちるかと思った。
しかしやり方がわかれば強度は低め。
トラバースはガバガバだがよれているとツラいのと、少しプロテクションが取りづらい。
そして最後に終了点のテラスに出るところがめちゃくちゃ怖い。
終わってみると5.10dにしては決して難しくないピッチであった。
自身の成長を実感できて感無量。
<反射で見えづらいが1P目>
・2P目(5.10c)
15mとあるがもっと短く感じるボルダリーなピッチ。
綺麗なフィンガークラックが楽しめる。
出だしが核心で強度が高く緊張したが、スモールカムとナッツを固め取って突っ込んでなんとかオンサイト。
1P目よりも落ちる人がもしかしたら多いかも?
<写真にはうつっていない右のフィンガークラック>
2つのピッチで全く違うタイプのクライミングが楽しめるとても良いマルチだった。
何よりただこの壁にいるだけで気持ちが良い。
オススメのルート。
クラックミーティング in 尾鷲
翌日は雨だったため昼から夕方まで津の「KO-WALL 三重」で登ることに。
KO-WALLはやはり噂に違わぬ厳しさ&面白さだった。
東京の流行とは真逆を行く、強傾斜のメイン壁にかなりのリーチ感を要する課題の数々。
このジムでクライミングを始めたらフィジカル面だけでなく精神面でも強いクライマーになるだろう。
僕がこのあたりに住んでいたら間違いなくホームにしたいジム。
そして夜からは「クラックミーティング in 尾鷲」。
今井考さんを中心とした呼びかけでクラックを愛するクライマーが30人ほど集まった。
クラックミーティングの詳細はおそらく今後何らかの形となって対外的に知らされると思うが、代表する何名かのクライマーが今年の成果、トレーニング方法、開拓記などをスライドショーで発表したりそれぞれがフリートークをしたりなど。
スライドショーも良かったのだけれど、僕にとって一番印象的だったのがとにかくみんなピュアでクライミングの話ばかりしているということ。
次に登りたい課題とか、開拓を狙っている岩の話とか、壮大な目標とか。
冒険心とエネルギーに溢れる錚々たるクライマーに囲まれて、とにかく夢のような時間であった。
ナサ崎でボルダリング
クラックミーティングの翌日はみんなでナサ崎でボルダリング。
ナサ崎は「free fan 076」にトポとともに詳しく紹介されているが、「スカイフォール」などの印象的なクラックボルダーが点在するエリア。
こちらも久々の外でのボルダーで身体が動くか心配だったが、結局は翌日バキバキになるくらいたくさん課題を登って楽しんだ。
<オーマの岩 この日は完登者でず>
<タイガー&ドラゴン 逆走とか逆走左抜けPとかとにかくこの小さい隙間をみんなしゃぶっていた>
昼過ぎからは北平さんによる「ワイドマニア」を使ってのワイド技術レクチャー。
北平さんは世界的に見てもワイドクラックのトップランナーであり、国内最難のワイドボルダーである「ワイドマニア」の初登者でもある。
参考記事:北平友哉が国内最難のワイドボルダー「ワイドマニア」を初登
「ワイドマニア」は北平さんの体感で5.13前半程度の強度はあったが、なんと最近になって下地が変わったのか岩の幅が広がってしまいグレードダウンしてしまった。
現在はスタンドでスタートする方が楽らしいのだが、あえて当時と同様に逆立ちスタートで始めて僕らにワイド技術をレクチャーしてもらった。
(ちなみに逆立ちスタートで5.11a程度に感じるとのこと)
色々なテクニックが学べて目からウロコが多かったのだが、自分が最も驚いたのは北平さんがチキンウィングを多用していること。
<下部の左手がチキンウィング>
僕は肩の可動域が狭いこともあり僕はこれまで全てアームバーでごまかしていたが、北平さん曰く幅にも依るが高難易度ワイドではこのチキンウィングを使わないと登れないことが多いとのこと。
習ってみてワイドマニアでやってみたのだが最初は全然きまらない。
正直アームバーで無理矢理押し切って登ろうかとも考えたが、このままではまさに「下手くそなフォームの名人」になってしまい上達は頭打ちになると思い、チキンウィングを使って登ることを決意。
<下手くそなフォームの名人 この記事自分で懐かしい>
そして他の下半身の動かし方のアドバイスもあり、まだまだぎこちなくゴリ押し感もあったがなんとかワイドマニアを完登することができた。
ヨセミテに続きワイド熱がまた上がったのと、チキンウィングを他の課題でも早く試したいという気持ちが沸いてきた。
その後各自好きに色々と登って終了。
クライミングの世界が一段と広がったとても貴重な時間だった。
今、僕の中で最高にクライミングが面白い。
-
前の記事
おすすめクライミングアイテム in 2018 2018.12.18
-
次の記事
チッピングからクライミングの課題を守るには 2018.12.28